平手友梨奈ソロは櫻坂46を守る!? 意味深な歌詞を紐解く

こじらぶ ライター
更新日:2020-12-19 06:00
投稿日:2020-12-19 06:00

“笑わないアイドル”に縛られる必要はない

 欅坂46のパブリックイメージにはあまりなかったこうした楽曲は、センターを務めるメンバーの心を蝕むようなものとは対極にあり、MVでは参加する全メンバーの笑顔やいきいきとした表情が多く見られる。櫻坂46のファンもその様子を見て嬉しく感じているようだ(筆者もその一人)。

“笑わないアイドル”などというレッテルにもう縛られる必要はない。櫻坂46はグループカラーの“何色にも染まっていない(逆をいえば何色にも染まれる)白”を体現するような振り幅の広い1stシングルで新しい坂を上り始めた。

 一方で、楽曲の主人公の孤独や葛藤をえぐり出し、心の叫びに昇華させ、同じような気持ちを抱える人々に寄り添おうとした欅坂46。そのやり方は多くの人々の共感を呼んだ一方で平手という犠牲者を出した。それでも脱退後、女優業などに打ち込みながらつかの間の休息を経て、欅坂46の延長線上にあるような世界観を楽曲の主人公そのものであった平手が請け負ったようにも思える。『何度だって踊るよ 倒れても構わない』と、平手はもう一度立ち上がった。

「別に背負ってた荷物は下りやしなかった」

 ここまでの「ダンスの理由」歌詞引用部についてはあくまで筆者の解釈だ。また歌詞全体を俯瞰で見れば、孤独に苦しむ多くの人々に寄り添うものになっている。ただ、自身が抜けたグループについて平手が強く思いを寄せていることは間違いない。

 平手は今年8月に発売された「ROCKIN'ON JAPAN」(2020年10月号)で、「『欅やめて、背負ってた荷物は下ろせましたか?』とか、『ひとりになってから、だいぶラクなんじゃない?』って言われるんですけど」「別に背負ってた荷物は下りやしなかった。で、今もしてない」と語っていた。当時、欅坂46は改名が決まりラストライブを控えていた頃。自分が抜けた後のグループについても、まだ強く責任を感じたままのようだった。

2期生の涙が平手の心を揺れ動かした

 何より、欅坂46脱退を決めていた昨年末のNHK紅白歌合戦後、平手が最も心残りで後ろ髪を引かれていたのは、まだ活動歴の浅い18年加入の2期生の存在だった。

 欅坂46のドキュメンタリー映画でも明かされているが、同期の1期生たちは随分前に本人から話もあったため、ある程度心構えができていたようだ。

 だが何も知らされていなかった2期生にとってはあまりに突然の別れで、平手と親友のように近しくなっていた田村保乃(22)の驚きと号泣や、彼女を抱きしめて慰める平手の姿がカメラに捉えられていた。そんな2期生の涙ながらの引き留めが、グループ脱退発表まで平手の心を揺れ動かした。実際に脱退してからも、前述の「ROCKIN'ON JAPAN」にあるように彼女たちのことをずっと気にかけていたことだろう。

 欅坂46から改名後、中心にその2期生が据えられることとなった櫻坂46を平手が応援していないはずがない。歩む道は違えど櫻坂46の成功を切に願いエールを送っているだろう。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


