排卵のしくみをおさらい
育った卵胞は30個以上。卵子の老化を気にして凍結しようと思ったのに、育てた卵子を見送ってしまったら無駄使いになるのでは!?
頭が混乱してそんなことを思ったのですが、よくよく考えてみれば毎月約1000個ずつ減少していくといわれる卵子の中から、通常1個排卵するところを他にもホルモン剤で育てただけ――。
ここで簡単にですが、排卵のしくみについて触れてみたいと思います。
女性はお母さんのお腹の中にいる時から、すでに一生分の“卵”が卵巣の中にあるのをご存じですか? それは卵子のもととなる「原始卵胞(卵胞)」と呼ばれるもので、私たちが胎児としてお腹の中にいる時から減り続け、毎月約1000個ずつ減っていくといわれています。まだ生理が来ていない頃にも減っていっているのです。
通常排卵は月に1回、1個というのがみなさんの知っている常識だと思います。その1個というのは最も成熟した妊娠可能性のある卵子であり、それだけが卵胞を突き破って外に出ていくのです。他の卵子はというと、成熟するまで育たず体内に吸収され無くなります。
つまり、凍結の際はできる限り多くの卵子を採取することが目的なので、普段であれば成熟しないはずの卵子もホルモン剤で育てていきます。無駄に多く減らしてしまったわけではありません。一瞬ヒヤッとしました……。
採卵を見送ることに…
30分間、とても悩んだ結果、今回は採卵を見送ることにしました。
卵子凍結は何回でもチャレンジできるけれど、やはり入院するような事態になるのは避けたかったからです。
診察室に戻り、医師に見送る旨を伝えました。卵胞をしぼませる錠剤の処方と説明を受け、帰宅。2週間程で終わる予定だった卵子凍結は、採卵できなかった現実に直面し、とても悔しい思いをしました。
中止した高刺激法による卵子凍結全体にかかった費用は4万円弱。内訳は、診察代とお薬代(錠剤+注射)ですが、中止をしたのに高いお金を払わないといけないこの気持ち……なんとも説明し難いですがとても悲しかったです。
それから毎日錠剤を飲みました。この期間は脱水症状になりやすいらしく、激しい運動とアルコールは控え、水分はこまめに取るようにと言われました(喫煙している方はタバコも控えます)。
錠剤の効き目や症状の確認の為に2、3日おきにクリニックへ通います。
採卵を見送ると決めた日から1週間以上経過すると、医師からようやく「もう大丈夫だろう」という判断がおりました。そして、次の生理期間が来たタイミングで再び卵子凍結にチャレンジしたいと伝えたところ、「次は低刺激法でいこう」とのこと。
「低刺激法」にチャレンジすることに
低刺激法は、注射ではなくホルモン量の少ない錠剤のみで卵子を育てていくので、私のようにホルモン剤に強く反応してしまう体質の人に向いている方法です。注射の痛みもなく錠剤でゆるやかに育てていくのでお腹の張りも少ないそうです。
クリニックで改めて卵子凍結に関する契約書にサインして、次の生理のタイミングで飲み始めるお薬をもらって帰宅しました。
生理が来て服用し始めます。そして、また3日おきに通院の繰り返し。注射は打たず、毎回エコーで卵胞の育ち具合をチェックしていきました。前回のことがあったので、医師もより少し慎重に診察してくれたようです。
そのまま1週間ほどが経ち、今度は数は15~18個育ったものの、大きさが思うように育ちません。成熟直前まで育ってこないと採卵はできないとのこと。思う通りにならないものですね。医師からは注射も少し併用してみようと提案されました。注射は計3回、打ちました。
生理から14日後ぐらいの日になると、ようやく医師より採卵日程の提示がありました。採卵は2日後。いよいよです。
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