更新日:2019-11-21 18:00
投稿日:2019-11-21 18:00
「お顔を見にいってもいいですか?」
やがて彼女は打ち合わせ中に、処方箋の薬袋を取り出して薬を飲むようになりました。私は他人の病気に、自分から立ち入るつもりはないので、なにも言いませんでした
しばらくして、彼女から突然、LINEが届きました。
G「今夜、5分だけ、綾さんのお顔を見にいってもいいですか?」
その日はクリスマスイブ。私は家で仕事をしており、Gの「5分だけ」が、けなげを装った演技であることもわかります。「どうしてですか?」と事務的に返しました。彼女のファンタジーでは、こんな冷たい返事が返ってくるのは想定外でした。
G「ちょっと会社で辛いことがあったので、綾さんの顔を見て元気になりたかっただけです。お仕事中、お邪魔しました。けっこうです」
あえて冷たく返信したのに、こう来ると私は一転、萎縮する癖がはじまります。「けっこうです」という言葉に、パワハラをされてきた失敗体験が蘇ります。
妥協して返しました。
私「仕事相手に、理由を言われずに来ると言われるのは圧迫を感じます。仕事もありますが、30分だけならけっこうですよ」
G「綾さん、ありがとう。10時には着きます!」
彼女は、一時間以上遅れた11時に来ました。両手には、デパ地下で買い込んだ食料とお酒が抱え込まれていました。
次回に続きます。
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