「超人でないと子育てと両立できない」なんて、そんなバカな|トイアンナ『えらくならずにお金がほしい』

トイアンナ ライター・経営者
更新日:2025-06-24 06:00
投稿日:2025-06-24 06:00
 子育てと仕事、どちらも完璧を求められる令和。「ちゃんとした育児」は本当に必要なのでしょうか? 無理せず幸せに暮らすための等身大の子育てを考えます。トイアンナさんによる『えらくならずにお金がほしい』(大和書房)より、一部を抜粋してご紹介します。

「ちゃんと子育てしなければ」の圧力

 家庭とキャリアを両立しようとするとき、キャリアだけでなく子育てのハードルも上がっているように感じます。「仕事を言い訳にせず、ちゃんと子育てしなければならない」という圧力が女性にかかっているのではないでしょうか。

 ただ、「ちゃんと」って何だろうってことを思うんですよね。たとえば、親世代が専業主婦だったという方は結構いると思います。その親が、自分が子育てするときよりも「ちゃんと」自分を育ててくれたと思える人は、どれくらいいるでしょうか。

 お弁当は手作りだったかもしれませんが、それって冷凍食品が今より貧弱だった時代だからで、あとは結構適当だったって方も多いのでは?


【読まれています】今さら「バリキャリ」にならなかったのは“自己責任”と言われましても|トイアンナ『えらくならずにお金がほしい』

昔はもっとのんびりしていたはず

 たとえば、私が小さい頃は習い事へ自分で行って帰ってくるのは当たり前でした。友達の家に入り浸ってゲームしたり、逆に自宅でダラダラ遊んだり。その間に専業主婦の親はお菓子と麦茶を出してくれるくらいで、あとはのんびりしていたのではないでしょうか。

 少なくとも今みたいな、習い事も必ず親が送迎して……とか、子供が遊びに行ったら互いに菓子折りでお礼を……とか、余計な気遣いはなかったように思います。

 他にも母親自身の習い事やPTA活動で子との接点自体が少なかった方もいましたし、夫婦仲が悪すぎて家庭の雰囲気がピリピリしており、家にいるのが嫌だったなんて話もよく聞きます。

 ちゃんとした子育てに気疲れしているのは、むしろ今のワーキングマザーばかりではないか。そう思うと、超人にならずとも、普通の子育てってできるんじゃないかと思わされるわけですね。

トイアンナ
記事一覧
ライター・経営者
 慶應義塾大学を卒業後、P&GジャパンとLVMHグループにてマーケティングを担当。同時期にブログが最大月50万PVを記録し、2015年に独立。主にキャリアと恋愛について執筆。近著に『二訂版 就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』(KADOKAWA)、『弱者男性1500万人時代』(扶桑社新書)など。noteでは会社組織でサバイブするための方法が手に入る「会社サバイバル論」をメンバーシップで連載している。
note 

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


惚れてまうやろー!彼氏より気が利くChatGPTに「好き」について聞いた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第65回「パカラパカ、春のひとみにタツノオトシゴ」
【連載第65回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
恐怖の親知らず抜歯!30女が超ビビりながら人生初抜歯した話
 皆さんは親知らずがまだ生えていますか? 筆者は30代になってもすべての親知らずが生えたままです。  歯は大切にしてい...
千代田区民は“勝ち”だよね。通勤ラッシュを知らない自分は上流階級層の女
――『東京の中心に暮らす、ということ』…なんてね。  鈴木綾乃の頭の中にマンション販売のコピーのような、そんな言葉...
え…? 優雅な御茶ノ水ママ友会をブチ壊した、地方出身者の悪気ない一言
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家に住む薬剤師の綾乃。2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、...
世帯年収1500万円でも越えられない壁。耐え難い屈辱を喰らった女の選択
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家で2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、ママ友と共に充実し...
たまにはこんな日もあるよね? 終電を見送ってしまった夜
 久しぶりの仲間との時間が楽しくて、「あと1杯だけ」「あと10分だけ」を続けていたら終電を見送ってしまった。  だ...
「自責と他責」バランス上手な大人が口癖にしている神ワード
 ここ数年、自責思考・他責思考みたいな話題をよく見かけませんか? 私はもう見るたびに「うるせぇ~!」となっている反面、し...
出張ホスト、ママ活、女風…女性の金目当てに上京する男性が増えている!
 近頃は地方移住が話題となっていますが、その逆に「地方では稼げないから上京する」男性も出てきています。  出張ホストや...
ご飯をありがとにゃ! お母さんが大好きな“たまたま”君たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
荒れる2024年幕開け 花屋が祈りを込めた「復興と希望」の花束
 2024年が明けました。今年は元旦から思いもよらないことが起こって、まさに辰年。大きな変化の年が始まったようでございま...
2024年こそシンデレラボディ!フェロモンジャッジで分かるケア&香り術
 素敵な女性はいい香りがする――。  そう感じるのは、肌から放たれるフェロモンの効果。フェロモンが高まると色気だけ...
動物は「あったかい場所」を見つける才能があるみたい
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
暇すぎ死にそう…大きな声じゃ言えないけど仕事中にばれない暇つぶし5選
 同じ仕事でも、忙しいと時間は早く過ぎ、暇すぎると永遠に時計が止まったように見えるもの…。とはいえ、仕事の拘束時間なので...
見上げた青空が眼に染みて…1日に1回くらいは空を眺めてみる
 青空が眼に染みると思ったら、しばらく空を見上げていなかった自分に気が付いた。  うつむいて歩くのがクセになってい...
私「復縁希望?」女友達「あと2年で吹っ切る」失恋かまってちゃんLINE
 失恋をして心が傷つくと、少しでも誰かに気持ちを聞いてもらいたくなるもの。  でも、あまりにしつこかったり、常識が...