「もしかしたら卵巣は…」退院前に主治医が放った衝撃の一言

コクリコ 編集者
更新日:2019-12-03 02:52
投稿日:2019-11-05 06:00

病理結果を見て「もしかしたら卵巣は残せたかもしれないなぁ」

 続けて、病理検査の結果も知らされました。「病理検査の結果、リンパ節の転移はなし。よって追加治療(抗がん剤、放射線などの化学療法)はなし」とのこと。

 良かった! 手術で取り切れたんだ!

 喜んでいると、T先生がその病理結果を見ながら続けます。

「腺がんではあるんだけど、浸潤が思ったよりも浅かったから、もしかしたら卵巣は残せたかもしれないなぁ。いや卵巣は取ったかな。リンパは残せたね。うーん。これはMRIやCTの限界ということなんだけど」

 は? もう取っちゃったんですけど? 取らなくても良かったなんてことあります? 私の卵巣やリンパはもう取り戻せないんですけど! この先重い後遺症が出たらどうするんですか!

子宮や卵巣の写真を見るとやりきれない

 そう言いたかったのですが、先生たちはもちろん救おうとして8時間以上もの手術をしてくれたのだし、ここで責めるのはおかしいと思って黙っていました。

 ただ、目の前に出された摘出後の子宮や卵巣の写真を見ると、どうしてもやりきれない気持ちになりました。

 のちにTwitterで知ったのですが、私と同じ広汎子宮全摘出術で子宮と卵巣を全摘しても何も見つからなかった方がいました。がんを疑われた際に、がんを確定させるべく行った針生検などで、がんがすべて取れてしまったということのようですが……。

 こんな風につらい思いをしている人がきっとたくさんいます。この先は検査やMRIやCTの造影技術が上がっていくことを祈るばかりです。

 そんなもやもやとした気持ちのせいか、食が進まず、その日は晩ごはんをほとんど残し、消灯よりも早く横になりました。少し熱もあります。ですが、明日が退院だからか、毎晩、食事の量と熱と血圧を測りにくる看護師さんも来ません。いいや、寝ちゃおう。1カ月ぶりに帰れるんだ!

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


戦うべき相手は過去の自分 時には昇ってきた階段を振り返る
 時には昇ってきた階段を振り返る。ずいぶんと上がった、と誇りに思うこともあるし、まだこんなところか…と凹むことも。 ...
親を嫌いになってもええやん? 40女が手放せた“無理と我慢”
 早いものでもう2月。新年をきっかけに、今年こそは! と決意を新たにした方も多いのではないでしょうか。  筆者もそのう...
コミュ力ゼロ、ママ友関係が苦痛でしかない…テッパン切り口&対処法
 子育てをはじめるともれなくついてくるのが、たくさんの人間関係。保育園や学校、ママ友との交流の機会が多いので、コミュ力の...
愛しいおんにゃの子に猛アピール♡“たまたま”君の恋の行方は
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
悔やまれる添い乳よ…子育てが落ち着いた40代ママが語る育児後悔エピ
 子育て期間中は、何が正解なのかわからないまま日々育児と向き合わなくてはなりません。しかも、子供によって成長の速さも性格...
世界的にフラワーバレンタインが来てる!愛の告白より感謝を伝える日に
 立春(2月4日)を迎え、暦の上では春。ですが、この記事を書いている最中にもテレビ画面には「本日関東地方は雪」ニュースが...
入籍お知らせで赤っ恥!させていただきますはダメ、巷でよく聞く変な敬語
 日本語って本当に難しいですよね! 中でも、日本人ですら間違えてしまうのが、敬語です。    案外、正解を知っている...
飛び立つのは怖いけど…いくつになっても思い切りって大事
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
“万年毛玉ジャージ”のママ友ん家がレベチ!良くも悪くもドン引きしたエピ
 人は見かけでは判断できません。特に、相手の本当の部分が垣間見えるのが「家の中」です。  いつも綺麗な人なのに家がすご...
朝寝坊にイチャイチャバレ…夫の実家に帰省した時の“珍”失敗談4つ
 結婚すると、長期休みや年末年始に夫の実家に帰省する人が多いですよね。そして、夫の実家への帰省中に、夫の家族から引かれる...
発達障害児の長男 児童精神科で勧められた「プレイセラピー」を受けたら
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
ちょいワルと見せかけて…実はおしゃべりな“たまたま”にキュン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
鉄橋の間をゴーゴーと風が通ってゆく…ここは夢と現実の境目
 鉄橋の間をゴーゴーと風が通ってゆく。眼を閉じて、橋と共に吹き飛ばされる自分を想像してビクッとする。  と思ったら...
太陽のように明るく!「娼」の成り立ち、知っていますか
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ソロウエディングってなに? 痛いとは限らない意外なメリットと注意点
 最近流行っている「ソロウェディング」をご存知ですか? ソロウェディングは、一人で結婚式を挙げたり、ドレスを着たウェディ...
中途入社ちゃん「ご迷惑では ご都合は ご連絡は」接客AIか?気遣いすぎ
 人への気遣いは大切。まったく気を遣わなければ、ギクシャクしたり口論になったりするため、最低限の気遣いは必要でしょう。 ...