卵巣摘出、ホルモン欠乏…健常者こそヘルプマークの認知を

コクリコ 編集者
更新日:2019-12-17 04:16
投稿日:2019-11-19 06:00
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひとりで受けました。誰にも頼れず、心の内側にずっと不安を抱えながらがんと闘うのはとてもつらいこと。なぜ私が……と思う気持ちと向き合って、そして不確かな情報に惑わされないように、私の体験がお役に立てれば幸いです。

ホルモン欠乏でうつっぽくなっていった

【Note.28】

 2度目の入院、しかもすでに再入院して5週間が過ぎました。

 高熱と闘ったための倦怠感と、卵巣を失ったことによるホルモン欠乏で、気持ちが沈みがちです。看護師さんの「今日もお天気がいいですね~」と言うお声がけにも、「別にお天気が良くても外に出られるわけじゃないし」と悲観的に思っていました。

 ふいに涙がぽろぽろとこぼれます。平熱になっても元気が出ません。

 いま考えると、この時期くらいからうつっぽくなっていたんだと思います。イレウス(腸閉塞)で食べられないものも多いし、調子に乗って食べるとまたイレウスになってしまう可能性だってある。はたまた排尿がうまくいかない限りは再び腎盂腎炎になる可能性もあるそう。

 リンパ浮腫を予防するために、毎日のリンパマッサージをしないといけない、立ちっぱなしも座りっぱなしもダメ、スキンケアも欠かせてはいけない、きつきつの弾性ストッキングを夏でも履かないといけない……。

 日常生活で気を付かなくてはいけないことだらけで、楽しくない! しかも、がんにだってまたなってしまうかもしれない!

 つまんない
 楽しくない
 なんで私ばっかり

 と思ってしまうのはよくないことだと分かってはいるけれど、どうしてもネガティブな感情を抑えることができませんでした。

「つらいのはコクリコちゃんだけじゃないんだぞ」

 こんな私の気持ちに寄り沿ってくれる友達がいたことに本当にありがたいと思っています。

 毎朝毎朝「おはよう。今日も暑いよ~。今日の朝ドラはどうなの!?」と日常のささいな出来事を、こちらが気負わないようにLINEしてきてくれた友達。

「大丈夫~? それはつらかったよね。でもいまがいちばん辛いからこの先はちょっとずつでもよくなるよ!」と励ましてくれた会社の先輩。

「つらいのはコクリコちゃんだけじゃないんだぞ。俺なんか遺伝で30代から糖尿病なんだぞ。ラーメンだって、かつ丼だって食いたいよ! でもコクリコちゃんのつらさは分かる。無事を祈っているよ」と会社の近くの神社に入院中毎日お参りしてくれた、20代の頃に付き合っていた元彼さん。

 そして、台風の中、びしょ濡れでお見舞いに来てくれた友達。寝れない夜中には人気の料理コラムニストの著者さんがLINEに付き合ってくれました。

「自分だけがつらい」とすぐに思ってしまっていたのですが、みんなも同じようにつらかったり、忙しかったりするのに、優しく私の愚痴を聞いてくれたり、「こんな方法がありそうだよ!」と調べてくれたり、本当に感謝しています。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


ホットフラッシュvsニット。“セーター”に恋焦がれる更年期世代から「エアリズムニット」の提案
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
誕プレで発覚! 親友と思ってたのは私だけだった…思わず虚無感を抱いた切ないLINE3選
 友達とLINEをしている時に、思わず虚無感を抱いてしまったことはありませんか? 人は、あまりにも自分の気持ちを無視され...
計算されたような曲線美! 塀の上の“たまたま”が放つ怪しい魔力
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
変わらず、光り輝いて
 街中にある機関車の車輪。  自分の背丈ほどの巨大な車輪を30年以上、1日も欠かさず磨き上げた人に出会ったのは、も...
【女偏漢字探し】「季」の中に紛れ込んだ漢字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
プライド高っ! マウントをとる女の闘志メラメラLINE3選。バッグの値段、婚活の人数、子どもの習いごと…
「あなたより私のほうがすごい」と相手より優位に立とうとする女。そんな“マウントをとる女”は、LINEでも闘志メラメラのよ...
無意識な「フキハラ&ちくちく言葉」で職場のモチベ下げていませんか?
 相手を遠回しに攻撃する人いますよね~。不機嫌な態度で周りを威圧する「フキハラ」に加えて、嫌味たっぷりの皮肉っぽい「ちく...
フジテレビ問題で物議…【弁護士解説】職場や取引先との飲み会、部下や後輩とトラブルにならない誘い方は?
 芸能界を引退した中居正広氏(52)の女性トラブルを巡って、幹部社員の関与が疑われているフジテレビ。トラブルが発生してい...
「寒い。めんどい。やる気でない」を打ち破れ! 40女が実践するランニング継続のコツ
 1月ももう終わり。2025年の抱負として「運動習慣を身につける」と掲げた方も多いのでは。  仕事前にちょっとひとっ走...
あわや一触即発と思いきや…お互いを褒めあう仲良し“たまたま”たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「金運を上げる玄関」って? お金持ち宅の“テクニック”も参考にした生花の選び方
「米の値段がまた上がる!」がSNS界隈でバズっております。ワタクシの唯一の癒しでもある大好物(甘いもの系)のサイズや数量...
圧強めのママ友、涙を飲んだ受験生にはどう返信する? お受験シーズンはLINE界隈もてんやわんや
 今年も受験シーズンが到来。自分の子供の人生を少しでも良くしようと必死の「お受験ママ」がいる一方で、不合格で落ち込む受験...
まさか痴漢に遭うとは…更年期真っ最中のおばさんの身に降りかかった「性的な危険」
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
経験値不足が招いた悲劇か? 恋人や家族の「仰天センス」にドン引きしたエピソード
 買い物をしている時やプレゼントをもらった時など「なんでそれを選んだの!?」と驚くような仰天センスの持ち主に出会うことが...
まるで物語のワンシーン! 静かに佇む美しきシルエットの“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
茜色の街に思うこと
 茜色の街はまるでスクリーンの中のようだ。  ほんの少し、立ち止まって、世界観に没入する幸せ。