「実はかつら」告白にショックで号泣…でも結婚したかった。

内埜さくら 恋愛コラムニスト
更新日:2020-12-08 06:00
投稿日:2020-12-08 06:00
「何歳からでも夫婦になるのは遅くない」とお伝えする本連載。インタビュアー・内埜(うちの)さくらが、40歳以上で結婚した男女の事情を深堀りする「40代50代の大人婚」です。

アウェーの社会人サークルに1人で参加した

case4-3.橋本杏奈さん(仮名/45歳)

 40歳の夏に社会人サークルで未来の旦那様となる同い年の彼と出会い、41歳のときに同棲を開始。42歳で結婚。43歳で男児を出産した、橋本杏奈さん(仮名/45歳)。旦那様とともに所属していた社会人サークルは、いわゆるオールラウンドサークル。いろんなイベントを楽しむサークルです。

 婚活パーティーでその幹事と出会った杏奈さんは、100人ほどが参加する花火大会に誘われます。ところが、幹事ご本人がイベント当日に発熱(コロナ禍前のできごとです)。「いい人ばかりだから行ってきなよ」と勧められて、参加を決めたそうです。

「知り合いが1人もいないのに参加したのは、思い返すと自分でもチャレンジだったと思いますが、すでに申し込みをしてしまったし、当日の予定はナシ。暇つぶしがてら行って、隣に座ったのが夫でした。初対面の夫は『マイペースな人だな』という印象でした。『僕は寝転がって見るので』と、レジャーシートに横たわってしまったんです」

“放置プレー”の真意は…

 旦那様はあお向けになり、杏奈さんは座っている状態。マイペースとも受け取ることができますが、筆者は旦那様が杏奈さんに一目惚れをして、照れている印象を持ちました。横並びのように、間近で視線を合わせる必要がない位置だからです。真偽は不明ですが当日、杏奈さんは旦那様からアプローチをされます。

「二次会でも近くに座り合い、お酌をしてもらいました。1人参加が多く、駅までの帰り道は初対面の女性とおしゃべりしていたのですが、気づいたら夫がそばにいて。軽い身の上話をしていたら私が1年と数カ月住んでいたカナダのモントリオールに、彼が学生時代、行った経験があるという共通点が見つかりました。モントリオールはメジャーな場所ではないせいか、話が盛り上がったんです。

 帰りの電車も途中まで一緒で、『連絡先を交換してください』と言われて教えました。サークル仲間の1人として」

「結婚相手=一番好きな人」じゃなくていい

 想像してみてください。旦那様、すごく頑張ったと思いませんか? 

 100人以上が参加したサークルで、初対面は偶然だったものの、二次会と帰り道、電車内まで一緒にいようと努力して近づいている姿がありありとイメージできるからです。二次会以降は100人全員が参加しなかったかもしれませんが、大勢のなかから杏奈さんを探して近づき、話をする。必死さが伝わってきて、筆者は旦那様の杏奈さんへのアプローチを愛おしいと感じてしまいました。

 杏奈さんのエピソードを聞いていて、筆者は以前取材した既婚女性の言葉を思い出しました。彼女は、「結婚する相手は、ものすご~く好きな相手じゃなくてもいいの。嫌悪感を感じない人ならいいのよ」と言っていました。

「恋愛は誘ってOKしてもらえるうちが花」

 彼女は、「恋愛は年齢を問わず、誘ってもらえるうちが花。誘ってOKしてもらえるうちが花」と言いたかったのかもしれません。当時の筆者は、「結婚は人生で一番好きになった人とするのが正義!」と信じていたので理解できませんでしたが、ほんの少しでいいのです。感じがいいと思える箇所が1つでもあれば“初回斬り”せず、2度目に会うことを検討してみてもいいのではないか、と(何度も“初回斬り”してきた筆者が、声高に言えることではありませんが)。

 杏奈さんは旦那様に「一目惚れではありませんでした」と言いますが、憎からず思えたのでしょう。その後、2人は旦那様のお誘いでお祭りに行ったとのこと。旦那様は初対面から2度目の段取りが、積極的かつスムーズです。女性との交際経験が豊富な方なのでしょうか。

「いいえ。夫は恋愛にとても奥手な性格で、私の前におつき合いした女性は1人のみだそうです。結婚して思うのですが、相手は恋愛経験がものすごく少ないか、遊び終わった人がいいのかもしれません」

「中途半端が一番よくないんですね? 伴侶を得て『自分は求められる存在だ』と自信を持った途端に遊び始める人がいますから」と言うと、杏奈さんも首を縦に振ります。

“完成品の男”は探すのではなく自分で作る

 筆者は今まで婚活中の女性も大勢取材していますが、彼女たちは“完成品”を求める傾向があるような気がしています。さわやかなルックスでスタイルがよく、スーツ姿も私服もセンスよし。浮気・ギャンブル・借金はせずある程度稼いでいて、女性のエスコートにも慣れている。「そんな高条件の人はもう売れている」と頭ではわかっていても、探してしまうのです。「どこかに1人ぐらいは残っているかもしれない」と。

 不倫はしないものの、既婚男性を見て「ああいう人がいい」と、ため息をつく婚活女性もいます。筆者は伝えています。「あの人は、奥様とともにつくり上げた“完成品”ですから!」と。幸福度が高いカップルの場合、女性の手にかかると途端に素敵になる男性は少なくありません。女性視点でのエスコート、服装、会話術などを体得するため、ほかの女性も心惹かれる男性になるのです。

 人間、誰しも欠点を持っているもの。自身が“完成品”ではない以上、相手に完全無欠を求めるのは間違いだと思っています。短所やウイークポイントを微笑ましく感じられる相手であれば、ともに完成を目指すのが夫婦ではないでしょうか。

