事務所に来られた依頼者は、多くが口をそろえてこう言います。「まさか私がお世話になるなんて」と。浮気や不倫の調査は、ドラマや小説の世界の話で、私には関係ないと思っていたのです。そう思われるのも、無理はありません。
いまどき探偵事務所は意外とおしゃれ
40代以上ならわかるでしょうが、昭和の人気ドラマ「探偵物語」の事務所は、地震で倒れそうな古びた雑居ビルの奥の奥にあり、主演の松田優作さん演じた探偵は、常にサングラスのダークスーツ姿で、今なら反社会的勢力を連想させます。事務所に来られた皆さんは、そんな先入観をお持ちですから、「IT系の会社みたいで、オシャレな事務所ですね。山崎さんも、調査員の方もみなさん清潔感があって驚きました」とおっしゃいます。
今の探偵業界は、どこも和やかです。その仕事は、超がつくほどきわどいプライバシーの領域に踏み込みますから、依頼者に陰湿な雰囲気を与えるのはよくありません。それでも依頼者は恐る恐るやってきて、やっぱり料金を一番、気にされます。
証拠は、とにかくたくさん具体的に集める事です。これらを前回、前々回と2回にわたって強調してきました。実は、証拠の厚みや具体性が料金に直結するからです。
探偵社は、情報が多ければ多いほど調査がしやすくなります。分かりやすくいえば、ピンポイントの密会時間が分かれば、探偵の稼働日はその日のみで済みます。いつ動くか全く検討がつかないケースより、料金が安くなるのは当然でしょう。
調査料金は美容院と同じで足し算方式
皆さん、「調査料金はおいくらですか?」と聞かれます。そんなとき、私は美容院を例にあげてこう言います。「美容院で同じ質問をされたら、『何をされますか?』と聞き返されますよね。カットか、カラーか、パーマかで料金がまったく異なりますから。探偵も同じです」と。依頼者が何を求めるのかで変わるのです。
浮気の証拠現場を押さえた写真がほしいのか。浮気相手の住所を知りたいのか。相手を尾行する移動距離によっても変わってきます。相手が夜に働いていると、深夜の割り増しも必要です。
一般に尾行は、調査員2人が行い、6時間で10万~15万円が相場。そういうと、料金を抑えたい依頼者は「一人でお願いできませんか」ということが少なくありません。1人でも不可能ではありませんが、尾行バレのリスクが増します。浮気調査がバレた夫婦の関係はさらに冷え込むので、最悪ですし、そもそも調査費用がムダになってしまいます。
そんなことから、慎重な方は1名追加して3名体勢にすることもあります。1名分の追加料金は、6時間5万円ほどで、6時間を超えると、それぞれ1時間ごとに約1万5000~2万5000円が加算される計算です。
美容院でカットとカラーのセット料金は少し安くなるのと同じで、調査もいくつか組み合わせるとお安くなる場合もあります。追加でトリートメントをすると、料金がプラスされますよね。探偵料金も足し算が基本なのです。そのほかに加算されるのがガソリン代や高速代、場合によってはラブホテル代などの実費経費が上乗せされます。
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