「SONGS」出演、トレンド入りの“常連”
彼女たちの実力がNHKに認められている象徴的な出来事として、17年に女性アイドルでは初めて、同局の人気音楽番組「SONGS」に出演したのだが、今年もラストライブ直後に2度目の出演を果たしている。
改名後の活動となると直近1カ月という短い期間にはなるが、欅坂46ラストライブ2日目の最後にサプライズで櫻坂46として登場。12月発売予定の1stシングル「Nobody’s fault」をオンライン上の推定30万人の前で披露している。同曲はラストライブ直後やラジオでの初解禁時、公式YouTube上でのMV解禁時など事あるごとにTwitter上でトレンド入り。そのMVは公開日から紅白出場発表日までの6日間で140万回再生を突破していた。
改名前のCMや冠番組なども“継続”起用
また櫻坂46に改名後も、引き続き、イオンカードのイメージキャラクターに起用され、11月1日より同曲がCMソングとしてお茶の間で流れている。
さらに15年から毎週日曜深夜にテレビ東京で放送されてきた欅坂46冠番組も、改名以降は「そこ曲がったら、櫻坂?」と櫻坂46名義に変更された。視聴率は同局で開始時間が30分早い、乃木坂46の冠番組にかなり近い推移をし好評を博している。
公式Twitterは欅坂46時代のアカウントをそのまま櫻坂46名義に移行させたが、118万人超のフォロワーは変わらず彼女たちの動向をチェックしている。以上を鑑みても櫻坂46は改名前の欅坂46と変わらぬ人気、実力、話題性を兼ね備えているといえるだろう。
縄跳びダンスブーム、流行語大賞ノミネート
一方のNiziUは今年1月から6月にかけてネット動画配信サービスHuluで放送されたグローバルオーディション「Nizi Project」で1万人以上の中から選ばれた日本人9名によるガールズグループ。オーディションの過程を通じて“ダンス・ボーカル・スター性・人柄”といった点に磨きをかけ、たくましく成長していくメンバーたちの模様を映し続けた。
同プロジェクトは地上波の朝の情報番組「スッキリ」(日本テレビ系)でも定期的に取り上げられ、またYouTubeでもHuluとほぼ同じ内容(パフォーマンスシーンなどは一部省略)が配信され、メンバーたちの成長を我が子のように見守る視聴者が続出。特に緊急事態宣言以降、おうち時間が急増した多くの人々がネット配信や「スッキリ」を通じて彼女たちの頑張りに励まされた。
6月30日にデジタルミニアルバム「Make You Happy」でプレデビュー。同曲MVは4カ月で再生1.6億回を突破し、TikTokではサビの“縄跳びダンス”が大ブームとなった。こうした世間での一大ムーブメントから今年のユーキャン新語・流行語大賞のノミネート語30語にも選出されている。音楽界からは同じく紅白初出場を決めた瑛人の「香水」と「NiziU」の2つのみが選出されており、立派な実績といえるだろう。
12月発売の1stシングルはヒット確実!
それでも、櫻坂46、NiziU共に正式デビュー前ではないかとの指摘はあるかもしれない。しかし、前述の通り紅白の選考基準は“今年の活躍”、“世論の支持”、“番組の企画・演出”を「総合的に判断」したものであり、「すでに正式なデビューをしていること」といった明確なルールは存在しない。
そして“作品”そのものがノミネートされ選考対象となる楽曲の賞レースなどと違い、紅白は出場“歌手”を選定の上発表している。櫻坂46、NiziUというグループの活動全体の活躍ぶり、人気、そしてポテンシャルを考えれば、上記の選考基準は充分満たしているといえる。
むしろ、CDをいくら出しても話題にならないアイドル・アーティストがあまた存在する中、デビュー前にこれだけの話題を振りまき、人気を博していることの方が凄いとシンプルに思う。そして発売日前の熱狂度から考えても櫻坂46、NiziUがそれぞれ12月に控えた最初のCDシングルはヒット確実。紅白に出場しても注目を集め、話題となるのは間違いないだろう。
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