松潤・キムタク・ニノ…主演作の明暗、私生活切売りがアダ?

こじらぶ ライター
更新日:2022-06-01 12:36
投稿日:2022-04-23 06:00

テレ朝木曜ドラマ枠は連続でジャニーズ主演

「ドクターX~外科医・大門未知子~」など数々の人気作を生み出してきたテレビ朝日の木曜ドラマが2クール連続で苦戦している。それも、今年1月期は嵐の松本潤(38)を、4月期からは天下の木村拓哉(49)を主演に据え、豪華キャストで盤石の体制をとったにもかかわらず、だ。

 松本が主演を務めた「となりのチカラ」は、人間愛にあふれながらも、何をしても中途半端な主人公・中越チカラが、同じマンションの住人の悩みを解決していく社会派ホームコメディだった。初回と第2話までは話題性もあり世帯視聴率10%超えを記録したが、以降は一桁が続き、全話平均視聴率は9%台に留まった。

 もちろん、視聴率の低迷は松本だけのせいではない。家庭内暴力、ヤングケアラー、外国人就労といった難題を、おせっかいなチカラがありえないくらい首を突っ込んで、なぜか分からないけど次々と解決できてしまう雑な展開で、脚本も大いにその原因になっただろう。

「王子様顔」すぎて似合わなった

 ただ、“冴えない夫であり2児の父”という役どころが、どうしても「王子様顔」すぎる松本には似合わなかった。問題はビジュアルだけでなく、間の悪いことにドラマ放送を前にした先の年末年始、トーク番組で松本は「独身貴族・嵐の松本潤」をこれでもかと披露してしまっていた。結婚は現状ないと言い切りつつ、主演映画の公開など仕事はいたって順調で充実しているようだった。

 過半数が既婚者となった嵐の中で、バランサーとして、あえて独身であることを強調したのかもしれないが、ともかく、私生活をオープンにしたその姿が焼き付いたままドラマが始まってしまったため、“妻に罵られ、子供に馬鹿にされるなさけないチカラ”が全く馴染まず、“カッコいい松潤”からの脱却とはならなかった。

 今月14日からは、同じ放送枠で木村主演の「未来への10カウント」がスタートした。かつてアマチュアボクサーとして輝かしい成功を収めながら、度重なる不運に見舞われ生きる希望を失った主人公・桐沢祥吾が、廃部寸前の母校のボクシング部のコーチを引き受け、熱い気持ちを取り戻す姿を描くスポ根ものだ。

「カッコいいキムタク」“孤独なボクサー”役でもチラつくファミリーの顔

 放送前に多くの視聴者が予想した通り、最初は哀愁漂っていたキムタクが、なんだかんだ拳ひとつで次々と相手を打ち負かし、“カッコいいキムタク”になっていった。初回平均世帯視聴率は11.8%、第2話が10.5%(いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)で、キムタクドラマとしては低調なスタートであり、全話平均一桁となった「となりのチカラ」の初回及び第2話とトントンだった。

 こちらもその数字すべてが木村だけのせいではない。“王道スポ根”といえば聞こえはいいが、どこかで見たような、既視感満載のありきたりなストーリー展開で、むしろキムタクドラマでなければ途中離脱した、という視聴者も多かったのではないか。

 ただ、主人公・桐沢に感情移入できないのは、やはり木村も私生活をオープンにしすぎているからではないだろうか。桐沢は妻を亡くしており、久しぶりに再会した恩師に「家族はいません、独り者です」「(結婚は)1度…しましたけど」と悲愴感ありげに話すシーンがあった。だが、どうしても浮かんでしまう。とっても仲良しの、妻と、2人の娘が、私生活を滲ませるSNSの投稿を頻回にあげていることが。

ドラマ終了後に「happy birthday!」

 またこのドラマ初回放送日がちょうど妻の誕生日で、放送終了後には、木村が自身のSNSで「happy birthday!」とお祝いのメッセージを公開したため、ファンが余韻に浸ることが出来ず「興醒めした」なんてことも報じられていた。役者が私生活をオープンにしてはいけないわけではないが、松本にしろ木村にしろ、タイミングが少し悪かったかもしれない。

「未来への10カウント」自体は、タイトル通りのサクセスストーリーが予想されるため、陰鬱な展開がひたすら続いた「となりのチカラ」よりは継続視聴しやすいだろう。

 一方で、私生活のおかげで役に説得力を持たせることに成功しているのが二宮和也(38)だ。主演を務める日曜劇場「マイファミリー」(TBS系)は今月10日に放送された初回が平均世帯視聴率12.6%、第2話も12.8%と微増し好調を維持している。また数字以上に、二宮と妻役の多部未華子(33)の演技が凄い、と話題になっている。

二宮&多部コンビの圧倒的演技力

 同作は、オンラインゲーム会社社長である主人公・鳴沢温人と妻・未知留が、小学生の娘を誘拐され、身代金5億円を要求されるところから始まる。直面する数々の試練によって、家族の絆が試されていくノンストップファミリーエンターテインメントだ。

 二宮は嵐で最初に既婚者となり、昨年3月には第一子が誕生している。現役の国民的アイドルグループの一員だっただけに、祝福の声ばかりではなかったが、ついにその私生活が仕事に活かされる時が来たといえるだろう。

 ただ、二宮も多部も既婚で子供もいるが、容姿はどちらも若々しく、あまり父親、母親というイメージはなかった。そのため、最初は娘を誘拐された両親という設定に違和感を覚える視聴者も多かった。だが、物語が進むにつれ風向きが変わる。

