自分への性的興味に恐怖…デミセクシュアルの抱えやすい問題

うかみ綾乃 小説家
更新日:2020-05-25 06:00
投稿日:2020-05-25 06:00
 前回は多様なセクシュアルのひとつであるデミセクシュアルの特徴を記しました。続いて、デミセクシュアルの抱えやすい問題を取り上げます。

デミセクシュアリティが抱えがちな4つの問題

「みんなの話がわからない」(写真:iStock)
「みんなの話がわからない」 (写真:iStock)

 比較的に知られているLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の人たちも生きづらさのある世の中で、この中に当てはまらない人々は、自分がセクシュアルマイノリティだと自認できることさえなく、名前のない存在として、理由も改善策もわからない悩みを抱えるしかありません。

 デミセクシュアリティの抱えがちな問題は以下です。

自己肯定感の欠如

 思春期になれば、それまで仲良くしていた友達は異性や恋愛に興味を持ち、好きな芸能人の話、下ネタ、合コンや出会い系などを楽しくし始めます。でもデミセクシュアルはその輪に入れません。硬くてノリの悪い人として疎外されるか、あるいはそうならないために無理に周囲に合わせて演じます。思春期に抱く疎外感は、その後の生き方にも影響を及ぼします。

恋愛相手を特別視しすぎる

 デミセクシュアルにとって誰かを好きになるのは特別なことなので、相手を必要以上に高く見る傾向があります。それまでの人生で疎外感や、自分でない自分を演じてきた感のある人ならなおさら、特別な相手に対して依存心や被支配者の感情に陥る危険性も高いです。

性的な目で見られることに恐怖(写真:iStock)
性的な目で見られることに恐怖 (写真:iStock)

他人からの恋愛感情がストレス。性的興味を持たれることには恐怖

 多くの女性にとっても、好きでもない人からの恋愛感情は煩わしく、性的興味を持たれることは嫌悪ではありますが、それらを理解する素養を持たないデミセクシュアルにとっては、恐怖と憎悪の対象となります。これが被害者意識と繋がり、自己肯定感を低くする要素となりがちです。

流れを読むだけの不本意なセックスをしてしまう

 自認のないセクシャルマイノリティが陥りがちなのは、「自分は人よりおかしい」「おかしいことを悟られたくない」「おかしな自分が相手に合わせるべき」との意識です。そのため、好きではない相手からセックスを求められても、「この場合はふつうするんだろうな」と無駄に流れを読み、不本意なセックスをしてしまう場合があります。
 
 とはいえ、自分のセクシュアルはこうなのだ、と自覚することで、避けられる危険や、緩和できる悩み、前進する方向を見出すことはできます。

うかみ綾乃
記事一覧
小説家
2011年「窓ごしの欲情」(宝島社文庫)で日本官能文庫大賞新人賞受賞。’12年「蝮の舌」(悦文庫)で第二回団鬼六賞大賞受賞。コラムニスト、映画の原作&脚本家としても活躍中。近著に「蜜味の指」(幻冬舎アウトロー文庫)。2020年から原作映画『モンブランの女』(『モンブランを買う男』AubeBooks)が全国で公開中。
ブログ http://ukamiayano.blog.fc2.com/

