AKB、乃木坂、欅坂 握手型アイドル存続へ!ジャニーズの教え

こじらぶ ライター
更新日:2020-05-23 06:00
投稿日:2020-05-23 06:00

握手会会場は「密閉、密集、密接」の3密

 2010年代より握手会を売上、人気の基調とし隆盛を誇ってきた秋元康氏プロデュースのAKB48グループ(以下、48G)や、乃木坂46、欅坂46、日向坂46からなる坂道シリーズ(以下、坂道)。今後、彼女たちのような握手型アイドルのあり方が問われる事態になってきた。

 新型コロナウイルスの影響で今年2~6月に予定されていた握手会のほとんどが開催延期になった。日本全国の緊急事態宣言が解除されても、これまでと同様には開催できない可能性もある。

 彼女たちの握手会会場は多くが室内で、1日に数万人単位でファンが押し寄せ、「密閉、密集、密接」の3密を完璧に備えているからだ。

 握手券付きで同一CDの複数枚購入を促し、数十万枚、はたまた、ミリオンヒットを連発してきた秋元系グループ。このシステムは「AKB商法」と呼ばれるものだ(坂道もシステムは同じ)。

 果たして彼女たちの握手会が今後、行われないとなったら、CD売上はどうなるのか。大所帯グループである彼女たちは存続することができるのか。

 筆者は48Gと坂道のファンを対象に緊急アンケートを2つ行ってみた。1つ目は「これまで同一タイトルのCDを何枚購入してきたか」、そして2つ目は「今後握手会等メンバーと会えるイベント券が付かなくなったらCD購入枚数はどうなるか」というものだ。

AKB48、坂道グループのファンに聞いた「同一タイトルCDの購入枚数」

 まず1つ目のアンケート。総投票数193票中、

1. 握手参加有無に関わらず1枚=24%
2. 握手参加有無に関わらず2~5枚=60%
3. 握手参加で6~10枚=9%
4. 握手参加で10枚以上=7%

 選択肢1.については、同一タイトルにつき1枚しか買わないライト層や握手会などのイベント現場には出向かない在宅系ファンも当然いることの表れだ。

 最も多かった選択肢2.については、同一タイトルでも初回限定盤Type-A~Dおよび通常盤などタイプ別の多種形態があるので、握手会に関係なく複数枚買いするファンが存在することを表わしている。

 このアンケートでは秋元系グループファンでも、1枚しか買わない層と多種形態2~5枚購入の層を合わせ、合計84%が握手会の有無に左右されないことが明らかになった。

AKB商法は「ジャニーズ商法」をお手本にした

 多種形態販売については、同一タイトルでファン一人当たりのCD購入枚数増を、AKB48結成以前の2000年代初頭から成功させた「ジャニーズ商法」を踏襲している。

 その成功はもちろん、メンバー自身の人気や作品の質の高さが根本にあるのだが、当初「ジャニーズ商法」は純粋な同一商品の売上ではないので、他アーティストなどの音楽ファンの間で批判されることもあった。だが筆者は、タイプ別に創り手の想いや労力が込められたコンテンツや特典が入っているので、商売をする上では「上手い工夫」だと捉えている。

 ミリオンヒット連発だった90年代のCDバブルが弾け、どのアーティストも売上が低迷し始めた2000年代以降も、ジャニーズの多くのグループは安定的に10万枚~60万枚程の売上を達成してきた。

 ただ、今回の上記アンケート選択肢で3番目と4番目の割合となった、選択肢3.(6~10枚購入)と4.(10枚以上購入)の計16%の層が「ジャニーズ商法」に上積みをする、握手型「AKB商法」の肝だ。この層のファンが多種形態を購入したうえで、さらに握手券のためだけに完全な同一商品を複数枚購入する。

ジャニーズデビュー組より大所帯

 加えてジャニーズのデビュー組は1人~9人ほどの一桁であるのに対し、48Gと坂道は1グループ20人~100人以上の大所帯だ。

“握手要員”と言われることもある彼女らそれぞれにファンが付き、多種形態買いをする。それに加えて2割弱のコアファンが数十枚~数百枚、果ては数千枚購入し売上を押し上げる。

 これによってジャニーズ人気グループでも近年なかなか果たせなかったミリオンヒットをAKB48が通算39作、乃木坂46が通算9作、欅坂46が通算2作達成している(いずれもオリコン調べ)。批判の多いこのAKB商法だがメンバーの努力とファンの想いの結集だと筆者は捉えている。

 続いて、2つ目のアンケート「今後握手会等メンバーと会えるイベント券が付かなくなったらCD購入枚数はどうなるか」の結果を見てみたい。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


