満島ひかりや二階堂ふみの出世作を監督…園子温氏が性加害疑惑に潔白主張も…作品は今後どうなるのか
「もう一度映画を撮れるようになりたい」
27日にこう語ったのが、記者会見を開いた映画監督の園子温氏(63)。22年4月に女性週刊誌で性加害疑惑を報じられた園氏は、同年5月に週刊誌報道に「事実と異なる点が多々ある」という声明を発表し、出版社を提訴。だが、23年12月にWeb記事の全文削除で両者は和解している。会見ではその理由について「一刻も早く裁判を終えて、監督業に戻りたかった」と話しているが、現在まで疑惑が晴れることなく「基本的には仕事がぜんぜんできていない」と苦しい状況を訴えた。
とはいえ、園氏を巡ってはほかにも、22年に俳優の松崎悠希(43)が自身のXで、《園氏がワークショップで知り合った女優に性的行為を要求した》という内容を投稿し、物議を醸している。園氏は名誉を傷つけられたとして損害賠償などを求めて提訴し、今月16日には名誉毀損の一部を認める判決が出たが、本人は納得いかないようだ。
「裁判所の判決文では、園監督が『複数の女優に対して性的行為を要求する文面のメッセージを送信』『性的な関係を有した女優を映画に出演させていた』ことは真実であると認定しています。会見で園監督は、裁判所の認定は《主文ではなく、後書き、感想文みたいなところ》と独自の見解で"潔白"を主張。この後書きを不名誉として、控訴を考えていると明かしましたが、今回の会見が世間の支持を得られるかというと厳しい印象です」(スポーツ紙芸能記者)
■満島ひかりに二階堂ふみ、清野菜名の出世作も
そんな中で気になるのは、園氏が手掛けてきた作品の数々だ。吹石一恵主演の映画「紀子の食卓」(06年)、西島隆弘主演の「愛のむきだし」(09年)や水野美紀主演の「恋の罪」(11年)、染谷将太と二階堂ふみ主演の「ヒミズ」(12年)、鈴木亮平主演の「TOKYO TRIBE」(14年)などをはじめ、人気俳優らの出世作にかかわっている。
「『紀子の食卓』ではデビュー直後の吉高由里子も起用されてますし、満島ひかりは『愛のむきだし』で演技力が認められ、海外の映画祭で最優秀女優賞ほか複数の賞を受賞しています。また、園監督といえば実際の事件をオマージュしたエロ・グロ・暴力を描いた作品も多くファンから支持されていました。水野は全裸の演技が話題になり、『TOKYO TRIBE』に出演した清野菜名もバストトップの体当たり演技が現在の主演女優への足掛かりになっている。ただ、こうした主演俳優や女優らは誰も園監督について言及していない」(映画配給会社関係者)
園氏に限らず、映画業界では数年前から性加害問題が報じられ、複数の監督が出演者などから告発されている。それによって、問題が起こった監督作品は今後見られなくなる可能性もあるという。
今年6月公開予定だった映画『時には懺悔を』は、監督の中島哲也氏が14年の映画『渇き。』に出演した元女優から性加害の告発をされたことから批判が相次ぐ事態に。現在は調査中として、公開は26年に延期されている。
「22年に性加害が報じられた榊英雄監督の場合、同年公開予定だった映画『蜜月』と『ハザードランプ』は公開中止に。榊氏の作品は大森南朋主演の話題作『捨てがたき人々』など現在配信サイトでも見られない状況。全作品ではありませんが、濡れ場があったり、告発された作品はやはり"お蔵入り"になっています。園監督の作品は現在配信サイトなどで見られますが、昨年末のNHK紅白歌合戦では園監督の映画『地獄でなぜ悪い』の同名楽曲を歌うはずの星野源に"二次加害"の批判が殺到し変更になっています。園監督の疑いが晴れるまでは、地上波での放送などは厳しいのではないでしょうか」(前出の関係者)
作品に罪はないが……。
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映画での濡れ場の演技にはとにかく慎重さが求められる。関連記事【こちらも読む】奈緒主演映画でインティマシー・コーディネーター起用却下が物議炎上…旧態依然の映画業界は変われるのか…では、日本映画界が抱える問題について伝えている。
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