「ダブルインパクト」は“成功”だったのか? 現役芸人が感じる優れた点と3つの不満

帽子田 芸人、ライター
更新日:2025-07-25 11:45
投稿日:2025-07-25 11:45

特徴であるはずの異種格闘技感

『M-1』や『キングオブコント』などでは最有力候補が優勝することは意外にもないので、うっすらと大逆転やダークホースを期待していた分、勝手に残念に思ってしまった。

 勝敗が予想しやすいと、賞レースとしては面白みに欠けるし、緊迫感も薄れる。M-1がここまで一大コンテンツになったのは、視聴者にも感じる本気さと、見ているだけで腹が痛くなるようなピリピリ感のおかげだ。ダブルインパクトには大会の性質上、それが感じられなかった。

 とはいえ、あの二組の決勝争いには何の文句もつけようもない。圧倒的に面白かったのは事実だ。

 もう1点ケチをつけさせてもらうのであれば、1本目がほぼコントだったのも気になった。スタミナパン以外は1本目にコントを選んだため、2本目がほぼ漫才だった。ダブルインパクトの一番の特徴である異種格闘技感がなく、物足りなく感じた。


 僕はダブルインパクトの予選を見に行ったのだが、音響や照明、舞台装置を使える分、コントの方が漫才より「インパクト」があると感じた。漫才とコントを並べてしまうと、「コントの方が派手なので有利になる」とほぼ全組が感じ取ったのだろうし、実際正解だと思う。

 ただイチ視聴者としては「漫才とコント、どっちが来る!?」とハラハラしたいし、漫才とコントが交互に殴り合うさまも見たい。来年以降はもうちょっとバラけるとより面白いだろう。

満足度は高かった!


 たくさん文句をつけてしまったが、冒頭でも言った通りネタ番組としてはとても面白かったしSNSを見る限り満足度も高そうだ。ダブルインパクトは来年以降も続いて定着していく可能性は大いにある。

 課題としては出演者の多様化とピリピリ感だと思う。だが出場層を一気に変えるのは難しい。なので来年以降は「ピリピリ感」の演出に期待したい。

帽子田
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別名義では芸人として活動。一時期は年100本以上のライブに出演、ライブ主催の経験もアリ。一応現役の芸人ではあるが、ただのお笑い、バラエティ番組ファンでもあります。

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