大昔から「究極のモンスターペアレント」は存在した!? 激怒した親がトンデモ行動に…盲目的な愛が生んだ悲劇

MARO(上馬キリスト教会ツイッター部)
更新日:2025-08-21 11:45
投稿日:2025-08-21 11:45

激怒したヘロデ王がとった驚きの行動

 これを知ったヘロデは怒りました。

「あの博士たちめ、裏切りおったな。こうなったらこっちにも考えがあるぞ!!」

 ヘロデは「この国中の2歳以下の男の子を一人残らず殺せ!」という恐ろしい命令を発布しました。

 そして本当に国中の2歳以下の男の子を皆殺しにしてしまいました。こうしてこのユダヤ属州で、その2年の間に生まれた男の子はみんないなくなってしまいました。究極のロストジェネレーション、「失われた世代」が生じてしまったわけです。

 ヘロデはこれで安心しました。

「これでその救世主とやらも死んだはずだ。わしとわしの息子たちの天下は安泰じゃ! わっはっは!」

恐ろしすぎる幼児虐殺

 この出来事は「幼児虐殺」として後世に語り継がれ、多くの絵画にもこの虐殺が描かれていますし、カトリック教会などでは、このときに殺されてしまった多くの子どもたちを「幼児殉教者」や「聖なる幼子」と呼び、聖人として扱っています。

 しかし肝心のイエスは、父ヨセフと母マリアが神様の言いつけに従ってエジプトに連れて逃げていたので、この大虐殺から逃れて生き延びました。

 神様の計画の前では、権力者の力に任せた「対策」も役には立たないんです。

 ヘロデ大王はこの上ないほど典型的な「悪役」です。

 自分の権力を守るために膨大な数の子どもたちを虐殺するなんて、とても理解できることではありません。幼い我が子を理不尽に奪われた親の悲しみや嘆きはどれほどのものだったでしょう。

MARO(上馬キリスト教会ツイッター部)
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 1979年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学Contemporary Writing and Production卒。キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。約11万人のフォロワーを持つXアカウント「上馬キリスト教会」(@kamiumach)の運営を行う「まじめ担当」と「ふざけ担当」のまじめの方でもある。

 クリスチャン向けウェブサイト「クリスチャンプレス」ディレクター。

 著書に『上馬キリスト教会ツイッター部のキリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』(KADOKAWA)、『聖書を読んだら哲学がわかった キリスト教で解きあかす「西洋哲学」超入門』(日本実業出版社)、『人生を深めるおとな聖書 教養とはこういうものだ。』(ポプラ社)、『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(だいわ文庫)、『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。

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