北川景子が味わった二度の挫折 仕事の間にロケバス内の猛勉強で明治大商学部に合格した努力家
【あの有名人の意外な学歴】#5
北川景子(女優/38歳)
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「頭がいいのはもちろんだが、ものすごい努力家」
現在、「あなたを奪ったその日から」(フジテレビ系)で主役を務める北川景子(38)をこう評するのは映画プロモーター。ネーティブが近くにいる環境で育ったタレントを別にすれば、英会話の実力は芸能界でもピカイチといわれる。米カーアクション映画「ワイルド・スピードX3」に出演した時のことだ。流暢な英語を話していたが、自身の日本人特有のアクセントが気になりだした。明治大商学部1年の北川は撮影が終わると、ロサンゼルスで2カ月間のホームステイを体験。英語に磨きをかけた。
「徹底した完璧主義者なんです。自分に妥協を許さず、何事にも全力投球する。DAIGO氏と結婚してからは関西人らしいおちゃめな面を見せるようになったが、以前は人を寄せつけない雰囲気があった」(芸能関係者)
そんな北川も挫折を何度か味わっている。1度目は中学受験の時。第1志望に合格できなかった。とはいえ、彼女が入ったミッション系の大阪女学院も非常にレベルの高い中高一貫校だ。高校に進学すると2度目の挫折に襲われた。理系コースに入り、国立大を目指していたが、成績が思うように上がらない。模試でもA判定がなかなか出なくなった。
■仕事急増で通信制のクラーク記念国際高校に転校
思い悩んでいた頃、地元の神戸市の街を歩いていると、芸能事務所のスカウトから声をかけられた。高校2年の時だった。このまま机に向かっていても成績は上がりそうにない。気分転換に事務所に行き、レッスンを受けると、わずか1週間後にティーン誌の専属モデル、さらにドラマ「美少女戦士セーラームーン」(TBS系)の出演が決まった。
「事務所に所属する際、大学に入ってちゃんと卒業すると両親と約束している。しかし、仕事のたびに上京していたら受験どころではなくなる。高校3年になると東京に引っ越し、通信制のクラーク記念国際高校に転校するんです」(芸能記者)
神戸と東京を行ったり来たりする手間は省けたが、受験勉強に没頭する時間を確保するのは大変だった。セーラームーンは1回の放送が30分で全49回。長期にわたった。早朝にロケ地に向かう日々が高3の夏まで続いた。勉強する場所はロケバスの中しかなかった。撮影の合間を見つけて、オープンキャンパスにも足を運んだ。そして、しっくりきたのが明治大だった。地味な校風に好感を覚えた。政治経済学部か商学部かで迷っていたが、マーケティングの勉強ができることに魅力を感じ、後者に決めた。
「偏差値的には一般入試でも合格できる実力はあった」(前出の記者)といわれる北川だが、結局AO入試(現総合型選抜)での合格を目指した。「北川さんが入学した(05年度)前後から明治大の志願者数が右肩上がりで増え、AO入試のハードルも高くなっていた」と同大の教授は話す。
商学部に無事合格したものの、最初のうちは苦難の連続だった。今や大女優の風格も備わった北川だが、受けるオーディションはことごとく落選した。その数は100回にも及んだという。
(田中幾太郎/ジャーナリスト)
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