3. 薬剤師が解説!常備したい薬は?
前述の通り、家族構成やライフスタイルによって常備しておきたい薬は異なります。ここからは、とくに使用頻度が高い薬や成分を紹介するので、救急箱を整理する際の参考にしてください。
3-1. 解熱鎮痛剤
頭痛や歯痛、生理痛のときに飲む解熱鎮痛剤は常備しておくと便利な薬です。とくに、アセトアミノフェンは子どもでも服用しやすい成分として知られているので、子どもがいる家庭では常備しておくといいでしょう。
アセトアミノフェンと同じく解熱鎮痛剤に含まれるイブプロフェンという成分は15歳未満の子どもが飲むのはおすすめできません。同様に、ロキソプロフェンも15歳未満の子どもへの安全性は確立されていないので注意してください。
3-2. 口腔咽喉薬・咳止め
喉が痛いときに飲む口腔咽喉薬も常備しておきましょう。トラネキサム酸やカンゾウという成分は喉の炎症を抑える効果があります。
ただし、トラネキサム酸も6歳未満の子どもが服用する際には注意が必要です。
咳がひどいときには、ジヒドロコデインリン酸塩やコデインリン酸塩が含まれる鎮咳薬(ちんがいやく)、痰が絡んでつらいときにはブロムヘキシン塩酸塩が含まれる去痰薬の服用おすすめです。
3-3. 胃腸薬・整腸薬
おなかが痛くなったときのために、胃腸薬や整腸薬を常備しておくと便利です。
食べ過ぎが原因でおなかが痛い場合は、消化を促すタカヂアスターゼやリパーゼなどの成分が入っている胃腸薬を選んでください。胃もたれや胸やけがある場合は、ファモチジンが含まれる胃腸薬がおすすめです。ただし、15歳未満は服用できないので注意してください。
便秘や下痢など、消化器の不調がある場合はビフィズス菌やラクトミンが配合されている整腸薬の服用がおすすめです。
3-4. 漢方薬
常備薬としては、漢方薬の服用もおすすめです。漢方薬は子どもでも服用しやすいうえに、ここまで紹介した西洋薬と比べて副作用が出にくいという特徴があります。
常備薬として選ぶなら、風邪の初期症状や肩こりの改善が期待できる「葛根湯(かっこんとう)」、二日酔いや乗り物酔いを改善する「五苓散(ごれいさん)」、鼻水や花粉症の症状を抑える「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」などがおすすめです。
スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
4. 救急箱を整理して、急な不調に備えよう!
「いろいろと教えてくださって、ありがとうございます! 早速、今日の帰りにメモした成分をドラッグストアで探してみますね」
「ぜひ探してちょうだい。ただ、薬のなかには長期的に服用すると依存性が出る恐れがあるものもあるから注意してね。2週間くらい服用しても症状が治まらない場合は、病院を受診するのよ」
「わかりました。あくまで突発的な不調へのセルフケア、って感じですね。家族とも、どんな薬があると安心なのかを話し合ってみます」
「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」
スッキリとした表情でサロンを去っていくナギサさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。
★サロン「コクハク」のオーナー えりの
顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。
(漫画/腹肉ツヤ子)
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<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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