BSの芸人番組が醸し出す“心地よい空気感”の秘密 バナナ日村×サンド伊達のコラボ企画も実現
BSから目が離せない。7月1日、8日放送の「バナナマン日村が歩く!ウォーキングのひむ太郎」(BS朝日)ではサンドウィッチマン・伊達みきお、わらふぢなるお・口笛なるおとウオーキング、7月4日放送の「サンド伊達のコロッケあがってます」(BS-TBS)ではバナナマン・日村勇紀を招き商店街のコロッケを食すコラボ企画を実現させた。
ドランクドラゴン・塚地武雅、ケンドーコバヤシ、ずん・飯尾和樹らベテラン芸人がBS各局に冠番組を持つ昨今、異口同音に局の垣根を超えて「コラボできたら」と願っていた。そんな中、伊達が「バナナサンド」(TBS系)で共演する日村に声を掛ける形で夢をかなえたという。日村いわく、伊達は「言うとかなっちゃうタイプ」らしい。
両番組が訪れたのは、東京都板橋区本町~大山町周辺。サンドウィッチマンの思い出の地だ。「ウォーキングのひむ太郎」では、日村がフジテレビのCS放送「お台場お笑い道」(2005年~2009年放送終了)でサンドウィッチマンの漫才を初めて見て「強烈にうまい(と思った)」と当時の驚きを語っていたのが印象深い。「M-1グランプリ2007」で敗者復活戦を勝ち上がり優勝したときも、「そりゃ取るわ」と思っていたという。
「コロッケあがってます」では、伊達が仙台から上京後10年通ったというハッピーロード大山商店街の精肉店へと足を運ぶ。伊達は、この店のコロッケが自身を「原点に戻らせてくれる味」だと語り日村と熱いトークを繰り広げたうえ、「今いろいろ話してますけど、(揚げたてのコロッケを)冷ましてます」と笑わせる圧巻の立ち回りで現場を沸かせた。
■制作スタッフとの距離の近さ
40代~50代の芸人たちが続々とBSで番組を持ち始め、今年6月には「アメトーーク!」(テレビ朝日系)で「BS大戦争芸人」が放送されるまでになった。大抵はおのおのの趣味を番組化していることから、「おじさんのYouTube」とも呼ばれている。
ロケ番組の多くが気負いのないオープニングから始まり、ほぼノーモーションで本題へと進む。この心地よい空気感は、タレントと制作スタッフとの距離の近さからも生まれているように思う。
例えば今月5日にシーズン1が終了した「オードリー春日の知らない街で自腹せんべろ」(BSテレ東)の演出は、「とんぱちオードリー」(フジテレビ系)などオードリーと数々の仕事をともにしてきた水口健司ディレクターが担当している。
一方で「ケンコバのほろ酔いビジホ泊 全国版」(BS朝日)と「ウォーキングのひむ太郎」は同じ制作会社のスタッフを中心に作られており、「コロッケあがってます」は「ひむバス!」(NHK総合)と同じ撮影スタッフが務めている。こうした風通しのよさも、今回のコラボ企画をスムーズなものにしたのではないか。
(鈴木旭/お笑い研究家)
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