ラブ 新着一覧


投資0円!達人伝授の一目惚れさせるテク、男の恋心に火を点けるのは簡単
 一目惚れを味わった時は、運命を感じてドキドキしたりしますよね。実は世の中には、一目惚れ状態をワザと作り、男に一目惚れさ...
内藤みか 2024-04-04 06:00 ラブ
どちらも不倫している夫婦あるある4選 似た者同士ってこと?
 お互いに永遠の愛を誓い合った夫婦。でも、歳を重ねていくうちに夫婦どちらも不倫をするようになってしまうケースは珍しくあり...
恋バナ調査隊 2024-04-03 06:00 ラブ
男友達をセフレにしたらどうなる? 5人の女が選んだそれぞれのカタチ
 男友達をセフレにしようか迷っている女性はいませんか? 「彼氏はいらないけどセフレはほしい」と思っている人であれば特に、...
恋バナ調査隊 2024-04-02 06:00 ラブ
【貴女の度数は】出会いの季節、フェロモンジャッジで幸せを手繰り寄せる
 出会いが増える4月、初めて会う人に好印象を与えて「理想の自分」を演出してみませんか? 笑顔がかわいい愛され系、仕事がで...
太田奈月 2024-04-02 06:00 ラブ
「学生時代はモテたのに」私は終わった? 嘆く前に直視すべき5つの現実
「学生時代はモテたのに、今は全然男性から言い寄られないんだけど!?」とモヤモヤしている女性必見! 今回は、学生時代はモテ...
恋バナ調査隊 2024-04-01 06:00 ラブ
不倫男がやらかすうっかりミス5選 ゴムの使い回し、バレないと思った?
 今回は不倫をしている男性のよくあるうっかりミスを5つ、紹介します。「恋は盲目」なんて言葉の通り不倫をしている男性は盲目...
恋バナ調査隊 2024-04-01 06:00 ラブ
頼んでないのだが? 教えたがり夫へのホンネとケンカ回避術
 頼んだわけでもないのに、ドヤ顔で解説してくる「教えたがりの人」のまー多いこと。外では気にしなければ済む話ですが、夫が教...
恋バナ調査隊 2024-03-31 06:00 ラブ
「寝た?明日まったり甘えてもいい?」彼の妄想を誘う極甘LINE3選
 お出かけデートも楽しいですが、家で彼氏とまったりイチャイチャしたい日もありますよね。もちろん、そのまま家に行くのでもい...
恋バナ調査隊 2024-03-31 06:00 ラブ
不倫の清算を迫られた39歳既婚男の叫び「俺を捨てるならカネも返して」
「冷酷と激情のあいだvol.188〜女性編〜」では、1年以上不倫関係にあったマサシさん(39歳・仮名)との関係を清算した...
並木まき 2024-03-30 19:09 ラブ
卑怯者!不倫清算→月3万円のお手当返済を迫られた35歳シンママの怒り
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-03-30 06:00 ラブ
大谷翔平の新妻は元バスケ選手…“同業者”の結婚、メリットとデメリット
 人生を共にする結婚相手を決める時、価値観やルックス、収入などいろいろな角度からどんな結婚生活になるのかを想像しますよね...
恋バナ調査隊 2024-03-30 06:00 ラブ
性行為が苦手な理由4選 彼を好きな気持ちと“別物”なのは仕方がない
 好きな人との性交で「愛されてる」と幸せを実感する女性は多いですよね。しかし、その一方で性交を苦手とする人もいます。 ...
恋バナ調査隊 2024-03-30 06:00 ラブ
アラサーアラフォー女が年下彼氏に冷めた瞬間 可愛いと思ったけど無理!
 恋愛に年齢は関係ないといわれますが、あなたが男性に自分以上の経験値や頼りがいを求めるのであれば、年下だと物足りなく感じ...
恋バナ調査隊 2024-03-29 06:00 ラブ
子供の前で夫婦喧嘩を始めてしまった…どんな悪影響がある?
 愛し合って結婚しても、違う環境で育った二人です。時には、価値観の相違から夫婦喧嘩をする日もありますよね。でも子供の前で...
転職したいママ必見! 面倒くさい夫の理解を得る方法とベストタイミング
 共働き夫婦が多い現代、生活スタイルの変化に対応するためや、スキルアップを目指して女性が転職を考えることも少なくありませ...
恋バナ調査隊 2024-03-28 06:00 ラブ
超絶依存の恋愛モンスターが離婚せず、結婚15年を迎えた自己分析は…
 私事で恐縮ですが、先日結婚記念日を迎えました。早いもので、結婚生活も15年目に突入です。  結婚が決まった時、様々な...