平手・白石「国民的グループのエース」女優成功は難しい!?

こじらぶ ライター
更新日:2020-11-14 06:00
投稿日:2020-11-14 06:00

乃木坂46西野も大ヒット作に恵まれた

 乃木坂46のセンター回数トップでエース格だった西野七瀬(26)は乃木坂46総出演ドラマや映画で主演を張った経験を活かし、卒業後も女優業を精力的にこなしている。19年には社会現象も起こしたドラマ「あなたの番です」(日テレ系)で彼女のイメージにない狂気的な役を演じた。一部セリフ回しを疑問視する声もあったが、ともかく卒業後に大ヒット作に恵まれたことは大きい。これにより乃木坂46などアイドルに興味の無かった層からも認知された。

 今年7月の「アサシング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(フジテレビ系)では主演の石原さとみ(33)を地味な役柄でうまく引き立てたと好演ぶりが称えられた。華やかな乃木坂46の中心でまさにシンデレラのような扱いを受けてきた西野とはギャップのある役どころだが、こうした役を丁寧に演じられるのは彼女の強みだろう。

白石と平手が“先陣3人”に続く可能性は?

 今世紀に入って「国民的グループ出身」、「グループのエース格」という2つの条件を満たしつつ女優としての成功を収めている3名の存在。ここに白石、平手は続けるだろうか。

 乃木坂46在籍時代、白石は19年「俺のスカート、どこ行った?」(日テレ系)で下ネタを口にしたりコミカルな演技に挑戦。“100点満点の優等生アイドル”という世間のイメージを覆した。また今年2月公開の映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」では、ヒットを記録していた前作の北川景子(34)からヒロイン役を引き継ぐ形となったが、本作も興行収入10億円超えを達成しており及第点の結果となった。「白石麻衣がここまでやる!?」というハードなシーンで体当たりの演技を求められ、それに応えた。

 もとよりバラエティー番組では悪い顔で毒舌を放ったり、体を張って笑いをとったりしてきた。自身のYouTubeではやたらゲーマーだったり、DIYに黙々と精を出すなど世間のイメージとは違う素顔をたくさん見せている。そうした白石の特性を演技に落とし込んでいけば、北川のような正統派美人でありながら変人の役もこなせる女優になっていけるだろう。

平手友梨奈にしかない強み

 平手は「国民的グループ出身」、「グループのエース格」という同じ条件を満たしながら、前田、大島、西野、白石とは打って変わってアイドルとしては圧倒的異端児だった。「いつも笑顔でキラキラして優等生」。そういった形容詞が欅坂46時代の平手に使われることはほぼ無く、後期は特に「いつも俯いていてダークで何を起こすかわからない」異例の存在だった。それゆえ、「アイドル時代のイメージを覆さなければ」というハンデが無い。平手のようなキャラクターそのままの役が多くの物語に存在し、その原作者が平手を指名したりもする。

 欅坂46の楽曲でも秋元氏が創った世界観の主人公に完全に入り込み、表現してきた。在籍時代に映画初出演にして初主演の「響-Hibiki-」では日本アカデミー賞新人賞はじめとする数々の主要映画新人賞を取った。

 一方でオフの素顔は普通に笑ったり、情に厚く優しかったり、礼儀正しかったり、涙もろかったりする。これをそのまま役に反映させるだけで「アイドル時代のイメージを覆す」ことになる。

前田、大島、西野、白石、平手の共演に期待

 来年公開の「さんかく窓の外側は夜」、「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」も含め監督や共演者ら業界内の評価が非常に高く、女優としては新人ながら、キャリアが圧倒的に長い前田、大島のように「アイドル的人気」に固執せずともオファーを選ぶ立場にあるのが凄い。

 アイドル時代のパブリックイメージは真逆な白石と平手だが、「国民的グループ出身」、「グループのエース格」という条件下でも今後女優としてさらなる飛躍が期待できそうだ。また今回触れた5人全員にいえることだが、先輩、後輩の垣根を超えた共演も期待したい。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