 娘を救いたい一心で犯人からの無謀な要求に必死に喰らいついていき、目を赤くし声を震わせ娘への想いを語る温人と未知留。2人は仮面夫婦であったが、娘を救うという共通の目的のためにそのことを忘れ、気が付いたら互いの手を握りしめていた。

「アイドルの枠を超えている」

 ネット上では、この絶妙に微妙な夫婦の距離感は、2人の演技力があってこそ醸し出せるものだと多くの視聴者が胸を打たれている。また「二宮の演技はアイドルの枠を超えている」といった声もあがっている。

 ドラマの好調はスピード感があり先が読めないストーリーに支えられているのは間違いないが、夫であり父となった二宮の突き抜けた演技力も絶対に無くてはならないものだろう。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


広末涼子は時速185kmでの大事故も「危険運転致傷罪」適用されず…弁護士は「これを問わずして何を問う」と憤り
「ボーッとしていた。一瞬考え事をしたら、ぶつかってしまった」  俳優の広末涼子(45)は4月に新東名高速道路で起こした...
2025-11-15 17:03 エンタメ
元ジュディマリYUKIに重盛さと美、吉永小百合まで…輝き続ける「美魔女」の“若さ”には意外な共通点が
 元「JUDY AND MARY」のボーカルで歌手のYUKI(53)、タレントの重盛さと美(37)がその若々しさでSNS...
2025-11-15 17:03 エンタメ
資生堂は今期520億円の大赤字! 評判イマイチ古川琴音「マキアージュ」CMと業績不振の関係は?
 資生堂は11月10日、2025年12月期の連結純損益予想(国際会計基準)を520億円の赤字に下方修正し、前期の108億...
2025-11-15 17:03 エンタメ
今年のNHK紅白はアイドルフェス! 初出場のFRUITS ZIPPERにCANDY TUNEって?
 大晦日に放送される「第76回NHK紅白歌合戦」の出場者が11月14日に発表され、初出場者が登場する記者会見も開かれた。...
2025-11-15 17:03 エンタメ
福士蒼汰もメロメロで気になる関係は? 芸歴20年の福原遥の抜群の同性受けと評判
 俳優の福士蒼汰(32)、福原遥(27)がダブル主演を務める映画「楓」(行定勲監督、12月19日公開)のジャパンプレミア...
2025-11-15 17:03 エンタメ
紅白初出場ちゃんみな ルッキズムと戦った壮絶過去と若者の絶大支持を集めた「ノノガ」の大成功
 NHKは11月14日、東京・渋谷の同局で大みそかの「第76回NHK紅白歌合戦」の出場歌手発表会見を行い、初出場のアーテ...
2025-11-15 17:03 エンタメ
『ばけばけ』髙石あかりと池脇千鶴の熱演に唸った。「体を売ってもいいと」に込めた複雑な感情
 家族にヘブン(トミー・バストウ)の女中であることが知られてしまったトキ(髙石あかり)。さらに司之介(岡部たかし)、フミ...
桧山珠美 2025-11-15 10:00 エンタメ
【ブルーボーイ事件】性転換手術の医師をさばいた60年前の実話。その判決は?
【孤独のキネマ】  ブルーボーイ事件   (配給:日活/KDDI)全国公開中   ◇  ◇  ◇  筆者は日刊ゲン...
2025-11-14 17:03 エンタメ
放送40周年『アッコにおまかせ』が終了しますが、長寿番組の止め時はどうやって判断していますか?
【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】  そうなんですよね…「いよいよ」って感じですよね。これは以前にも別のところに書...
2025-11-14 17:03 エンタメ
昭和100年という節目に終焉した仲代達矢の軌跡 「影武者」代役出演時の勝新太郎との確執
 11月8日、俳優の仲代達矢が肺炎のため、92歳で亡くなった。これで第2次世界大戦後、日本映画に黄金時代を築いた三船敏郎...
2025-11-14 17:03 エンタメ
「DOWNTOWN+」50万人登録は個人視聴率0.43%に相当 新プラットフォームの今後を占う
 11月1日にスタートした、有料動画配信サービス「DOWNTOWN+」(ダウンタウンプラス)の加入者が50万人を突破した...
2025-11-14 17:03 エンタメ
森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり
 森七菜(24=写真)、完全に追い風に乗ったようだ。現在は岡山天音(31)主演のNHK夜ドラ「ひらやすみ」(月~木曜夜1...
2025-11-13 17:03 エンタメ
Perfumeあ~ちゃんの結婚発表とこれまで封印してきた3人のマル秘私生活…残る2人も続いてゴールイン?
 3人組テクノポップユニット「Perfume(パフューム)」のあ~ちゃん(36)が11月11日に自身のインスタグラムで一...
2025-11-13 17:03 エンタメ
FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?
 フジテレビは、嵐の相葉雅紀(42)が司会を務める音楽の祭典「2025 FNS歌謡祭」を、12月3日と10日の2週連続で...
2025-11-13 17:03 エンタメ
福山雅治の「不適切会合問題」で紅白に地殻変動が? “やらかし”がPerfume「トリor大トリ」誘発の可能性アリ
 今年も残すところ2カ月弱。ぼちぼち「紅白内定!」なんてニュースが出始めているが、例年通りの「当確」に注目が集まった人物...
2025-11-13 17:03 エンタメ
「抱きたいでしょ!」名場面が誕生!? これぞ『ばけばけ』、シリアスとコミカルの絶妙な塩梅が最高
 物乞いとなったタエ(北川景子)の前に記者の梶谷(岩崎う大)が取材をしたいと現れる。三之丞(板垣李光人)はタエを守るため...
桧山珠美 2025-11-13 13:05 エンタメ