 杏奈さんも“完成品”を求めてはいなかったのでしょう。「人生初でした」という、旦那様からのカミングアウトも受け入れたそうです。

「私はまったく気づかなかったのですが交際中、『実はかつらをしている』と打ち明けられたんです。結婚前にサロンのような場所へ連れて行かれて、初めて薄毛度合いを目の当たりにしました。目撃した瞬間はショックで泣きましたが、夫への気持ちは冷めなかったので、結婚しました」

内埜さくら
記事一覧
恋愛コラムニスト
これまでのインタビュー人数は3500人以上。無料の恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い(現在休止中。準備中のため近日中にブログにて開始を告知予定)。恋愛コメンテーターとして「ZIP!」(日本テレビ系)、「スッキリ」(同)、「バラいろダンディ」(MX-TV)、「5時に夢中!」(同)などのテレビやラジオ、雑誌に多数出演。

URL: https://ameblo.jp/sakura-ment

関連キーワード

ラブ 新着一覧


「生活費は10万しかくれない」夫が“セコ過ぎる”と嘆く43歳妻。お金も家事も私ばかり…と不満が募る日々
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-05-31 06:00 ラブ
不倫はもうおしまい。女たちが最後の“さよならLINE”を送る瞬間
 大好きな男性とはお別れなんてしたくありませんよね。でも相手が既婚者だったらどうでしょうか? 今回は、既婚者の彼との最後...
恋バナ調査隊 2025-05-31 06:00 ラブ
【漫画】疑似結婚って何?ドS上司から提案された条件と、彼が“シンパパ”になったワケ『授かり疑似婚』#3
【『授かり疑似婚~秘密のマリアージュ~』あらすじ】  見栄っ張りなOL・花森咲良(27)は、弟と一緒に住んでいた家を追...
【漫画】ちょおえええ!シゴデキ上司「俺、奥さんいないよ」突然の“顎クイ”告白から…『授かり疑似婚』#2
【『授かり疑似婚~秘密のマリアージュ~』あらすじ】  見栄っ張りなOL・花森咲良(27)は、弟と一緒に住んでいた家を追...
【漫画】うっわ~女物の靴…弟に追い出された夜、ドSな上司との運命の歯車が回り始めた『授かり疑似婚』#1
【『授かり疑似婚~秘密のマリアージュ~』あらすじ】  見栄っ張りなOL・花森咲良(27)は、弟と一緒に住んでいた家を追...
「訴えられる…」女装子の妻に“レズビアン”関係がバレる? 不倫の終わりは略奪か、それとも #3
 菜々美さん(28歳ホステス/独身)はアフターで連れて行ってもらった女装バーで、女装が趣味の直樹さん(43歳エンターテイ...
蒼井凜花 2025-05-30 06:00 ラブ
梅宮アンナは大病を経験した“しびれ仲間”と再婚…「いたわり婚」がブームの予感
 梅宮アンナさんが52歳で電撃再婚されました。お相手とは出会って10日、乳がんの診断を受けたことを公表し、現在も治療を続...
内藤みか 2025-05-29 06:00 ラブ
早めに逃げて! モラハラ夫、3つの常套句。卑劣な行為は母親の影響か?
 倫理・道徳に反した嫌がらせを繰り返し、相手を精神的に追い詰める「モラハラ夫」。周囲から見れば「おかしい」と気が付くのに...
恋バナ調査隊 2025-05-29 06:00 ラブ
「対岸の家事」に共感。それでも私が“専業主婦”を選んだ3つの理由
 夫婦共働きが当たり前になってきている今の時代に、あえて専業主婦を選択する女性もいます。セレブならいざ知らず、物価高のご...
恋バナ調査隊 2025-05-29 06:00 ラブ
今すぐ離れて! 自己中男があなたから搾取する6つのこと。お金より大事なものを失うかも
 恋愛は人生を豊かにする要素の1つであるはず。マイナスになるような恋愛はしたくありませんよね。だとしたら、これら6タイプ...
恋バナ調査隊 2025-05-28 06:00 ラブ
なぜ? 親友の夫が襲来…彼女の「裏の顔」に愕然。まさか私が“使われてた”なんて!
 著名人が不倫で活動自粛するというニュースが相次ぐ昨今。そのせいか日常生活で「不倫」という言葉を聞くことが増えたと感じて...
彼とのスキンシップが面倒。性欲が低いのはおかしいですか?(46歳・会社員)
 46歳・会社員の婚活女性です。好きな人が相手でもスキンシップを取るのが面倒くさく感じてしまいます。同世代の元彼とも仲は...
植草美幸 2025-05-26 06:00 ラブ
ぎゃー! 初対面デート、相手がタイプじゃない…どうする? 5つの対処法
 素敵な男性と出会えるチャンスが潜んでいる、マッチングアプリ。マッチングアプリで恋愛成就させる人も増えている一方で、初デ...
恋バナ調査隊 2025-05-26 06:00 ラブ
【男女別】結婚の理想と現実をガチ告白。思ってたんとちがーう!
 あなたは結婚に対してどのような理想を持っているでしょうか? 理想の結婚生活を求めて婚活している人もいるでしょう。  ...
恋バナ調査隊 2025-05-25 06:00 ラブ
「妻は不倫報道のたびにギャーギャーと…」浮気を罪悪感ゼロで繰り返す47歳男性の主張。慰謝料は高い恋愛代?
「冷酷と激情のあいだvol.247〜女性編〜」では、何度も浮気を繰り返す夫・ツヨシさん(仮名)と、離婚をしたくても経済的...
並木まき 2025-05-24 06:00 ラブ
夫の浮気は6回、女性からDMも…芸能人の不倫報道のように「制裁を下したい」と願う40歳主婦の苦しみ
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-05-24 06:00 ラブ