別居10年で同居を再スタートした夫婦
24歳の時に6歳上の男性と結婚したAさん、現在58才。結婚当初から二世帯同居からスタートしました。近所には独身の小姑がいて毎日自宅にご飯を食べに来るという、新婚劣悪環境下で暮らすこと26年。
口数の少ない夫は頼りにならず、プライバシーのない生活に疲れ果てその限界を感じた時、家を出ることを決意したと言います。
水面下で準備にかかり、まずは家を借りて少しづつ自分と当時高校生の娘さんの荷物を運んでいました。家の中の物が減っていることに気付いたご主人さんが「なんか様子がおかしい」と話を切り出したのをキッカケに「ここを出たい」と告げてAさんは家をでました。
二世帯小姑付きの劣悪環境婚
冒頭のB子さんと同じく3年ほど、ほぼ必要以外は連絡もない状態が続き、その後も時々要件があるときだけ話すという希薄な夫婦関係でした。別居から8年後に義父が亡くなり、喪主の妻として葬儀に並んで出席している姿に周囲は驚きを隠せなかったそうです。「もう離婚してたんちゃうん?」ってな感じなのでしょう。
その葬儀が終わった後、少し意地悪だった姑がこんな事を言ってくれたそうです。
「これからのこともあるし、そんな家賃を払って別々に住まなくてもこっちで一緒に住んだらどうだろう」
続けて姑さんは、息子が嫌なら1階と2階で別々に住むことも出来るという提案もくれたそうです。
ちょうどその時、Aさんは足を悪くしていて将来的な不安感もあることから、10年の別居生活には幕が下りました。
10年ぶりの同居夫婦のその後
「新婚の時より仲良しですよ~」と幸せそうなAさん。
「好きだ愛してるとか、お互い言ってるんですか?」
そんな、しょーもない質問をぶつける筆者に、笑いながら首を大きく横に振りました。
「ありません。ありません。夫婦生活もありませんし。でもね、一緒に旅行に行ったり食事に行ったり楽しいですよ」
Aさんにこんな質問をしてみました。「Aさんにとってご主人さんはどんな存在ですか?」
少し間をおいて考えたAさんは「そうですね。主人は……同志です!」
なぜでしょう。その言葉はとても心に響きました。
まとめ
私の父が亡くなった時、遊び人の父とよく喧嘩していた母に同じ質問をしたことがあります。父は母にとって最後は「親友」であったそうです。Aさんの「同志」も同じようなニュアンスに感じました。
お互い好きになって結婚しても……長い歳月が流れると惚れたや好きだの感情は必ず目減りします。年を重ねた後、夫婦生活もなくなってからが、本当の夫婦の始まりなのかもしれませんね。
結婚より離婚する方が言い方は変ですが、たやすく実行できます。
白黒ハッキリつけるより、その真ん中の選択肢「別居」をしてみて距離を置くと答えも変わってくるかもしれませんね。
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