もう子供たちを悲しませたくない!先生と親たちの愛情の花

斑目茂美 開運花師
更新日:2020-03-14 06:00
投稿日:2020-03-14 06:00

これ以上子供たちを悲しませたくない!

せめてお花だけでも…先生たちの愛情の形です(写真:浅野光寿)
せめてお花だけでも…先生たちの愛情の形です (写真:浅野光寿)

「このままでは卒業式自体が危ないかもしれないよ」

「学校休校要請」が出された当日の夜、ある教育関係者の方から聞いた言葉でございます。

 コロナが世界を狂わせる、だなんてちょっぴりどこか自分とは違う世界の話のような気分でいたワタクシではございましたが、「学校休校要請」の号外は、コロナの恐怖が一気に現実のものになった瞬間でございました。

「これは本当にすべてがひっくり返るかもしれない」――。その夜は、ワタクシの花屋の仲間内でもたくさんの不安や憶測の情報が駆け巡り、パニック状態。当然、学校の職員室も同じだったようでございます。

 3月は学年の切り替わりの大切な時期。学期末テストもしていない、授業日数など問題は山積みの中、学校行事の中で最も大切な行事「卒業式」を控え、学校には不安にかられた多くの父兄が押し寄せパニックに陥った学校も少なくなかった、と聞いております。

 今年の卒業式は親は不参加だけれども、卒業式は先生と卒業生だけで体育館で敢行する、各校ほぼ決まった状態で準備を進めていた中での「休校要請」。親不参加どころか卒業式そのものが最悪な中止方向へと一気に舵を切ったのでございます。

 ありがたいことに、ワタクシのお店は毎年多くの卒業式に卒業生たちへの門出のお花を作らせていただいております。多くの先生や学校との交流も生まれ、学校の一大事はやはりワタクシには他人事ではなく、号外の出た夜は眠れぬ夜ではございました。

 しかし、朝になって目の前が明るくなればワタクシの単純な根性が復活。クヨクヨしても始まらない。ここは花の底力を信じよう。とにかく花屋としてやれることは全力でやるしかない。今こそ花屋の本来の姿の見せ所だぜ!という、恐ろしく前向きな心持ちで職場に向かったのでございます。

 結局、学校の先生方の気持ちが通じ、ワタクシの住む神奈川は、卒業式は最小規模でも行える方向で決定。各学校長の判断で小、中、高校がそれぞれの教室での卒業式となり、こちらからのご提案で会場用の大きな装飾花を小さな装飾花にして各教室に振り分け、こんな時だからこそ、せめてたくさんの花で卒業生を見送ることになったのでございます。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


上州の春、いいね。
 青空に染まり流れる利根川。  彼方には赤城山を望む。  まだまだ冷たい上州の春の空気の中、走る自転車はとて...
大谷翔平選手の出身地「姉体(あねたい)」の由来は?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第69回「ブンブンブン イェ キバタン」
【連載第69回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
ハンカチ貸しただけで?いちいち細かいお礼LINEが面倒くさい
 誰かにお礼をされて嫌な気持ちになる人は、あまりいないですよね。  でも、お礼を大切にする人の中には、些細なことで...
既婚の女友達「37のおばさん」マウント&失礼の破壊力…少し気遣って。
 天然で言っているのか、それとも意味を持たせて言っているのか分からない“失礼なLINE”が送られてきた経験はありませんか...
うるさーい! 兄弟喧嘩にキレる前にママにできる対処法3つ
 子育て中に親を悩ませるのが「兄弟喧嘩」です。仲良い時があると思ったら、数分後には取っ組み合いの喧嘩をしている…。ただで...
同棲する男の熱愛報道 週刊誌へのタレ込みを画策する裏切られたワタシ
 34歳の真弓は若手映画監督のマサキ(34)と交際している派遣社員。交際は10年以上、マサキとの結婚を夢見ている真弓だが...
玄関に女性ものの靴…交際12年、男に尽くし続けた34歳派遣社員の悲劇
 34歳の真弓は若手映画監督のマサキ(34)と交際している派遣社員。交際は10年以上、マサキとの結婚を夢見ている真弓だが...
有名人と同棲する“一般女性”の打算。彼を支える健気なワタシの結婚は?
 久我真弓はひとりベッドに潜り、寝室で恋人を待っていた。  空気も冷たい午前0時。惰性で続けていたスマホゲームのレ...
地味に増加中?メンズカット女子に見る、トレンドなき時代のファッション
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
あなただけじゃない!40代女性フルタイム会社員がきつい訳&対処法3つ
 40代女性は、仕事や家事、育児など人生でとても忙しい時期を迎えていると言えます。また、家や車の購入など、大きな出費も多...
「みんな好き」と言っていた子が突然「順位」を付け始めた
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
まるで産毛みたい!ほわほわなプリティ“たまたま”が愛おしい
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
スマホゲーム、やめたい!お金と時間の無駄遣いに決別するために試すこと
 スマホゲームって、ちょっとした待ちや、トイレの間など隙あらばついつい触ってしまいますよね。  しかも、やり出して気が...
青色の花が流行中!「#卒業式サプライズ」を彩る花束の話
 3月しょっぱなから全国的に卒業式シーズンに突入。テレビの情報番組ではSNSなどで「#卒業サプライズ」と称して卒業生や恋...
女友達「睡眠2時間、起きっぱなし」ってやっぱり仕事やってるアピかな?
 本当に仕事ができる人は効率よく仕事をし、遊びも睡眠もきちんと時間を確保する余裕のある人が多いですよね。  一方、...