毛穴にいい?「あの洗顔法」の真相を医師が解説。向いてる肌質もあるけれど…【美容のウソ・ホント】

コクハク編集部
更新日:2025-05-05 10:59
投稿日:2025-05-05 06:00

普通の洗顔フォームじゃダメなの?

 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマでも相反する意見を主張する人たちも。いったいどっちを信じればいいの?

 そこで3人の医師に同じテーマを直撃。エビデンスや知見をもとに答えていただきました。今回は、【ベビーオイル洗顔】について伺います。

【関連記事】噂の美容法「タオルで顔拭きはNG」って嘘でしょ!? 医師3人の回答は/専門家監修【美容のウソ・ホント】

2人の皮膚科医からの回答は…

 数年前から市販の洗顔フォームではなく、ちょっと変わったものを使った洗顔を推奨している人を見かけます。今回取り上げるのは「ベビーオイル洗顔」。曰く、通常の洗顔フォームより肌に優しく、さらに毛穴が詰まらないなどのメリットがあると聞きます。

 一方で、逆に毛穴が詰まるという真逆の意見をする人も。そこで肌の専門家である医師に伺いました。

【回答:△】敏感肌の人には良いけど…

もこスキンクリニック吉祥寺本院(東京都)
医療法人社団健麗会 理事長
高畠唯先生

 界面活性剤は含まれておらず、保湿力に優れるため乾燥肌の方にはお勧めです。肌にも優しいので、乾燥肌や普通のクレンジング、洗顔料で肌が突っ張ってしまう方には良いと考えられます。

 ただし毛穴つまりが生じてニキビができることがあります。油分が肌に残り、毛穴を詰まらせることでニキビの悪化につながったり、脂性肌の方だと余計にべたつきが気になる可能性あり。

 また、長時間油分が肌に残ることで慢性的な炎症が引き起こされ、赤ら顔の原因になることがあるので注意です。

【回答:×】肌質や状況が限られる

山内皮ふ科スキンケアクリニック(福岡県)
院長
山内大輔先生

 ベビーオイル洗顔が従来の洗顔方法よりも一概に「良い」とは言えません。 その理由は、ベビーオイル洗顔が適している肌質や状況が限られており、すべての方にお勧めできる方法ではないからです。

 従来の洗顔料やクレンジング剤の多くは、界面活性剤という成分の働きを利用しています。界面活性剤は、水と油を混ぜ合わせる(乳化させる)性質があり、メイクや皮脂などの油性の汚れを水で洗い流せるようにする役割を担っています 。

 一方、ベビーオイル洗顔は、ベビーオイル(主成分はミネラルオイルが多い)の油分そのもので、油性の汚れを溶かし、ティッシュなどで物理的に拭き取る、あるいは(困難ですが)洗い流すという方法です 。基本的に界面活性剤を含まないため 、洗浄のメカニズムが根本的に異なります。

 界面活性剤は、種類や濃度によっては肌に必要な皮脂まで洗い流してしまい、バリア機能の低下を招く可能性が指摘されています 。ベビーオイル洗顔は、この界面活性剤を避けることで肌への負担を減らすという考え方に基づいているようです 。

 しかし、ベビーオイル洗顔にも後述するようなデメリットやリスクが存在します。どちらの方法が「良い」かは、個々の肌質、メイクの習慣、そして何を重視するかによって異なると考えます。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ビューティー 新着一覧


「レチノール」って大丈夫? シミ・シワに“ほどほどケア”で取り入れたい
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
今すぐお腹の肉を隠したい! “部分ぽっちゃり”を撃破する6大アイテム
 若い頃にほっそりしていた人も、食生活をまったく変えていない人も、なぜか40代になるとだんだん代謝が落ちてふっくらしてく...
無自覚のスメハラは不本意…「香水つけすぎた?」判断法と匂いの落とし方
 いい香りを身にまとえる「香水」は、年代問わず多くの人が使っていますよね。でも、時には香水をつけすぎたことに自分で気がつ...
アラフォーこそ挑戦!ピンクとツヤ感“命”の「純欲メイク」やり方&コツ
 SNSで話題の「純欲メイク」。若い人にしかできないと諦めていませんか? 実は、純欲メイクは40代女性の魅力を最大限に引...
好きでも似合わない色ってありますよね…上手に取り入れる2STEPの方法
 ファッションを楽しむ上で知っておきたいのが「自分に似合う色」。とはいえ、好きだけど周囲の人には「似合わない色」と言われ...
不器用な人こそ試して!「ヘアアレンジが苦手」でも“おしゃれ髪”は叶う
 おしゃれな女性を見ていると、ファッションだけでなくヘアスタイルもセンスよくアレンジしている人が多いですよね! でも、ヘ...
冷えとの戦いは夏も続く! 30代からの「つらい下痢」改善対策ガイド
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
Over30歳向け・アイシャドウの掟…パウダーとクリームのどう使い分ける
 美しいアイメイクを完成させる手順は、アイシャドウの選び方から始まります。  アイシャドウにはさまざまなテクスチャ...
年1アプデの「セルフネイルとフェイスパウダー」はご褒美ブランドで!
 ネイルリムーバーとネイルポリッシュ、フェイスパウダーを年に1回のペースで最新アイテムに買い替えています。  長年...
見るだけでもツボ!? 平成vs令和「ギャルメイク」を再現→比較してみた
 ギャルアイメイクは、ガッツリとアイラインを引き、涙袋をくっきりと目立たせたうえに、まつげも盛りまくってぱっちりとした大...
サラダチキンそのままは飽きた…ダイエッター向きレシピ&代用食材3つ
 高タンパクで低カロリーな食材としてダイエッターに人気なのが「サラダチキン」ですよね! コンビニで簡単に手に入るだけでな...
「夏老け」って嫌な響きだな…40代を悩ませる5つの原因と対策を解説
 40代になってから「夏が過ぎると、一気に老けた気がする」と感じている人はいませんか。ジリジリと紫外線が肌を焦がす夏は、...
出た、ショッカーママ!紫外線対策やりすぎは女性として何かを失うかも
 暑い夏。女性の大敵といえば「紫外線」ですよね。40代を超えたら、しっかり紫外線対策をしたいところですが、たまに街中で見...
スプーンを活用!?「夏も崩れないアイメイク」を叶えるマル秘テク5つ
 夏は特に、アイメイクがうまくいかないと悩む声が聞こえてきます。粉末のアイシャドウが肌に密着してくれずに粉飛びしてしまっ...
性交痛の記憶がちらつく…セカンドバージンは“3つの戦法”で乗り越える!
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
また黒ずんでる!夏に毛穴が目立つ理由&引き締めるために有効なケア4つ
 夏の肌悩みの代表格といえば、毛穴の目立ち。夏になると一段と毛穴が開いたり黒ずんだりするので、「なんとか毛穴を引き締めて...