スズ子と愛助の恋路を妨害! メッセンジャー黒田のメッセンジャーぶり
 愛助(水上恒司)と坂口(黒田有)の話を聞いたスズ子(趣里)は、耐えきれずに部屋に押し入る。  ここで話をつけよう...
桧山珠美 2023-12-18 14:45 エンタメ
渡辺翔太が国宝級イケメンランキング初V!Snow Manはめめだけじゃない
 恒例の「ViVi国宝級イケメンランキング 2023年下半期」が発表されました。  NOW部門1位は、八木勇征(2...
スズ子と愛助「年の差恋愛」に障害…おでん屋台店主・伝蔵の台詞に注目
 愛助(水上恒司)から「恋人になってください」と言われ、スズ子(趣里)は「ちょっと考えさせてほしい」と答える。それ以来、...
桧山珠美 2023-12-16 06:00 エンタメ
手越祐也ポジティブのカラクリ、新曲は微妙も「アイドル」カバーはバズる
 ジャニーズ時代はNEWSに所属し、バラエティー番組でも活躍した手越祐也。退所後は“辞めジャニ”として主戦場をYouTu...
堺屋大地 2023-12-15 06:00 エンタメ
押しかけ暴走気味の愛助(水上恒司)とスズ子の恋もいよいよ
 神戸への巡業の帰り、スズ子(趣里)は久しぶりにはな湯を訪ねる。懐かしい常連客の面々に迎えられ、昔のように庭で話をする。...
桧山珠美 2023-12-13 14:25 エンタメ
水上恒司君臨!デビュー作「中学聖日記」から5年経っても年上好き♡
 昭和18年、アメリカとの戦争に終わりが見えない中、「福来スズ子とその楽団」は地方巡業を重ねていた。  スズ子(趣...
桧山珠美 2023-12-11 15:50 エンタメ
松下洸平は“最弱の目力”が魅力!ネトラレ役が似合う、時代が生んだスター
 松下洸平(36)の主成分は優しさです。現在、出演しているドラマ「いちばんすきな花」(フジテレビ系)を見ていてしみじみそ...
茨田りつ子がまさかの前座!? 「大空の弟」を歌いこなす趣里の表現力
 羽鳥善一(草彅剛)が企画した合同コンサートは、ブルースの女王・茨田りつ子(菊地凛子)とスウィングの女王・福来スズ子(趣...
桧山珠美 2023-12-07 14:30 エンタメ
「大空の弟」は聞き物、りつ子“むっつり顔”のチラシにNHKの芸の細かさ
 弟が戦死してスズ子(趣里)が落ち込んでいるのではないかと心配した羽鳥善一(草彅剛)は、食事でもしようとスズ子を自宅に誘...
桧山珠美 2023-12-06 15:20 エンタメ
「一、二、三、四、五」揃った楽団員名、余計に六郎の不在が際立つ
 役場の職員が梅吉(柳葉敏郎)の元を訪れて届けた報せには、六郎(黒崎煌代)が戦死したと記載されていた。  しばらく...
桧山珠美 2023-12-05 14:00 エンタメ
松嶋菜々子の誇らしげな語りに納得…イケオジ反町隆史を保持するお手柄感
「男の美しさは、肌に出る。」――資生堂「SHISEIDO MEN」のCMに出演する松嶋菜々子&反町隆史夫妻が話題です。 ...
櫻坂46異例の韓国人気賞1位!紅白復活&史上最多動員、大逆転なぜ起きた
 櫻坂46が11月25日および26日、千葉・ZOZOマリンスタジアムで「3rd YEAR ANNIVERSARY LIV...
こじらぶ 2023-12-02 06:00 エンタメ
歌わない福来スズ子はただの人…からの脱却!らしさ炸裂のパクった楽団名
 楽団が解散して数週間、スズ子(趣里)は何をするでもなく日がな一日を過ごしていた。そんな時、スズ子は大阪に戻ってこないか...
桧山珠美 2023-12-01 14:00 エンタメ
茨田りつ子の覚悟、ラスト3分の急展開!弟子入り志願者の名に一抹の不安
 警察から解放されたスズ子(趣里)は、三尺四方の中だけで自分の歌を表現するのは難しいと悩んでいた。  警察署で自身...
桧山珠美 2023-11-28 15:27 エンタメ
日中戦争の影響じわり、スズ子が「カカシみたいなワテ」になった
 スズ子(趣里)と梅吉(柳葉敏郎)が東京で一緒に暮らし始めて1年、梅吉は何をするわけでもなく酒を飲むだけの毎日を過ごして...
桧山珠美 2023-11-27 15:10 エンタメ
羽生結弦を癒すのはプーさん…自由に恋愛もできないなんて気の毒過ぎる
 羽生結弦にはまったく驚かされてばかりです。  今年、8月4日に電撃婚を発表したときも、ビックリでしたが、そのわず...