2日目はボタン連打で鎮痛剤を増量投与
いつ朝になったのかもまったく分からぬまま、2日目に突入です。
母が猛暑のなかお見舞いに来てくれましたが、「あー、暑い暑い」と言いながらイスに座って扇子でパタパタと仰いでいるその羽音さえもうるさい。とにかく、神経が高ぶり、なにもかもが不快。「うるせー! 早く帰れー」とすら思ってました。
ごめんなさい……。そして、すいー。また寝る。
何分経ったか分かりませんが、うっすら目を開くと読書している母。「ありがとう。もう大丈夫だから帰っていいよ」と伝え、帰宅してもらいます。
「コクリコちゃん、顔色が悪すぎる」と母が言っていましたが、顔色なんてどうでもいい。やっぱり眠い……と思ったら、ん? 痛い。
大変です。麻酔が切れてきました! 「気持ち悪い」「不快」「眠い」に加えて、次第に「痛い」も参加。「痛かったら押してくださいね」と言われていたナースコールの形状に似ている麻酔ボタンを押します。ナースコールと麻酔ボタンは絶対に手のそばに置いて寝ないと不安で不安で。
痛い!! ボタンを連打!!
このボタンはなにかというと、手術時に処置した硬膜外麻酔の針を術後も留置することで、そこから点滴のように鎮痛剤が持続投与されているんですが、押すとさらに鎮痛剤が増量でき、患者自身が自分で痛み止めを調節できるという仕組みなんです。
もちろん、安全のために無尽蔵に鎮痛剤が出てくるわけではありませんが、「痛みは我慢しないでいい」「吐き気も我慢しなくていい」ということで、ボタンをバンバン押します。
麻酔明けでひどい吐き気も襲ってきます。吐き気止めの点滴もじゃんじゃん。薬漬けです。
がん専門病院は嘔吐患者が多い
そういえば、数日前、廊下で何度も嘔吐している女性がいました。その方は麻酔明けだったようですが、手術以外にも抗がん剤の影響やそれ以外なのか、がん専門病院はとにかく嘔吐している方が多いです。
ですので、においの強いお花の持ち込みや、香水も厳禁。看護士さんはずっと吐しゃ物のお掃除をしています。大変ですよね……。
私は麻酔では嘔吐しなかったのですが、後日えらい目に遭って看護士さんにご迷惑をおかけすることになります。この話は追って。
歩けば歩くほど元気になる
さて、こんな状態なのに「さぁさぁ、術後のお腹の中の癒着を防ぐために歩きましょう」と体格のいい看護士さんが2名やってきました。マジですかい。
目を開けるのも、口を開くのもだるいのに。ベッドを起こして起き上がるのすらだるいのですが、ベッドのへりに無理やり座らされ、マリオネットのように看護士さんに立たされ、歩行準備。
でもどんなに時間をかけても1歩も踏み出すことができず、その日は立ち上がるのみ(正確には「立ち上がらせられたのみ」)で終了。歩くってこんなに大変なんだな、足が上がらないよ……。
会社に胃がんで手術した先輩がいて、入院前には「術後はとにかく痛いけど、歩かされるから。でも歩けば歩くほど元気になるからね。頑張ってね!」と言われていたのに、一歩も歩けなかったなぁ。
日記を振り返る
気づけば、昨日の夜からずっとスマホのバイブが鳴っています。誰だろう? きっと友達が心配してくれてるんだろうな……。でもスマホを見る気力はありません。眼鏡をかけるのも面倒だ。ひどい近眼なので、目を開けてもほとんどなにも見えず、寝てるのか起きているのか分からないまま2日目が終了。夜中に水をちょこっとだけ飲みました。
入院中は日記を書いていたのですが、術後2日目、7/18(水)の日記は以下の通りです。
気持ち悪い
痛い
寒い
暑い
眠い
つらい…
究極の“六重苦”――。次回(9/24公開予定)に続きます。
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