さよなら子宮! 妊娠云々ではなく死ぬか生きるかを選択する

コクリコ 編集者
更新日:2019-09-19 06:16
投稿日:2019-06-11 06:00

「残念だけど子宮は残せない」

国立がん研究センターがん対策情報センターの子宮頸がんパンフレット等を基にして作成(C)コクハク
国立がん研究センターがん対策情報センターの子宮頸がんパンフレット等を基にして作成 (C)コクハク

 子宮頸がんはそれらの状態によって前がん状態のステージ0、ステージⅠA1、ⅠA2、ⅠB1、ⅠB2、ⅡA、ⅡB……と進んでいき、転移があるとⅢを超えます。18㎜はステージⅠB1です。

 ステージが進むごとに、手術の規模はどんどん大きくなり、円錐切除(子宮頸部を円錐状に繰り抜く)、単純子宮全摘出術(子宮だけを摘出)、広汎子宮全摘出術(子宮、腟、基靭帯(排尿神経を含む)を広く切除し、骨盤リンパ節も郭清)となります【上記の図版参照】。残念ながらステージⅢ以上になると、手術ができないこともあります。

先生「そうか、じゃあ腺がんが出てるっていうことと、腺がんが悪性度が高いのも分かってるよね?」

私「はい」

先生「残念だけど子宮は残せない。腺がんは、普通のがんと違って飛んでいくがんなの。ジャンプする。がんの大きさが小さくても、たとえば1㎝未満だったとしてもリンパまで飛んでしまっていることがあってね。もちろん卵巣にも。卵巣はねぇ、転移しちゃうとそこからがんが広がりがちなの。だから残せないな。卵巣も含む広汎子宮全摘出術になります」

私「はい……」

先生「そうなるともうこの先、妊娠することはできません。お母さん、残念だけど、もうお孫さんもできません」

 先生は私だけでなく、母にも話しかけます。

母「大丈夫です、もう1人娘がいて、そこにもう孫がいるんですよ~。それより娘を助けてくださいね」

先生「42歳か……。妊娠できなくはないけど、妊娠もそう簡単じゃない年齢だね。その可能性を残すよりも、この先、自分が生きることを考えよう」

コクリコ
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実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

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