平手・白石「国民的グループのエース」女優成功は難しい!?

こじらぶ ライター
更新日:2020-11-14 06:00
投稿日:2020-11-14 06:00

どうなる?平手友梨奈・白石麻衣の“女優道”

 2020年は1月に欅坂46から平手友梨奈(19)が脱退、10月に乃木坂46から白石麻衣(28)が卒業し、坂道シリーズの2大エースがそれぞれグループを巣立った。脱退から10カ月の平手はすでに撮影済みの来年公開予定の映画が2本、控えている。卒業したての白石も現在のところ大きな出演作の発表はないが、グループ在籍時代の経験からマルチな活動をしつつ女優業へ本格参戦するだろう。今回は女優として活躍しているアイドルOGの成功例を交えながら、平手、白石の今後を占っていきたい。

 まず2人に共通していることは「国民的グループ(簡易な定義として紅白連続出場、ミリオンヒット記録保持)出身」、「グループのエース格」の2点だ。しかし、この条件を満たすアイドルOGが女優として成功するのは意外にも難しいようだ。お茶の間に浸透しているアイドル時代のイメージを払拭しなければならないからだ。

“実は元アイドルだった”の系譜はあるが…

 元東京パフォーマンスドールの篠原涼子(47)や仲間由紀恵(41)などのちに女優として大ブレイクを果たし、“実は元アイドルだった”という経歴の持ち主はいるものの、「国民的グループ出身」、「グループのエース格」という2つの条件を満たした上で大成した女優は多くない。90年代以降、モーニング娘。やSPEEDといったグループが国民的人気を博したが、全盛期主要メンバーで女優として成功したメンバーはいなかった。

 そんな前例を覆し、前述の2つの条件下で女優成功組の先駆者となったのはAKB48不動のエース、前田敦子(29)だろう。

安易にママタレ路線に転向する必要もない

 キラキラして華やかな集団の先頭にいる“AKB48のあっちゃん”というイメージを持たれながらも、グループ卒業後には繊細さや傷つきやすさをリアルに出したホラー映画「クロユリ団地」、キュートながら裏では小悪魔的な表情を見せる「イニシエーション・ラブ」で主演を務め、いずれも興行収入10億円超えを果たし結果も残した。

 この他の出演作でもアイドル時代の“あっちゃん”のイメージとは異なるキャラクターで数々の名監督から高い評価を受け、以降もオファーが絶えない。18年に結婚し1子の母となった現在も安易にママタレ路線に転向せず、19年には「旅の終わり世界のはじまり」、「マスカレード・ホテル」など5つの出演作が評価され、TAMA映画賞最優秀女優賞を受賞した。

“天真爛漫でいつも笑顔”以外の真価

 AKB48時代、前田と共にツートップの一角だった大島優子(32)も成功したレアなケースだろう。そもそも子役上がりで演技に情熱を持っていた彼女だが、卒業後には映画「紙の月」で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。宮沢りえ(47)演じる主人公を破滅へと向かわせる小悪魔的キャラクターで、これまた“天真爛漫でいつも笑顔”なアイドル大島のイメージを覆した。17年には幸薄なアラサー女子役で出演したドラマ「東京タラレバ娘」(日本テレビ系)が大ヒット。19年連続テレビ小説「スカーレット」(NHK)では地味なおばさん役を好演し、「元AKB48」のイメージが無くなったと評価を受けた。

パーソナルイメージからの脱却

 前田と大島、この2人に共通していえるのは、やはりアイドル時代のイメージをそのまま引きずることなく、見る者に「こんな顔もあるんだ」と思わせることに成功したことだ。それを重ねるうちにいつしか「元AKB48のエース」から役そのものとして見てもらえるようになったのではないか。また、監督や大物共演者から高い評価を得ていることでお茶の間の「アイドル的人気」に固執せずともオファーが絶えないともいえるだろう。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


