合併症の合併症!? 40℃の高熱で希少がん病棟へ“強制送還”

コクリコ 編集者
更新日:2019-12-14 05:39
投稿日:2019-11-12 06:01
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひとりで受けました。誰にも頼れず、心の内側にずっと不安を抱えながらがんと闘うのはとてもつらいこと。なぜ私が……と思う気持ちと向き合って、そして不確かな情報に惑わされないように、私の体験がお役に立てれば幸いです。

「入院の準備をして外来に来てください」

【Note.27】

 翌朝になっても39℃の熱が下がらない。せっかく退院したのに、ただ家の布団で寝ているだけで、外の空気も吸っていない。

 病院に電話し、主治医であるT先生に取りついでいただき、病状を説明します。

「コクリコさん……、入院の準備をして外来に来てください」

 え? 昨日退院したばかりなのに?

 まさかの再入院です。タクシーを呼んでC病院に行き、外来に到着すると病室の裏に呼ばれストレッチャーに寝かされ、T先生に腰をたたかれます。

「痛いです」

「痛いかー。うーん。腎臓かな。腎盂炎かな」

 え? え?? ほどなくしてストレッチャーのまま病室へ。C病院は常に満床で婦人科病棟ではなく、たまたま空きのあった希少がん病棟での入院です。今回は4人部屋です。この希少がん病棟には、ほかのがんと比べて患者数が少ない皮膚、眼球、骨、口腔、咽頭、脳、神経などのがん患者さんが入院しています。

 熱を計ると40℃を越え、ガタガタと震えが止まりません。看護師さんが「解熱剤の点滴を入れなくてはいけないのに、(寒気で)血管がキュッとしまって針が入らない」と言います。電気毛布の温度を最高レベルにしてぐるぐるに体に巻き付け、寒気が落ち着くのを待ちます。

腎盂腎炎かイレウスか

 体が温まってきてようやく解熱の点滴をすると、今度は吐き気が襲ってきました。おえー。吐いては寝て、寝ては吐きを数度繰り返し、だくだくに汗をかいて体温が39℃に下がった頃、婦人科病棟からほんまに先生がやってきました。

「戻ってきちゃいましたね……」

「はぁ……」

「動けそうだったら、CTを撮りに行ってほしいんだけど。可能性としては腎盂腎炎か、あとは、言いにくいんだけどまたイレウス……」

 イレウス(腸閉塞)!!!!!!

 先週まで苦しんだあのイレウスに……またなったの!?

「え。もしイレウスだったらどうするんですか? 手術ですか?」

「手術の前にまたチューブやな。嫌やろうけど」

 あのチューブの不快さを思い出して、涙が出てしまいました。

「チューブやりたくない……」

 なんで治らないんだよー! あんなに頑張ったのに!

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


夏に日持ちする切り花オススメ7選、家庭で簡単にできる“延命対策”7カ条
 神奈川の片田舎にある猫店長「さぶ」率いる我がお花屋。夏の暑い昼間の来客はめっきり減りますが、夕方の若干涼しい時間帯にな...
人間の決断回数は1日35,000回! 悩ましい「決断疲れ」の最終兵器は猫?
「今日のランチはどこに行こうかな?」「仕事も疲れてきたし、カフェにコーヒーでも買いに行こうかな? それとももう一踏ん張り...
【調香師直伝】汗かいても“爽やかフェロモン女子”!夏の疲れを癒す簡単手作りデオドラントスプレーも紹介
 汗をかく行為はフェロモン放出にとって重要ですが、汗自体のにおいがよくないとフェロモンを上手に活かせません。  本...
育休明けのモヤモヤがしんどい。先輩ママの体験談から紐解く3つの解決法
 育休明けのママたちは、職場復帰するにあたって多くのモヤモヤを感じているようです。子供と仕事と生活の間で、ベストな答えを...
透明ボードの下から失礼しますよ♡ 不思議&かわいい空飛ぶ“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
未来のような街の先に…
 未来のような街は、まるで先の見えないトンネルのよう。  その先にあるものは明るいものであってほしい。
ほっこり癒し漫画/第77回「もふもふサマー」
【連載第77回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【難解女ことば】蒲魚、何て読む? 予測変換出てこない…
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
8年前に“ゆるFIRE”した男 新NISAより確実なリターンは自分への投資
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
母親は夢を諦めなきゃダメですか?夫を「支えてあげて」の言葉が悔しい
 かつて漫画家を目指していた夫婦の絵里奈と拓郎。双子の子供ができたことを機に、夢を諦め堅気の生活をしている。  夜...
浮気より酷い夫の裏切り SNSには私の知らない「もう1人の彼」がいた
 かつて漫画家を目指していた夫婦の絵里奈と拓郎。双子の子供ができたことを機に、夢を諦め堅気の生活を暮らしている。 ...
妊娠妻の電話に出ない…いまだ夢見る漫画家志望の夫とワンオペ妻の軋轢
 初夏の印象が霞むほどの汗ばむ陽気の午前中。  林絵里奈は井の頭公園の池のほとりのベンチに腰を掛け、在りし日のデー...
「晩ごはん何?」焼肉、すき焼き却下でもやし炒め! 家族間攻防LINE3戦
 仕事で疲れて帰宅した時、一番楽しみなのは晩ごはんですよね! とはいえ、主婦としては毎日の晩ごはんのメニューを考えるのも...
【ファミマ】コンビニ衣類正直レビュー、ショーパンゆる履きはOKだけど
 ファミリーマートとファセッタズム(FACETASM)のデザイナー落合宏理氏が共同開発した衣類「コンビニエンスウェア」。...
【独自】すいかばか初の“夕方専用すいか”、気になる出来栄えは?
 すいか生産量全国47位、ごくごくレアな山梨県ですいか作りに情熱を注ぐ「寿風土(こどぶきふうど)ファーム」代表の小林栄一...
インフルエンサー退職願望のアラフォー、“発信=スキル”なる大きな勘違い
 普通の会社員を続けることに不安を感じる女性が増えています。周囲に自分の才能を活かして稼いでいるがいると、「自分も何か発...