いざ卵子凍結するため病院へ…施術が始まるまでの長い道のり

西史織 卵子凍結コンシェルジュ
更新日:2023-01-26 20:37
投稿日:2019-09-08 06:00
 日本は不妊治療の件数は世界一なのに、体外受精で赤ちゃんが産まれる確率は最下位。そんな状況を変えるために、ミレニアル世代の私たち自身にもできることがあるというお話から前へ進み、なぜ私が、28歳という若さでも卵子凍結をしようと思い立ったかについて、お伝えしたいと思います。

まずは自分に合ったクリニックを選択

【03_卵子凍結】

 今回は実際に私が卵子凍結をしたお話をしようと思います。

 前回、卵子凍結セミナーに参加したこともあり、決意は固まっていました。

 どこでお願いするか、病院については迷いに迷いましたが、最終的に自宅からの通いやすさと金額面、HPの雰囲気などから総合的に判断しセミナーを主催していたクリニックに通うことにしました。

 そこのクリニックは完全予約制のため、まずはネットで希望日時を選択して予約します。

卵子凍結前に知識を得ることが大切

 そして、いざ当日。クリニックの診察室を訪れると担当医は40代くらいの女性の先生でした。卵子凍結について一連の流れを端的に説明してくれます。セミナーで、ドクターや胚培養士の方からお話を聞いていたこともあり、おおよそ理解することが出来ました。

 事前にセミナーを受けることは知識を得るため、そして、自分自身の安心にもつながるので、関心のある方にはおすすめしたいです。

 先生は28歳という私の年齢を見て、「若いわねー! だいたい30代後半で来る人が多いのだけれど、凍結するなら早いことに越したことはないのよ。だから、20代で凍結しておくのは良いことね」と言っていました。

 基本的に初潮がきていれば凍結できますが、親の同意なしでできるのは20歳以上です。セミナーでも年齢ごとの妊娠率低下(卵子老化)のグラフを見ていたので、「確かになぁ」と改めて納得しました。

健康状態をチェック

 説明をひと通り受けた後は、検尿・血液検査を行いました。

 検尿は現在の妊娠の有無。血液検査では感染症とAMH(卵巣年齢)を調べます。感染症の結果はすぐ出たのですが、AMHは結果が出るまで2週間ほどかかると言われました。

 AMHは自分の卵子の在庫数(あといくつ残っているのか)を表す指標なので、結果が出る前でも卵子凍結は行えます。まれに20代でも40代くらいの数値が出ることがあり、そういった方は閉経が近づいているので早く妊娠や凍結をした方が良いという目安になります(早期閉経はおよそ100人に1人の割合で起こります)。

治療スタートは排卵期に合わせて

 いざ覚悟を決めても実際に治療がスタートするのは排卵期に合わせてなので、なかなか長い道のりです……。

 内診では子宮と卵巣の状態を経膣エコーで確認。私はピルの服用経験があるので婦人科にはよく通っていました。そこで子宮頸がん検診も行っていたこともあり、内診についてさほど抵抗はありませんでした。

 けれど、婦人科に行くこと自体に抵抗がある人も結構多いですよね! めちゃくちゃ恥ずかしいし、痛いし……あまり良いイメージはないかもしれません。婦人科を初めて受診する人は、あの内診台にびっくりするでしょう。

 でも残念ながら避けては通れない道。ここはこらえるしかありません。

生理開始後から錠剤を服用

 診察後は別室に通され、生理開始後から飲む錠剤の説明と、同意書の記入についての説明を受けました。卵子凍結は、ホルモン剤の投与や手術の際の麻酔によるリスクなどが伴います。

 また採卵したものの、成熟卵が無く1つも凍結ができない場合も考えられます(未成熟の場合は基本的には破棄します)。さまざまなリスクや可能性について同意し、サインをしなければなりません。分かっていたこととはいえ、いざサインするとなると緊張するもの……。

 提出は次回の診察時で良いとのことで、説明だけを聞いて持って帰りました。

やっとスタートライン!

