素人が失敗しがちな焼き加減のコツは…?
「幽庵焼き」と聞くと本格的な和食で、素人が作るにはハードルが高いように感じてしまいます。でも、実際は漬け汁に浸してから焼くだけで、拍子抜けするほど簡単! それでいて、熱いままでも冷ましてからでもおいしい。ゆずの香りが爽やかに鼻に抜ける逸品です。
「ゆずを使うことで風味がプラスされるとともに、調味料の角も取れて丸くなります。ゆずがなければ、かぼす、すだち、レモンでも構いません。店では大きめのイワシを使っていますが、メロや甘ダイなどの高級魚やサンマの開きなども合います。意外なところでは、干した塩サバもおいしいですよ」
素人とプロで差が出るのは焼きの加減でしょう。
素人は焦げるのを恐れて弱火にしがちですが、ここは強火でさっと焼く。表面の色が変わったらひっくり返し、同じように焼けば完成です。
「お酒だけでなくご飯にも合いますし、弁当に入れてもいいと思います」
材料
・イワシ ・料理酒
・みりん ・醤油
・ゆず
レシピ
(1)料理酒、みりん、醤油を1対1対1で合わせてから適量のゆずを加え、漬け汁をつくる
(2)身を開き、ざっくりと骨を取ったイワシを1でヒタヒタにし、20分間漬けておく
(3)2の汁気を切り、両面を焼けば出来上がり
本日のダンツマ達人…永井玲央也さん
▽永井玲央也(ながい・れおや)
1983(昭和58)年、東京都足立区生まれ。小学生の頃から親の手ほどきを受けて台所に立ち、専門学校を卒業後に料理の世界へ。銀座の「鮨 辰巳」で17年間、みっちりと修業した。丁寧な仕事と穏やかな語り口で客を魅了する。
▽すしれい
2020年12月にオープン。骨董通りからすぐの好立地にありながら、通常コースは1万6500円(税込み)と財布に優しい。旬の野菜や蒸し物、焼き物など8~9品の料理に10貫ほどの握り、いなり、お椀、茶碗蒸しなど充実した内容で、日本酒などのペアリングも追加料金は不要だ。旬の高級食材を取り入れた2万2000円(同、ペアリング込み)のコースも用意されている。東京都港区南青山5―8―11 萬楽庵ビルⅠ B1。
(日刊ゲンダイ2021年5月28日付記事を再編集)
フード 新着一覧