2. この症状「隠れ貧血」?原因やリスク
「ヘモグロビンの値が低い場合、貧血の可能性があるわ。でもね、ヘモグロビン値が正常でも体内の鉄が不足している状態を『隠れ貧血』と呼ぶの。これは健康診断では見過ごされてしまうのよ」
「そんな…! どうして、そんな状態になるんですか?」
「体内でフェリチンというタンパク質が不足していることが一般的な原因よ。フェリチンは体内に鉄を貯蔵する役割を持っているの。だからこそ、フェリチンが不足すると鉄も不足して、隠れ貧血になってしまうのよ」
「フェリチン…初めて聞きました。フェリチンが不足するのは…病気が原因なのでしょうか?」
「そうねぇ…サヤカさんのような30代の女性がフェリチン不足に陥るのは、主に3つの原因があるといわれているわ。
まず、出産や授乳。大量の鉄を必要とするから、フェリチンが不足してしまうの。それに、生理もフェリチン不足の原因になるわ。毎月の出血によって、鉄が失われてしまうからね。
最後に、ダイエット。食事制限を行うことでタンパク質の摂取量が減ってしまい、フェリチン不足に陥るの。
隠れ貧血の場合、疲れやすさや眠気、肌荒れや髪のパサつき、イライラや集中力の低下といった症状があらわれるというわ。サヤカさん…心当たりはないかしら?」
えりのボスの言葉に、サヤカさんは頷きます。
「私、今年に入ってからダイエットを始めたんです。それで、確かにタンパク質の摂取を控えていました」
「あら…なら、それが原因かもしれないわね。隠れ貧血を放置すると、血流の低下により肩こりや、ホルモンバランスの乱れによるPMSの悪化のリスクがあるから、注意が必要よ」
「そんなの嫌です! えりのさん、どうすればいいのか教えてください!」
「それじゃあ、今から隠れ貧血の対策を紹介するわね」
3. 隠れ貧血の対策
「私、もしかしたら隠れ貧血かもしれない」
「最近、疲れやすさやイライラしやすいのが気になる」
このような状態に当てはまる人は、以下の2つの対策を試してみましょう。
3-1.食事で補う
鉄分不足の場合、日々の食事に気を付けましょう。
鉄分は動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に多く含まれる「非ヘム鉄」に分けられます。
非ヘム鉄は吸収率が低いので、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂って効率よく吸収しましょう。ほうれん草にレモンを添えたり、ひじきご飯に納豆を加えたりするなどの工夫がおすすめです。
一方、食事中にコーヒーや緑茶を飲んだり、極端な糖質制限をしたりすると鉄の吸収が妨げられます。
ダイエットをしたい場合でも鉄分を多く含むレバーやカツオ、ほうれん草や小松菜、納豆を食べることを意識して、健康的にダイエットをしてくださいね。
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