 この日は初診と事前検査のみでしたが、実際に卵子凍結の手順に入るためには、次の生理を待たないとなりません。その説明はセミナーでもあったので、私は生理予定日の3日前くらいに事前検査に行きました。

 数日後、生理が予定通り始まりました。もらっていた内服薬を飲み始め、クリニックに連絡。いよいよスタートラインに立ちました。

 次回に続きます。

西史織
記事一覧
卵子凍結コンシェルジュ
金融業界で営業、IT業界で事業開発に従事後、27歳のときに将来のことを考え卵子凍結をする。その経験から、女性のライフステージと仕事の両立についてをライフテーマに活動。妊活をしている方や卵子凍結をしたい方へ向けたクリニック検索サイト「婦人科ラボ
」を運営。Xでの情報発信や、日刊ゲンダイ、日経xWOMANでの執筆も行う。

ライフスタイル 新着一覧


見ず知らずの人に電車代を貸せる? 一生大切にしたい人が分かった話
 みなさんは人を信用しやすい方ですか? それとも疑い深い方ですか?  私はどちらかといえば後者で、人を簡単には信用で...
切り取られた街を見上げる 「もっと見たい」は人間の性かな
 ふと見上げたら、切り取られた街が隙間からのぞいていた。  これもチラリズムなのか。全体を見せられるよりも刺激され...
海外駐在妻の驚愕実態!閉鎖的な女のドロドロ、とかくママ友が面倒くさい
 海外駐在ママというと、どこか華やかで羨ましいイメージがありますよね。でも、中には、現地でのママ友との面倒くさい関係に疲...
パワハラ認定は回避を…叱り上手な人が実践するコツ5つ&間違った叱り方
 人を叱るというのは、意外と難しいものですよね。部下や後輩が失敗した時「ビシッと言ってやろう」と思いながらも、パワハラだ...
「俺を撮ってくれよ」な“たまたま”様、地を這うカメラマン冥利です
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
球根いつ仕込む?「秋」の今でしょ!植えっぱなしにオススメの花は7種類
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋は、神奈川の真ん中の片田舎で商売をさせていただいておりますが、今年も悩ましい秋でございま...
とことん落ちないと浮上できない 放っておいてあげる優しさ
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
「花屋前にいる」「どこ?どこにでもいる顔だから」実は傷つきLINE3選
 誰かの何気ない一言に深く心が傷ついた経験は誰しもあるはず。  相手の性格にもよりますが、ほとんどは相手に悪気がな...
お疲れ様はNG、お元気様はOKのナゼ…職場のうざいローカルルール5選
 社会一般ではない通じない「職場独特のローカルルール」が存在する会社って多いですよね。入社したての社員からすれば、ドン引...
青空に踏切の音が映える 季節は秋でも絶対に手放せないもの
 ここ数年ですっかり浸透したものに男性の日傘がある。 「男が日傘なんて」という謎の気負いも、死を覚悟する日差しには...
たまたまもゴロンと全開!幸せそうなにゃんたま様に昭和CMを思ふ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
中年のババア、もとい「中年女性」になった私たちへ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「聞いてよ!」「で、結論は?」せっかち君のLINEはタイパ重視ですって
 世の中には、1秒でも時間を節約したい「超せっかちな人」が存在します。なぜ生き急いでいるのかはわかりませんが、とにかく少...
#1 芸能界に執着する35歳女の密かな楽しみ。裏アカで吐き出す腹黒い本音
「いらっしゃい、シゲさん今日は早いんだね」  阿佐ヶ谷駅の北口の飲み屋街・スターロードにひっそりたたずむ小さなスナ...
平日夜8時、話題のオーケー銀座店の惣菜コーナーに行き完全敗北した件
 10月17日、東京・銀座3丁目のマロニエゲート銀座2内に「オーケー銀座店」がオープンして話題になっていますね。銀座の一...
#3「バカにされてる?」元彼のイヤミがつらい。女が椎名林檎を歌う理由
【#1、#2のあらすじ】  阿佐ヶ谷のスナックに勤務している紘子は、役者を目指しながらもくすぶっている日々。そんな...