テレビ局に謝罪したのは吉本興業の幹部…松本人志“不在”で復帰はますます遠のいた

更新日:2024-12-05 17:03
投稿日:2024-12-05 17:00

【芸能界クロスロード】

 文春との裁判を取り下げたダウンタウン・松本人志。NHKを含め民放各局に裁判終結の報告と謝罪に回っているのは吉本の幹部。そこに松本の姿はない。性加害疑惑報道以後、松本はXで言葉を発するだけで一切、姿は見せずにいた。取り下げという一応の解決をみても、会見するわけでもなく弁護士を通じて報告するだけ。芸能人は事を起こした時、どう対応するかが問われる世界。近年はSNSといった便利なツールで対応もできるが、本人自ら出てくることで誠意は伝わりやすい。昭和の芸能ニュースをひもといてもおのずとわかる。

 先日亡くなった火野正平氏。芸能リポーターらに直撃取材を受ける火野の様子が流れていた。懐かしい昭和のワイドショーの光景だったが、火野の対応力に改めて感心した。

 出かける家の前や地方から帰京した直後の東京駅で容赦なくマイクを向けられても、人懐こい笑顔と自分の言葉でかわした。当初、「次から次へと不倫して」と世の女性から反感を持たれていた火野だったが、カメラの前できちんと対応する姿に「家庭があっても、不倫相手に対しての気持ちも隠さず語っていた」と見方も変化していた。その背景にあったのが関西に住む妻子との間でトラブルが起きなかったこともある。私の取材では「火野に毎月支払うギャラから妻子に対する生活費などをあらかじめ抜き、事務所の社長が密かに振り込んでいた」と聞いた。ゆえに不倫に金銭が絡むこともなかった。昭和のプレーボーイといわれた羽賀研二との大きな差である。

 余談だが、当時のテレビと紙媒体はライバル意識が強かった。私は火野に「テレビが来たら放送禁止用語を言えばいい」とアドバイスしたことがあった。「なるほど」と納得していたが、根が正直な火野はとっさに嘘はつけない。いつものように自身の気持ちを語っていた。正直さはテレビからも伝わる。11股ともいわれた不倫も仕事に影響することなく、名脇役になった。晩年のNHKBSプレミアム「にっぽん縦断 こころ旅」も火野の人柄がにじみ出ていた。自転車で行く先々で地元の人とのふれあいを見せていた火野は不倫対応時とまったく変わっていなかった。

 今や会見・ぶら下がり対応といえば、斎藤元彦兵庫県知事がおなじみだが、どんなに不利な状況でも、毅然とした姿勢で話す対応力。逃げずに対応することで開ける道もある。

 火野や斎藤知事と比べるまでもなく、松本は対応どころか「逃げている」イメージしかない。

「会見すれば追及されることが多い。避けたい気持ちはわかるが、イメージは悪い。せめて迷惑をかけたことを自分の言葉で謝罪するだけでも違うはず」(業界関係者)

 今回の松本の件は極めて私的なこと。「事実無根なので、闘いまーす」と発信し、活動休止を決めたのも松本自身の判断。にもかかわらず、最終的にテレビ各局への謝罪は吉本任せ。子供が同級生にケガをさせ、親だけが代わりに謝りに行くようなものだ。吉本も松本を連れて謝罪に行くべきだった。できなかったのかもしれないが、松本自身も出向けばテレビ局幹部に与える印象も違ってくる。

 各局とも松本不在については指摘していないが、対応を見ても「まだ様子見」と納得した感はない。復帰はますます遠のいた。

(二田一比古/ジャーナリスト)

エンタメ 新着一覧


大谷翔平の結婚相手に日本人はなぜそこまで関心を寄せるのか
 米マイアミで決勝が行われた第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、侍ジャパンが3大会ぶり3度目の優勝を果...
竜星涼「スタンドUPスタート」敗因と中年期・反町隆史の宿命
 冬ドラマのなかで、ひそかに期待していたものの、残念な結果に終わってしまいそうなのが、「スタンドUPスタート」(フジテレ...
武田真一アナ、岩田明子氏も参戦「元NHK」強みと重用される人の特徴
 この春も、NHK出身者が民放番組の“顔”になりそうだ。2月末で同局を退職した武田真一アナウンサー(55)は4月スタート...
求む、大谷翔平専用カメラ!栗山監督の隣で見切れるイケメンは誰?
 WBC2023、盛り上がっていますね~。猫も杓子も侍ジャパン、侍ジャパンと大騒ぎ。中国戦、韓国戦、チェコ戦と開幕から3...
高身長・SixTONESジェシーが明かしたジャニーさんの言葉に納得!
 King & Princeの冠番組「King & Princeる。」(日本テレビ系)の4月以降継続が決まりました。大好...
NHKからキー局まで若手の退社続々 アナウンサーを目指す学生の価値観
 テレビ局の若手アナウンサーの転職が珍しくなくなった。すでにテレビ東京の森香澄アナ(27)、日本テレビの篠原光アナ(28...
沢田研二は元祖ビジュ系! 芸能史に残る“不倫ベスト5”入りも
 コンビニのおにぎりとカップみそ汁ばかり食べておきながら言うのもなんですが、「ていねいな暮らし」に憧れます。  特...
キンプリ永瀬廉が宝の持ち腐れ…橋本環奈が「夕暮れに」ヒロインなら?
 広瀬すず(24)主演、King & Prince・永瀬廉(24)共演のドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」が苦戦している。初...
こじらぶ 2023-02-25 12:06 エンタメ
渡部建はサイン会開催まで復活 この先は宮崎謙介氏が手本?
 昨年2月放送の「白黒アンジャッシュ」(チバテレ)に出演して以来、復帰1年を迎えたアンジャッシュの渡部建(50)。現在は...
早乙女友貴・石田ニコル密会報道でも「ゲーム仲間」の“常套句”が出た!
 先日、元SPEEDの島袋寛子(38)と早乙女友貴(26)が離婚しました。正直言って「やっぱり!」と思ってしまいました。...
“強メンタル”三浦瑠麗氏の使い道 夫のトラブル渦中にデート報道も戦略?
 先月19日に夫の三浦清志氏(43)が経営する投資会社などに東京地検特捜部が家宅捜索して以来、表舞台から姿を消した国際政...
月9「女神の教室」最大の収穫は前田拳太郎!劇団EXILEの救世主に…
 学園ドラマの醍醐味は生徒役のイケメンを発掘することにあります。たとえば「ROOKIES」(TBS系)には、市原隼人や小...
佐藤健“演技派イケメン”に!お姫様抱っこから「100よか」で泣かせるまで
「100万回生きたねこ」というのは佐野洋子さんの絵本のタイトルです。昔から大好きなお話でして、その想いを共有したく、好き...
島袋寛子の離婚はやっぱり?年の差2ケタの年上妻×年下夫“円満”の条件
「SPEED」のメンバーで歌手の島袋寛子(38)と俳優の早乙女友貴(26)が離婚した。島袋は1月31日、インスタグラムを...
今さら感を覆したNHK「大奥」冨永愛、堀田真由以外の“掘り出し”役者
 昨年のわりと早い時期に、NHKがよしながふみ作の「大奥」をドラマ化するという発表がありまして、その時は「いまさら『大奥...
草彅剛「罠の戦争」で復活!山P、キンプリ脱退組も影響必至
 草彅剛(48)主演の「罠の戦争」(カンテレ・フジテレビ)が絶好調だ。草彅はSMAP解散後としては初めて民放で主演を務め...
こじらぶ 2023-01-28 06:00 エンタメ