投薬治療は「メルカゾール」から始まった
「ほら、首もかなり腫れてますよね」
医師の声で、ふと我にかえる私。
「薬での治療からスタートしましょう。処方箋出しますから、今日から飲んでくださいね。ではまた2週間後に来てください」
年末で混み合っている街のクリニックで処方箋を受け取り「メルカゾール」が処方されました。
そのときの血液検査結果では、FT4は計測不能なほど振り切れていたうえに、FT3は20超えと高い値。ちなみにFT3の正常範囲は2.2-4.5、FT4は0.8-1.7(ともにさまざまな基準あり)だそうなので、かなりの高数値でした。病気の勢いを測る目安とされるTRAbは18.2。TSHは0.01以下。
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが出すぎる病気で、全身にさまざまな不調をきたします。数値的にも、これだけドバドバとホルモンが出ていれば、私の身体はさぞかしフル回転だったことでしょう。
1回3錠、1日9錠のメルカゾールは、どうやらかなり量が多い部類だったようだけど、甲状腺疾患初心者だった当時の私には、そんなの知る由もなく。
そして、ほんの2日前までは、まさか自分がそこまで重大な病気だとは思ってもいなかった私は、その日からまたひたすら、ネットで甲状腺機能亢進症について調べ続けました。
ネットには「完治はしないけど、寛解はする」「命に関わる病気ではない」「薬を飲んでいれば、症状もおさまる」などの明るい情報が多く、元来性格が楽観的な私は「なーんだ、よかった~」と安堵していました。
さらに、この病は「バセドウ病」でもあることを知り、芸能人や有名人にも多いことを、今さらながら知りました(厳密には甲状腺機能亢進症=バセドウ病ではないらしい)。そしてストレスや喫煙が大敵で、それらを排除することが寛解へ欠かせないという知識もゲット。
このときには体感としても、小さな不調の数々や症状は、投薬を始めてから落ち着き始めていました。そこで、特に大きな異常を感じていなかった私は、気晴らしに女友達との温泉旅行を計画。
「1泊2日で、美味しいものを食べて、ストレス発散して、のんびりしよ!」と、東京から近い千葉の房総に旅行に行くことにしたんです。
ところが、旅行に行く2日前の朝。なんかカラダがかゆい。足や手の指先には、蕁麻疹が出ている。
「なんだろ、これ。痒いなぁ」と思いつつ市販の塗り薬を塗って様子見。
ところが、この蕁麻疹が時間を追うごとに、とんでもないことにーーー。
この蕁麻疹は何……? このあと予想外のとんでもない事態に見舞われるのです。
次回に続きます。
ライフスタイル 新着一覧