アラフィフ独女が『人事の人見』を見て思うこと。平成の働き方はもう通用しない…私たちはどう振る舞うべき?

mirae.(みれ) ライター
更新日:2025-04-29 06:00
投稿日:2025-04-29 06:00
 アラフィフ独女ライターのmiraeです。前回のコラムでもお伝えしたとおり、アラフィフである私は、氷河期世代として社会に出たときから、セクハラやパワハラが当たり前の職場で働いてきました。フジテレビの性加害問題に接し、自分の経験とも重なる部分が多く、改めて働き方の世代間ギャップについて考えさせられました。

 そんな中で出会ったドラマ『人事の人見』は、世代間の価値観のズレを象徴するような作品でした。今回は、『人事の人見』を見て感じた昭和・平成・令和の働き方について考えたいと思います。

ドラマ『人事の人見』とは?

 2025年4月期のフジテレビ系火曜21時枠でスタートしたドラマ『人事の人見』は、主演にTravis Japanの松田元太さんを迎えたオフィスエンターテインメント。舞台は老舗文房具メーカー「日の出鉛筆」の人事部です。


 主人公・人見廉(ひとみ・れん)は、ちょっとおバカでピュアな性格の“新米人事”。型破りながらもまっすぐな言動で、問題社員や部署のトラブルに首を突っ込み、結果的に会社の問題を一つひとつ解決していきます。既成概念や常識にとらわれず、「人事は人を見て、支える仕事」という信念を体現する人見の姿勢は、まさに現代の企業社会に必要な視点そのものです。

 この作品では、第1話の“退職代行サービス”を使って会社を辞めようとする営業部の若手社員と体育会系の中年上司のトラブルから始まり、社員のサービス残業や副業問題、上司と部下の摩擦など、現実にもありそうな職場のトラブルを題材にしつつ、人見のピュアで真正面から向き合う姿が、コミカルで温かみのあるタッチで描かれています。

【こちらもどうぞ】アラフィフ独女が見たフジテレビ問題。氷河期世代の私が感じた世代間の「当たり前」のズレ

昭和・平成・令和の世代間の働き方の変化

 ドラマ『人事の人見』には、昭和、平成、令和という異なる時代背景で働いてきた会社員たちが登場し、それぞれの価値観や働き方がぶつかり合う場面が描かれます。ここでは、その世代間の違いについて、私自身の実感も交えながら見ていきましょう。

昭和の働き方

「24時間働けますか?」というエナジードリンク「リゲイン」のCMに象徴されるように、昭和の働き方は「会社が第一」「家庭は女性に任せる」が前提。家族との時間よりも会社での評価、根性論や精神論が支配的で、休むこと=悪という空気も当たり前でした。

“上司は絶対、部下は従うもの”という縦社会の中で、パワハラやセクハラ、モラハラは「問題」とされることなく、むしろ「社会人としての洗礼」「愛のムチ」とすら言われてきましたものです。

 彼らは、“自分たちの働き方が正しい”と信じ、それを下の世代にも強いるという構図が長らく続いていたのです。

平成の働き方

 私が社会に出たのはまさにこの平成初期、いわゆる就職氷河期世代でした。バブルがはじけ、失われた30年のスタート地点。仕事はあるにはあっても選べず、待遇は厳しく、景気回復の兆しが見えない中で、上司に逆らう余地などありませんでした。

 平成の世代は、コピー取りやお茶くみ、飲み会でのお酌や料理の取り分け、そして男性上司の機嫌取りをすることが“気の利く女性”として評価される、そんな時代に社会人としての基礎を築きました。営業職には必ずといっていいほど女性のアシスタントがつき、女性はサポート役であることが前提とされた時代です。

 上にはバブル世代の「昭和型上司」、下にはまだ少数だった「ゆとり世代」の部下。間に挟まれながら、自分たちは理不尽に耐えるしかない、という空気が。セクハラやパワハラのような言動を受けても、「言い返すほうが損」「我慢するのが大人」と教えられて育ってきたのです。

mirae.(みれ)
記事一覧
ライター
アラフィフのフリーライター。ライター歴は15年以上。いろいろこじれて48歳で処女卒業。現在は性に奔放で貪欲に、独身生活を謳歌中。
X

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


大谷の“一平ちゃん騒動”で不安 友人との金銭トラブルQ&A~弁護士解説
 ドジャースの大谷翔平(29)の専属通訳を務めていた水原一平氏(39)が、違法賭博に関与したとして球団から今月20日、電...
【スナック超入門編】どんな場所?若葉印のホステスが実感する5大特徴
 みなさんは、そもそも「スナック」がどんなところかご存知でしょうか?  キャバクラやガールズバーとは何が違うの?...
高級クラブのホステス→ギャラ飲み嬢に 面識なしで突然10万円ギフトが…
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
「正しくないこと」が「美しくない」とは限らないと知った
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
松田聖子まさかの中大法学部を卒業! 通信制の学び直しで成功する人は?
 先日、歌手の松田聖子さん(62)が中央大学法学部の通信教育過程を卒業したことが話題になりました。近頃、通信制大学で学び...
瞬き厳禁! 春到来の歓びを表現する黒“たまたま”を見逃すな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
スタレビの名曲が聞きたい!仏教と深い関係のある「木蓮」とその仲間たち
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、ただいま卒業式や送別など春特有のイベント仕事で、いつにも増して花まみれの毎日...
“炎上常連”麻生さん級の「ルッキズム失言」していませんか?
 最近、よく耳にするのが「ルッキズム」という言葉です。政治家や芸能人が、何気なく言った一言で「ルッキズム発言だ」と叩かれ...
女の敵は女だから?忘れた頃にぼっ発する「専業主婦論争」をガチで考える
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  X(旧Twi...
職場の同僚ランチが苦痛すぎる…一人の時間を確保する4つの冴えた処世術
 業務内容へのストレスより、職場でのランチタイムが苦痛という人は多いですよね。正直、仕事で疲れているのに、休憩時間まで同...
離婚→シンママになり、心底よかったこと4つ 我慢は美徳っていつの話?
 世間では、離婚してシンママになった女性に対して「かわいそう」「大変そう」といったイメージがあるかもしれません。  で...
春まであと少し?
 残雪の甲斐駒ヶ岳を背にすっかり葉も落ちた葡萄畑  春まであと少しが意外と長い
春のお花と記念撮影にゃ! ウサギみたいなしっぽの“たまたま”
 きょうは、ウサギ君みたい! しっぽの短いにゃんたま君に出逢いました。  しっぽが短い猫は長い猫と比べると、臆病で...
ほっこり癒し漫画/第70回「すぷりんぐファミリー」
【連載第70回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
男と女の物語、だからこそ「娚」の当て字が使われた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「場所代は200円いただくわ」堅実というかケチ!名目別に徴収するママ友
 ママ友と仲が良いといっても、子どもありきの関係。価値観や金銭感覚など、すべてが合うとは限りませんよね。  中には、マ...