『ラブ トランジット』3、男性参加者が“復縁ナシ派→アリ派”に変化した理由って?「両想いってマジで奇跡」
 10月16日(木)よりスタートした『ラブ トランジット』シーズン3(Prime Video)。本作は、元カップル5組1...
中村未来 2025-10-28 12:00 エンタメ
復縁に正解はある?『ラブ トランジット』3、男性参加者を直撃! 元カノと再会した際のリアルな本音
 10月16日(木)より待望の『ラブ トランジット』シーズン3( Prime Video)の配信がついにスタートしました...
中村未来 2025-10-27 12:00 エンタメ
『大脱出3』が示した“地上波じゃ絶対無理”なお笑いの可能性。攻めたバラエティの生存戦略とは
『水曜日のダウンタウン』などを手掛ける藤井健太郎氏が企画・演出・プロデューサーを務めた『大脱出3』がDMMの総合動画配信...
平野紫耀らNumber_iに疑問噴出…「アイドル性」は必要なのか? 3人の“本気”がファンに問う覚悟
 平野紫耀(28)、神宮寺勇太(27)、岸優太(30)からなる3人組ボーイズグループ・Number_i の全国ツアー「N...
こじらぶ 2025-10-28 14:02 エンタメ
「ばけばけ」髙石あかり、恐るべし。“微妙な表情”の変化に気付いた? 「半分弱」に寺尾聡の元妻を思い出す…
 下宿では教員試験を終えた錦織(吉沢亮)の慰労会が行われ、トキ(髙石あかり)はお祝いの出し物を披露することになり、大好き...
桧山珠美 2025-10-25 11:08 エンタメ
『ラブ トランジット』3が修羅場で面白すぎ!平和主義男子と爆発女子が激突。イケてる男女って展開早いの?【1話~3話レビュー】
 ついに『ラブ トランジット』シーズン3(Prime Video)がスタートしました! ラブ トランジット(以下ラブトラ...
中村未来 2025-11-05 11:10 エンタメ
「ばけばけ」傳ロスからの“国宝”級イケメンが登場! 吉沢亮、怒りを孕んだ表情の美しいこと…
 出奔した銀二郎(寛一郎)を探し、東京を訪れたトキ(髙石あかり)。銀二郎が住む下宿でトキは、松江随一の秀才・錦織友一(吉...
桧山珠美 2025-10-21 18:50 エンタメ
横浜流星、『国宝』はここから? “圧巻の演技”を見せた出演作4選。吉沢亮とは2012年に共演、肉体美の披露も
 公開からすでに4カ月以上が経過しながらも、いまだ連日超満員の映画『国宝』。このままの勢いで、歴代邦画実写史上1位の興行...
zash 2025-10-21 11:45 エンタメ
「ばけばけ」銀次郎、逃げて~! あさイチ・博多大吉の言葉に同意してしまった
 傳(堤真一)の死から数日、機織り工場は閉鎖が決まり、トキ(髙石あかり)は仕事を失ってしまう。借金取り・森山(岩谷健司)...
桧山珠美 2025-10-20 17:40 エンタメ
菊川怜「今も台風の真っただ中にいる」3人の子育てと仕事の両立という選択。忙しくても“譲れないこと”とは
 1998年にモデル活動からスタートし、現在ではシングルマザーとして、6歳、4歳、3歳のお子さんを育てている菊川怜さん(...
望月ふみ 2025-10-19 11:45 エンタメ
「ばけばけ」“闇落ち”三之丞(板垣李光人)が切ない…トキ(髙石あかり)の言葉は優しいウソなのか
 トキ(髙石あかり)の献身もあり、傳(堤真一)の体調に回復の兆しが。トキは代理社長の三之丞(板垣李光人)に回復の報告をす...
桧山珠美 2025-10-18 11:38 エンタメ
「ばけばけ」トキ(髙石あかり)と“もうひとつの親子”の姿にうるっ…。三之丞(板垣李光人)の行動が意味深?
 トキ(髙石あかり)が傳(堤真一)の看病をはじめて3週間。傳の具合は回復しない。工場では傳が戻るまでに経営状況を回復させ...
桧山珠美 2025-10-16 16:58 エンタメ
「ばけばけ」岡部たかしの“芸達者ぶり”に感心…。そして北川景子の夫・DAIGOの登場に期待したいわけ
 病に倒れた雨清水傳(堤真一)。トキ(髙石あかり)は日頃、お世話を焼いてくれる傳への恩返しのため、看病を買って出る。日中...
桧山珠美 2025-10-15 16:30 エンタメ
Snow Manが“客寄せパンダ”と物議も…無視できない多大なメリット。異様に高い“再生数”で海外の注目を集めるか
 韓国の人気音楽番組「ミュージックバンク」(KBS)が主催する12月の「2025 MUSIC BANK GLOBAL F...
こじらぶ 2025-10-14 11:45 エンタメ
【芸能クイズ】再始動のダウンタウンに期待の声。では「笑ってはいけない」第1回の“ペナルティー”は何だった?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
“超豊作”の秋ドラマがアツい! 大泉洋×野木亜紀子に期待爆発、三谷幸喜の“クセ強ドラマ”はジワ伸びの予感?
 夏の暑さが落ち着き、心地よい夜風が吹くこの季節。ドラマの秋がやってきました!  2025年の秋ドラマは、まさに「...