夕飯のカレーで描いた星家の“遠慮のない家族”への変化。入山法子の名場面を振り返り
 昭和37年1月、「原爆裁判」の原告のひとり、吉田ミキ(入山法子)が法廷に立つことを承諾。広島から上京してきたミキを、原...
桧山珠美 2024-09-05 17:30 エンタメ
虎に翼の脚本は朝ドラ特有の“中だるみ”なし!塚地出演「あさイチ」との連携プレイにも救われた
 昭和34年、優未(毎田暖乃)は高校1年生に。直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に子供が産まれ、猪爪家はますますにぎ...
桧山珠美 2024-09-02 17:30 エンタメ
東出昌大“狩猟系イケメン”面目躍如。通り過ぎていった女性たちは何を思う
 期待に応える男、東出昌大(36)がまたまたやってくれました。今度は“デキ婚”ですって。いつかやってくれるだろうとは思っ...
第110回感動のラストシーン! 余貴美子演じる百合さんの“ある台詞”がとっても可愛かった
 寅子(伊藤沙莉)たちとの同居がつらいと本心を語り、家を出ようとするのどか(尾碕真花)。そんな彼女に、優未(毎田暖乃)は...
桧山珠美 2024-08-31 06:00 エンタメ
【写真特集】10年前の初々しい東出昌大。オールバック、ナチュラル、横流し…髪型3変化
【この写真の本文に戻る⇒】杏との離婚から4年、東出昌大“デキ再婚”で話題の養育費問題。子のために前妻が即やるべき事【弁護...
虎に翼108回目でお見事だった2つのシーン。世の中の“普通人”の理不尽な思いを代弁させた
 稲垣(松川尚瑠輝)と小橋(名村辰)にも手伝ってもらい、裁判所で中学生向けの法律の勉強会を開いた寅子(伊藤沙莉)。だが話...
桧山珠美 2024-08-28 17:15 エンタメ
松本人志はいまや「憧れの芸人」ではない。若手芸人が話す3つの理由
「生きるお笑い界の伝説」ことダウンタウン松本。還暦を迎えた今も大人気の冠番組を複数抱え、お笑い界で最も大きな発言権を誇る...
帽子田 2024-08-28 09:38 エンタメ
なんて賢い子!“星家イチのオトナ”が優未だった件。27日あさイチに“料理男子”井上祐貴が降臨
 寅子(伊藤沙莉)と優未(毎田暖乃)は星家で暮らし始めるが、航一(岡田将生)の長男・朋一(井上祐貴)、長女・のどか(尾碕...
桧山珠美 2024-08-26 17:35 エンタメ
木戸大聖が世間に見つかってしまった!月9「海のはじまり」スピンオフでファン急増中
 めめ(目黒蓮)の体調不良が心配でなりません。現在、フジテレビ系月9「海のはじまり」に主演していますが、Snow Man...
寅子の「心が躍るような」結婚式。放送残り1カ月ちょっと、NHKにスピンオフで描いてほしいこと
 お互いそれぞれの名字を名乗ったうえで、「夫婦のようなもの」になることを決めた寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)。猪爪家...
桧山珠美 2024-08-24 06:00 エンタメ
平手友梨奈がHYBEと契約終了、2度目の退所で訪れる転機。神童が“本物”に返り咲く日
 平手友梨奈(23)が今月8日、韓国の大手芸能事務所「HYBE」日本本社のレーベル「NAECO」との専属契約を終了した。...
こじらぶ 2024-08-24 06:00 エンタメ
【写真特集】女子アナ時代、初々しい浴衣姿の田中みな実
【この写真の本文に戻る⇒】 なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
 放送中のドラマ『ギークス〜警察署の変人たち〜』(フジテレビ系)にて、3人の主要キャラのうちの1人に抜擢されている田中み...
堺屋大地 2024-08-23 06:00 エンタメ
航一は本当に明治生まれなのか?「夫のようなもの」を許容できる男に疑惑
 航一(岡田将生)から、そこまで悩むのなら結婚をやめようと告げられた寅子(伊藤沙莉)。それは婚姻届を出す結婚をやめようと...
桧山珠美 2024-08-24 00:23 エンタメ
『ラヴィット!』に疑問の声。違和感たっぷりでもギャル曽根の「超ギャルル」を推すワケ
「日本でいちばん明るい朝番組」をコンセプトに、平日の朝に笑いと情報を届けている人気番組『ラヴィット!』(TBS系)。 ...
寅子版「自分会議」はユニークな演出だった! “ラスボス”百合さんに俄然注目
 結婚したら、自分か航一(岡田将生)のどちらかの名字が必ず変わることに、改めて気付いた寅子(伊藤沙莉)。  自分が...
桧山珠美 2024-08-20 15:30 エンタメ