尊敬するキャリアウーマンの先輩がマンションを購入した。理由を聞いたら「毎月、家賃を払い続けるのはもったいないし、私自身の将来のために購入したのよ」って。
私も将来のために買った方がいいのかな。でも買うのは勇気がいるし。独身のうちにマンションって購入していいの? 購入したあとに結婚することになったらどうすればいいの? そもそもどんなマンションを買えばいいんだろう。
そんなマンションのことをあれこれと知りたい欲張りなオトナ女子に、マンションを買ったり、売ったり、快適に住むためのマンション情報を、マンショントレンド評論家の日下部理絵が“あらかると”でお届けします。
第1回目は、もしマンションを買うなら新築がいいのか。それとも価格が安そうな中古がいいのかについてです。まずは、新築と中古マンションの定義について確認しましょう。
「新築マンション」と「中古マンション」の定義を確かめよう
中古というだけで古いような印象を受けるけど、新築マンションはいつから「中古」と呼ばれるようになるの? まずは定義を確かめておきましょう。
新築マンション
新築マンションとは、竣工してから1年未満かつ未入居物件のことをいいます。つまり、竣工して1年未満であっても、一度でも誰かが入居した物件は、新築とはいえません。また、竣工して1年以上のものも新築とはいえないのです。これは、欠陥住宅に関する消費者を保護するために定めた「品確法」と「公正競争規約」において定められています。
中古マンション
中古マンションとは、一度でも誰かが入居したことがある物件をいいます。また未入居物件については、不動産業界では「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」第3条第(10)号に基づいて、竣工後1年以上を中古としています。一部の金融機関などでは、2年以上で中古(住宅ローン上の線引き)とするなど、定義にバラツキが見られます。
新築でも中古でもない「新古マンション」という分類も
そのほか新築と中古のあいだに、販売不振や営業政策上などの理由で、当初の売主から別の不動産会社などが買い取り再販される「再販物件」や「クリアランス物件」などと呼ばれる新古マンションもあります。
つまり、竣工後1年未満であったとしても、一度入居したという経歴(極端にいうと1日でも入居)があれば、それは「中古」にカウントされますし、新築マンションとなんら変わりなくても不動産会社の再販によって「新古」マンションということになります。
図表のように新築から時間の経過によって、呼び方が変わっていきます。
新築マンションと中古マンションの違いとは?
中古と新築、それぞれのメリットとデメリット
次に「中古」と「新築」それぞれのメリットとデメリットをみていきましょう。
一般的に、「再販物件」「クリアランス物件」「新古マンション」を含めた「中古マンション」は、新築マンションと比べて価格が安いことが大きなメリットとなります。特に、中古マンションを個人から購入する場合は、建物部分の消費税がかかりません。また、自分好みにリフォームしやすいこと、現物や管理状況を見て検討できること、近隣の居住者の様子を確認できるというメリットもあります。
デメリットとしては、
・借入期間の制限や金利優遇の対象にならない場合がある
・公庫融資限度額に差がある
・築40年超(旧耐震基準)のマンションはローンが通りにくい
など、住宅ローンを組む上で不利なことがあげられます。設備やデザインの陳腐化、耐震性やセキュリティへの不安、不動産会社に仲介手数料を支払うのもデメリットといえます。
いっぽう、新築の一番のメリットは、最新の設備やデザインの新しい物件に最初に住めるということでしょう。しかし、立地が限られたり、高い価格や修繕積立基金を一括で支払うなど、とにかくお金がかかることが一番のデメリットです。
新築と中古のメリットとデメリットを一覧表にすると図表の通りです。
自分の暮らしに合った選択を
あなたは、新築マンションがいいですか? それとも中古マンションにしますか?
私なら新築をターゲットに中古も視野にいれつつ、職場に通勤しやすい、駅近なコンパクトマンションを今の家賃と比較しながら購入を検討します。エリアやこれから何年住むマンションなのかによっても選択肢は変わってくるでしょう。あなたの今のライフスタイルや人生にとってベストなマンションを選んでくださいね。
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