一晩に何度起きたら頻尿ですか?【医療従事者解説】頻尿のセルフチェック&トイレによる寝不足改善法

コクハク編集部
更新日:2025-04-03 06:00
投稿日:2025-04-03 06:00

3. 頻尿に悩む人におすすめの対策

 ここからは、頻尿に悩む人におすすめの対策を3つ紹介します。前述のセルフチェック項目に当てはまった人は参考にしてくださいね。

3-1. 膀胱トレーニング

 尿意を感じたとき、すぐにトイレで排尿せずに我慢する膀胱トレーニングをしてみましょう。

(1)尿意を感じても、3分間はトイレに行かずに我慢して座る
(2)3分後を目安にトイレに行く
(3)慣れてきたら、5分、10分、15分と我慢する時間を延ばす

 上記のトレーニングによって、膀胱にためられる尿の量が増えて頻尿が改善する可能性があります。夜間や外では行わず、我慢できなくなったときにすぐトイレに行ける日中の自宅で行ってくださいね。

3-2. 食生活を見直す

 頻尿が気になる人は、塩分と水分の摂りすぎに注意しましょう。塩分を過剰に摂取すると喉が渇いて水分摂取量も増えますし、塩分を薄めるために血液中に水分が移行して尿量が増える原因となります。

 夜ぐっすり眠りたい人は夕食時の水分を控えたり、就寝3~4時間前は水分を控えたりするのがおすすめですよ。アルコールやカフェインには尿の排出を促す利尿作用があります。夜にアルコールを摂りすぎたり、コーヒーを飲んだりしないことも、夜間頻尿の改善に効果的です。

3-3. 漢方薬の服用

 頻尿が気になる人は、体質の改善を得意とする漢方薬の服用もおすすめです。頻尿治療のために泌尿器科で漢方薬が処方されることもありますよ。頻尿対策には「低下した腎臓や膀胱の機能を高める」「膀胱の過剰な熱を取り炎症を抑える」などの働きのある漢方薬を服用しましょう。

<頻尿対策におすすめの漢方薬>
・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん):からだを温めて水分代謝を高め、加齢による腎臓・膀胱や生殖器の機能低下を改善し、頻尿や尿量の減少、むくみなどを改善します。

・五淋散(ごりんさん):余分な熱を取り除くことで膀胱の炎症を抑えて、膀胱炎などによる急性の排尿痛や残尿感、頻尿などの尿トラブルを改善します。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

4. 頻尿が気になる人は生活の見直しを!

「膀胱トレーニングは在宅ワークのときにできそうです! アルコールには気を付けていたけど塩分やコーヒーは気にしていなかったですし、漢方薬の服用は考えたこともなかったです…。頻尿改善のために、自分でできることはたくさんありそうですね」

「どうしても尿漏れが気になる場合は、パッドの使用などの対策もあるわ。頻尿が気になって日々の生活を楽しめないのはもったいないから、自分にできる対策から始めてみてね」

 えりのボスの言葉に、ツバキさんは嬉しそうに頷きます。

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていくツバキさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


急に夜が淡白になり、枯れてしまった彼氏…【薬剤師監修】浮気以外で考えられる原因は?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
40代で「実年齢+5歳老け見え」は絶対回避したい!【美容家激推し】お助けアイテム3選
 40代を迎えると、ちょっとした老け見えにも落ち込みますよね。「43歳なのに、48歳くらいに見られた…」なんてしょんぼり...
お肌のシミはなぜできる?【美容外科医が解説】薬局で購入可能なおすすめの薬と美容クリニックの威力
 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。美容医療11年目の美...
腹痛だけと思ったら大間違い!本当は怖~い「便秘」の5つの影響【薬剤師監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
冬でもテカる! 厄介な「油田肌」3つの原因と対策3カ条。逆効果のケアしていませんか?
「夏はまだしも、真冬の今でも肌がテカるのなんでなの!?」とキレている女性の皆さま、必見!  今回は冬でも肌がテカる原因...
40代に高額な美容液は必要なの? 愛すべきプチプラではなく、全力で投資すべきデイリーコスメは…
 40代半ばを過ぎてくると「高価な美容液に変えるべき?」の疑問が湧いてくる人も多いよう。実際に私のもとへも、「プチプラ美...
脱ネガティブ! マインドフルネスって何?【専門家監修】1日5分から始める簡単メソッドを解説
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
美容家熱弁!40代以上に大人気のプチプラで“買い”な最新作(UV対策、ポイントメイク、ヘアアレンジ)は?
 ここ数年で「プチプラ」と呼ばれるコスメのレベルが、格段に上がっていますよね!  大人世代が使っても納得と満足の両方を...
噂の美容法「タオルで顔拭きはNG」って嘘でしょ!? 医師3人の回答は/専門家監修【美容のウソ・ホント】
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...
洋服でお金を浪費する人の特徴4つと回避策。通販サイトは“鬼門”かも?
 お金は稼いでいても、なかなか貯金が貯まらない人に多い特徴が「洋服でお金を浪費している」ケースです。なかには、洋服はたく...
お風呂から出てもすぐに足先が冷えるのはなぜ?【専門家監修】温活で全身ポカポカにする秘訣とコツ
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
20代が実例チェック! アラフォー女性がハマる“逆パンダ”アイメイクの罠
 アラフォー世代のみなさ~ん。若々しさを意識して華やかなメイクをしたつもりなのに、気づけば目元が浮き上がり、さながら“逆...
夫がハゲてきた…プライドも頭皮も傷つけない伝え方と妻にできること3つ
 夫婦の間でも、デリケートで伝えにくいのが「夫のハゲ問題」です。ハゲてきたと感じても正しい伝え方をしない場合、夫を傷つけ...
ダイエット成功の秘訣は「楽痩せ」【薬剤師監修】過去の失敗は“宝”。本当に好相性な超簡単ダイエットは?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
「なんだかキマらない…」【美容家厳選】“メイク下手”40代こそ使いたい! 優秀プチプラ3選
 40代以上の自称「メイク下手」女性の多くが悩む「昔と同じようにメイクをしても、なんだかキマらない」問題。きちんとメイク...
「膣トレ」きちんと知りたい!インナーボール、膣ハイフ、膣ヒアルロン酸はwinwinな治療法!?
 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。美容外科医の増田えり...