生理期間は短縮できるの?【薬剤師監修】生理を早く終わらせたい、生理周期をズラしたい、生理の不快感ムリ!

コクハク編集部
更新日:2024-12-12 06:00
投稿日:2024-12-12 06:00

3. 生理を終わらせる、生理周期をズラす方法は?

 大切なイベントと重なると、さまざまな不都合も多い生理。生理を早く終わらせる方法の有無や、生理周期をズラす方法を紹介します。

3-1. 生理を早く終わらせる方法

 残念ながら、生理を早く終わらせる方法はありません。生理とは、妊娠の準備のために厚くなった子宮内膜が、血液とともに体外に排出されること。そのため、経血の量や排出スピードを自分でコントロールすることはできませんし、一度始まった生理が終わるタイミングをコントロールすることもできません。

3-2. 生理周期をズラす方法

 あらかじめ生理になりたくない日がわかっていれば、低用量もしくは中用量ピルの服用で生理日を移動させることができます。

 ただし、ピルを服用してすぐに生理日が移動できるわけではないので、移動させたい生理の1つ前の生理が始まる前のタイミングで婦人科を受診してください。

 また、婦人科を受診しても体質やアレルギー、他の薬との飲み合わせによってピルの服用ができない場合もあるので、注意してくださいね。

4. 生理の不快感を軽減する方法

 ピルを服用してもイベントまでに生理周期をズラせない場合、あるいはピルの服用ができない場合に、できるだけ生理の不快感を軽減する方法を紹介します。

4-1. ナプキンをこまめに取り替える

 生理ナプキンが蒸れて不快な場合は、ナプキンをこまめに取り替えるようにしましょう。

 ナプキンを取り替えることで、臭いが気にならなくなったり、蒸れによるかゆみが気にならなくなったりする可能性があります。

 ナプキンの材質によってかぶれてしまうこともあるので、敏感肌の人はコットンタイプを使うなど、自分に合う素材のナプキンを選んでくださいね。

4-2. からだを温める

 生理痛がひどい場合、からだを温めることで筋肉の緊張がほぐれたり血流が促されたりして、痛みが和らぐことがあります。温かい服を着たり、冷たい食べ物を避けたりしてください。

 生理が始まる前からからだを温めることで、生理痛が緩和されることがあります。毎回生理痛がひどいものの、ピルの服用ができない人は、からだを温めて対策するのもおすすめですよ。

4-3. 薬の服用

 生理痛は、イブプロフェン、アセトアミノフェンやロキソプロフェンといった解熱鎮痛剤を服用することで緩和できる場合があります。ドラッグストアで購入できるので、薬剤師もしくは登録販売者に相談のうえで購入してください。

 薬の服用に抵抗がある人は、西洋薬と比べて比較的副作用が少ないといわれている漢方薬の服用も検討するといいでしょう。

 生理痛を緩和するためには「血流をよくして子宮や卵巣の機能を回復する」「からだを温めて筋肉の緊張をほぐす」「ホルモンバランスの乱れを改善する」といった漢方薬を服用し、根本改善を目指しましょう。

生理痛緩和におすすめの漢方薬

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):滞った血液の流れをよくすることで、血行不良による生理の痛みの他、生理不順、月経異常に用いられます。

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう):滞った血の流れを整え、からだにこもった熱を取り去ることで、生理痛の他、イライラなどの精神症状、便秘に用いられます。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

5. 生理の不快感は早めに対策しよう!

「今まで生理はなんとなくやり過ごしていたんですが、耐える以外にも対策があるんですね!」

「生理周期が大きくズレていたり、生理痛が重すぎたりする場合は病気が隠れている危険もあるのよ。耐えてばかりじゃなく、一度婦人科に相談してみてもいいかもね」

 えりのボスから教えてもらったことをメモしながら、明るく頷くユリカさん。

「私、暑がりで生理前も生理中も気にせずに薄着で過ごしていました。そういうところも見直して、会議や旅行の前に体調を整えたいと思います!

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていくユリカさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


白髪、薄毛、パサつき…40代はショートヘア? デメリットをおさらい
 40代を過ぎると、白髪やパサつき、薄毛などいろいろな髪の悩みが出てきますよね。ケアやメンテナンスが楽な「ショートヘア」...
運動習慣がものをいう!40代からでも始めやすいスポーツ5つ
 若い時に比べて、筋力や代謝が落ちてくる40代。「いい加減健康やダイエットのために、運動でもはじめようかな」と考えている...
【節約】ホームケアで輝く髪へ!40代でもサロン級のツヤ髪に
 美容院に行くたびに、できるならトリートメントを追加でお願いしたいところです。  しかし最近は節約モードに入ってい...
今すぐできる糖質対策!【専門家監修】意外と知らない糖質のキと摂取法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
ちょっとの油断で眉頭が大惨事に…こっそり笑われてるかも!? 眉メイク3選
 眉メイクは自由自在に雰囲気を変えることができる一方で、一歩間違えるとせっかくのメイクが台無しになってしまいますよね。 ...
うっわ…どこまでOK?男性がつけるアクセサリー“ありorなし”の境界線
 女性にとっては、おしゃれに欠かせないアクセサリーですが、男性がつけると賛否両論あるようです。やはりチャラいイメージを持...
不安定な「40代秋肌」は洗顔を見直す!美容家激推し“裏ワザ”グッズ3選
 夏から秋へと季節が変わる今は、40代の肌はどうしても不安定になりやすいもの。部分的に脂っぽかったり毛穴が気になったり、...
デリケートゾーンの改善策に辿り着かない叔母…保湿オイルを勧めてみた
「デリケートゾーンケア」や「フェムケア」というワードは、雑誌などのメディア上では当たり前のものとなったけれど、どれくらい...
最近“老けて見える”と嘆く40代女性! 避けたいNG眉色と若見えのコツ
「メイクをしたのになぜかげっそりして見える」「最近なんだか老けた?」と感じているアラフォー女性の皆さん。もしかしたらその...
来年の夏までさようなら「サンダルを長持ちさせる」保管前のお手入れ方法
 夏に大活躍したサンダルですが、しっかりお手入れしておかないとすぐにダメになりますよね……。今回は、「来年の夏も綺麗にお...
ムダ毛処理は義務ですか? 毛を剃らない理由から考える“疲れない”美意識
 近年は、性別や働き方、美の基準など、あらゆる価値観が新しくなり、多様化した時代になっていますよね。中でも注目したいのが...
天然ヘアカラー剤「ヘナ染め」の末路は? 知っておくべきデメリット5つ
 おしゃれのためのヘアカラーと必要に迫られてする白髪染め、どちらもアラフォーにはおなじみです。こんなに続けて髪が傷まない...
U-2200円!美容家も納得の香りグッズ3選、おセンチ&悩める秋の夜長に
 夏が終わって秋が訪れると「秋の夜長」を楽しむ人もいる一方で、なんとなく心細い気持ちになって、くよくよと悩んでしまうとい...
台風による体調不良、気象病かも!?【専門家監修】すぐに試せる対処法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
時間1分ください!唇ぷっくり血色リップは「6V」チョイ塗りから3工程
 リップメイクは、唇に色がついて「血色感」さえあればいい、と思っていませんか? それで十分といえば十分でもありますが、短...
お疲れ頭皮&髪にオレンジシャンプーがグッジョブ 時短美容家が惚れた2品
「オレンジシャンプー」って、聞いたことはありますか?  文字どおり柑橘の「オレンジ」にまつわる成分を使っていて、洗い心...