不祥事芸人・フジモンの賛否両論の復帰劇!実は吉本への貢献度が抜群?
 昨年10月に当て逃げ事故を起こして活動自粛していたフジモンことFUJIWARA・藤本敏史が、3月23日放送の『さんまの...
堺屋大地 2024-04-12 06:00 エンタメ
寅子「あきらめたらそこで終わり」はもしや…名作漫画のイズムにニヤリ
 傍聴した裁判について尋ねた寅子(伊藤沙莉)に対し、穂高(小林薫)は皆で議論してみるよう促す。  暴力を振るう夫か...
桧山珠美 2024-04-11 15:25 エンタメ
トラコ入学、伊藤沙莉は表情筋を自由に操る女優…男装の山田よねにも注目
 昭和7年。晴れて「明律大学女子部法科」に入学した寅子(伊藤沙莉)のクラスには女子の憧れの的の華族令嬢・桜川涼子(桜井ユ...
桧山珠美 2024-04-08 18:38 エンタメ
“お騒がせ”青井実アナが心機一転、なにわ男子の道枝駿佑と似てるって⁉
 世の中の人がNHKに持つイメージといいますと、「真面目」「お堅い」「地味」といったところでしょうか。  そんな中...
逃げ恥の百合ちゃん役が“頭のいい女は頭の悪いふりをするしかない”発言
 穂高(小林薫)に出くわしたことで女子部への出願が母・はる(石田ゆり子)にばれてしまった寅子(伊藤沙莉)。  娘に...
桧山珠美 2024-04-05 15:30 エンタメ
「虎に翼」語りは尾野真千子 NHKアナと俳優のナレーションの違いは?
 寅子(伊藤沙莉)がお見合いに苦戦する中、親友の花江(森田望智)は寅子の兄・直道(上川周作)との結婚準備を順調に進めてい...
桧山珠美 2024-04-05 15:14 エンタメ
「虎に翼」シン・朝ドラの予感!わずか1話、たった15分で心つかんだ描写
 昭和6年・東京。女学校に通う猪爪寅子(伊藤沙莉)は父・直言(岡部たかし)、母・はる(石田ゆり子)から次々とお見合いを勧...
桧山珠美 2024-04-01 22:28 エンタメ
僥倖!世界に挑む赤西仁ほど「サムライマック」のCM向きな俳優はいない
 マクドナルドのCMにイケメンあり!  そんな声をちらほら耳にするようになりました。たとえば4月2日から全国放送さ...
平野らTOBEがドーム公演大成功の一方、暗雲立ち込める旧ジャニの逆転は
 3月14日から17日にかけて、滝沢秀明氏創設のTOBE所属アーティストによる東京ドーム公演「to HEROes ~TO...
こじらぶ 2024-03-30 06:00 エンタメ
ブギウギ最終回、水を差すようでスンマセン! 残念すぎる4つの演出と描写
 スズ子(趣里)のさよならコンサートが始まる。客席には懐かしい多くの面々がかけつけている。茨田りつ子(菊地凛子)、愛子(...
桧山珠美 2024-03-30 11:41 エンタメ
スズ子引退会見、“天敵の文屋”鮫島の「シャッポを脱ぐ」演出を読む
 歌手・福来スズ子(趣里)の引退会見の当日。スズ子は結局、羽鳥善一(草彅剛)とは話ができないまま会見に臨むことになってし...
桧山珠美 2024-03-27 14:30 エンタメ
超鈍感力! 羽鳥の絶縁宣言を屁とも思わないスズ子とタケシは似た者同士
 歌手引退――。スズ子(趣里)はその決断を、愛子(このか)や大野(木野花)に伝えた。  羽鳥善一(草彅剛)に絶縁す...
桧山珠美 2024-03-26 15:40 エンタメ
「GTOリバイバル」注目の新人イケメンは?松嶋菜々子は本当に出るのか
 反町隆史主演「GTO」が26年ぶりに帰ってきます。反町演じる元ヤン教師・鬼塚英吉がさまざまな問題を解決する学園モノで、...
ドヤ顔のアユミとヘイヘイブギー歌唱シーン温存の理由がわかる回だった
 昭和31年、大みそか。第7回オールスター男女歌合戦当日。スズ子(趣里)は、楽しみに会場へと向かう。スズ子が楽屋で支度を...
桧山珠美 2024-03-22 14:30 エンタメ
最終回秒読み…スズ子はブレずにお人よし、NHKと沼袋勉の手腕いかに!?
 愛子(このか)は、翌日の体育の時間に足の早い転校生と競争することになっていた。しかし、勝てる見込みがなく、愛子は学校を...
桧山珠美 2024-03-21 16:07 エンタメ
和田勉が転生したら中村倫也に!? 強烈インパクトで霞んだ礼子娘の初登場
 東京ブギウギのヒットから9年、ブギブームも下火になってきつつある中、スズ子(趣里)や羽鳥善一(草彅剛)のブギは古いとい...
桧山珠美 2024-03-18 14:30 エンタメ