『あんぱん』お色気や国民的アニメの時代、のぶの行為に子供は喜べるのだろうか

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-09-10 18:50
投稿日:2025-09-10 18:50

第24週「あんぱんまん誕生」#118

 のぶ(今田美桜)は八木(妻夫木聡)の会社で子どもたちに『アンパンマン』の読み聞かせをすることに。だが、子どもたちは興味がないようで…。しばらくして、嵩(北村匠海)が監督を務めた映画『やさしいライオン』が公開され、好評を博す。

【こちらもどうぞ】「あんぱん」あれっ、今“アンパンマン”って言った? 開始2分で誕生。嵩の創作の苦悩が見たい

【本日のツボ】

東海林編集長が訪ねてきたにゃー

 ※※以下、ネタバレあります※※

 八木に頼んで子どもたちに『アンパンマン』の読み聞かせをはじめたのぶ。八木が声を掛けて集まってきたということは、てっきり孤児の子たちなのか、と思いましたが、ぱっと見はセレブなお子さまたちに見えます。

 さらに、のぶが読み聞かせを始めて3年の月日が流れ、昭和48年に。あのサラサラの黒髪もショートカットに。これがお世辞にも似合っていません。あきらかにウィッグだとわかるのも残念です。

 その昔の俳優さんは、役作りのために歯を抜くなどということもあったようですが、いまどきの売れっ子女優さんが朝ドラのために髪をカットするわけもないでしょうから…。それにしてももう少し似合うウィッグはなかったのか、と。

 髪型はともかく、この3年間、ずっと、この月刊「澄」に掲載されていた『アンパンマン』を読み聞かせていたのでしょうか。多少、アレンジをきかせて、「あんぱんよりもソフトクリームがいい」などとやっていましたが…。いったい“誰得”なのでしょう。

 なかには「見たいテレビがあるから」と途中で帰る女の子もいました。「また、来週も来てね」などと言っていましたが、昭和48年といえば、テレビでは「けろっこデメタン」に「ドラえもん」、「ワンサくん」や「キューティハニー」などのアニメも始まっています。

 どう考えても、挿絵2枚だけの『アンパンマン』の読み聞かせを子どもたちが喜ぶとは思えません。

 八木の会社が社名を「九州コットンセンター」から「キューリオ」に変更したこと。モデルとなったのが「サンリオ」だから、3を9にして「キューリオ」?

 それよりも、あの雨の日の赤い傘の中で、八木と蘭子(河合優実)がどうなったのか、その続きが描かれず、モヤモヤが晴れまないのはどうしてくれるのでしょう。

 ラスト間際で、東海林編集長(津田健次郎)が訪ねてきたのは朗報です。久々のにゃーにゃー言葉に癒されました。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


スズ子引退会見、“天敵の文屋”鮫島の「シャッポを脱ぐ」演出を読む
 歌手・福来スズ子(趣里)の引退会見の当日。スズ子は結局、羽鳥善一(草彅剛)とは話ができないまま会見に臨むことになってし...
桧山珠美 2024-03-27 14:30 エンタメ
超鈍感力! 羽鳥の絶縁宣言を屁とも思わないスズ子とタケシは似た者同士
 歌手引退――。スズ子(趣里)はその決断を、愛子(このか)や大野(木野花)に伝えた。  羽鳥善一(草彅剛)に絶縁す...
桧山珠美 2024-03-26 15:40 エンタメ
「GTOリバイバル」注目の新人イケメンは?松嶋菜々子は本当に出るのか
 反町隆史主演「GTO」が26年ぶりに帰ってきます。反町演じる元ヤン教師・鬼塚英吉がさまざまな問題を解決する学園モノで、...
ドヤ顔のアユミとヘイヘイブギー歌唱シーン温存の理由がわかる回だった
 昭和31年、大みそか。第7回オールスター男女歌合戦当日。スズ子(趣里)は、楽しみに会場へと向かう。スズ子が楽屋で支度を...
桧山珠美 2024-03-22 14:30 エンタメ
最終回秒読み…スズ子はブレずにお人よし、NHKと沼袋勉の手腕いかに!?
 愛子(このか)は、翌日の体育の時間に足の早い転校生と競争することになっていた。しかし、勝てる見込みがなく、愛子は学校を...
桧山珠美 2024-03-21 16:07 エンタメ
和田勉が転生したら中村倫也に!? 強烈インパクトで霞んだ礼子娘の初登場
 東京ブギウギのヒットから9年、ブギブームも下火になってきつつある中、スズ子(趣里)や羽鳥善一(草彅剛)のブギは古いとい...
桧山珠美 2024-03-18 14:30 エンタメ
「光る君へ」主人公バージン喪失!大石静氏が描く平安エロ&バイオレンス
 NHK大河ドラマ「光る君へ」は、平安中期の貴族社会を舞台に、吉高由里子演じる主人公のまひろ(紫式部)の生涯を描くもので...
沢尻エリカ不死鳥の如く女優復帰!大衆は真似できぬ人生転落リアルショー
 2月25日、沢尻エリカの女優復帰作となった主演舞台『欲望という名の電車』が千秋楽を迎えました。  「『残念プロフ...
堺屋大地 2024-03-16 06:00 エンタメ
NHK大阪が誘拐未遂事件をぶち込んだのなぁぜなぁぜ? かつ丼コント?
 誘拐犯が捕まってから、愛子(このか)は3日間も学校を休んでいた。スズ子(趣里)は、学校に行くようにと言うが、愛子は友達...
桧山珠美 2024-03-15 14:30 エンタメ
“テレ朝ドラマ”常連・ホンモノの刑事よりも刑事な内藤剛志、降臨!
 大野(木野花)が受けた電話は、3万円払わなければ、愛子(このか)を誘拐するという脅しの電話だった。そして、警察には伝え...
桧山珠美 2024-03-13 14:30 エンタメ
りつ子スパークのラインダンス必見!ワクワクズキズキと笑顔が溢れる回
 羽鳥善一(草彅剛)作曲二千曲記念ビッグパーティーの日が近づいてくる。羽鳥はスズ子(趣里)たちに、パーティーで余興をして...
桧山珠美 2024-03-11 15:30 エンタメ
“ユーミンドラマ”で見せたクソ女の夏帆、そして金子大地と中島歩に注目!
この投稿をInstagramで見る 【公式】「ユーミンストーリーズ」オムニバス夜ド...
真木よう子“まっけんセクハラ発言”はわざと?昭和の価値観をエンタメ化説
 ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』(2007年/フジテレビ系)や『最高の離婚』(2013年/同)などでの演技が好...
堺屋大地 2024-03-09 06:00 エンタメ
第111回ブギウギの“三大なぁぜなぁぜ”…畑仕事する農家の手じゃない!
 梅吉(柳葉敏郎)が亡くなった。葬儀では松吉(木内義一)が号泣しながら、遺影の自慢をする。  そんな中、スズ子(趣...
桧山珠美 2024-03-08 15:50 エンタメ
死の間際までユーモア忘れず、父娘で歌った「父ちゃんブギ」
 久しぶりに香川に戻ったスズ子(趣里)は、梅吉(柳葉敏郎)が写真館を切り盛りし、繁盛していた話を聞く。梅吉が大切にしてい...
桧山珠美 2024-03-07 15:40 エンタメ
NHKさん、経費削減のあおりですか?スズ子の米公演シーンは写真だけ
 アメリカ行きを決めたスズ子(趣里)だったが、愛子(小野美音)は置いていかれることにすねてしまう。  旅立ちの直前...
桧山珠美 2024-03-05 15:35 エンタメ