ヘルスリテラシーの“1日1万歩”は達成以上に「習慣」が大事

内埜さくら 恋愛コラムニスト
更新日:2019-11-17 20:29
投稿日:2019-11-14 06:00

ノルマが達成できなかった場合の対処法は?

――そのノルマをクリアできない日があったら、どうしたらいいでしょうか。

中村医師 ヘルスリテラシーの考え方では、歩くことは行動の習慣づけのための行為です。無理をせず、自分ができる範囲内のできることを毎日、実践しましょう。たとえば5階建てのマンションの5階に住んでいたとしたら、4階まではエレベーターで上って1階分だけ階段を使ってみる。今日は余裕があるから3階で降りて階段で上がる。そういった些細な行動から始めてもいいのです。成功体験を積むことで、次につながるトライができるようになります。

――では、歩くメリットと、歩かないデメリットを教えてください。

中村医師 歩くという有酸素運動は血糖値を下げ、「糖化反応」を抑制します。糖化反応とは、食事などで摂取した余分な糖分が筋肉やコラーゲンなどのたんぱく質と結びつき、細胞などを劣化させることです。血糖値が上がりやすい食事をしていたり、歩かない生活を続けていると、糖化がどんどん進みます。

 糖化によって生産されるAGE(糖化最終生成物)は、肌や内臓などの組織に働きかけ、シミやシワだけではなく、白内障、動脈硬化、アルツハイマー病などの原因になるといわれています。

「幸せホルモン」を増やす!

 歩くこと自体が腸を動かす原動力となり、腸の働きを活発にして「腸内環境」を整えます。

 腸は“第二の脳”と呼ばれるほど神経が多く通っている臓器です。幸せホルモンといわれているセロトニンを増やす「腸活」でもクローズアップされています。

 腸内細菌は大まかに「善玉菌」と「悪玉菌」に分かれます。悪玉菌が増えて腸内細菌のバランスが崩れると、悪玉菌が生成するアンモニア、硫化水素、アミン、フェノールなどの物質が腸を傷つけるだけではなく、一部は吸収されて肝臓、腎臓、心臓、脳などにも障害を与えます。肌や髪、疲れやすさにもダイレクトに影響するのです。

 一般的に女性は、50歳をすぎた頃から筋肉量の低下を実感し始めるといわれています。歩く習慣がないと、未来の自分にリスクを背負わせるということです。50歳といえば、閉経の平均年齢にあたります。更年期障害の症状が出る、骨粗しょう症が進むなどの不調も出やすくなります。加えて筋肉量が低下すると、貧血や筋萎縮性側索硬化症などを発症する可能性も高まるといわれています。女性にとってつらい時期に筋肉量の低下による弊害を防ぐためにも、今日からでも歩くことを意識してみてください。
***
 次回は、ヘルスリテラシーを実行できなかった時の正しいリスクヘッジ方法について紹介します。

なかむら・やすひろ▽医師。顧問ドクター。アメリカ公衆衛生学修士。関西医科大学卒業後、虎の門病院で勤務。病気発症予防・増悪予防の必要性を痛感し、米ニューヨークへ留学。現地クリニックで予防医療の最前線を学びながら、大学院で公衆衛生修士号を修得。帰国後は、日本初のアメリカ抗加齢学会施設認定を受けた「虎の門中村康宏クリニック」を開業し、院長を務め、未病治療・健康増進のための医療を提供。著書は「HEALTH LITERACY NYセレブたちがパフォーマンスを最大に上げるためにやっていること」(主婦の友社)他、共書も多数。

内埜さくら
記事一覧
恋愛コラムニスト
これまでのインタビュー人数は3500人以上。無料の恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い(現在休止中。準備中のため近日中にブログにて開始を告知予定)。恋愛コメンテーターとして「ZIP!」(日本テレビ系)、「スッキリ」(同)、「バラいろダンディ」(MX-TV)、「5時に夢中!」(同)などのテレビやラジオ、雑誌に多数出演。

URL: https://ameblo.jp/sakura-ment

ライフスタイル 新着一覧


あれ、蚊が寄ってこない? 虫も避ける“中年おばさん”の血…私の身体はそんなに「不味い」のか
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
仮装するって言ったじゃ~ん! ママ友にハメられた? ハロウィン行事のトラブル4選
 時期的に、ママ友とのハロウィン行事に参加しようとしている人もいるでしょう。でも、ママ友とのトラブルには気をつけて! ち...
夫は“推し”を支えるスポンサー? 私が「推し活」にハマれなかった理由。現実逃避もいいけれど
 最近、アイドルやお笑い芸人、アーティストなどの推し活に夢中な友人を見ていると、みんなキラキラした目をしていて、完全に“...
「自炊キャンセル界隈」だけど何か? 私の“ラクする”方法6選。紙皿、紙コップで十分でしょ!
「自炊キャンセル界隈」という言葉、SNSなどで見かけたことはありませんか? この言葉には、「自炊を頑張る余力のない人たち...
ドラマみたい! 葬儀に愛人が次々登場…身内に仰天した非常識エピソード。泥酔して全裸になる義父も
 非常識な人を見ると「あんな風にはなりたくないな」と距離を置いたりするものですが、非常識なのが義両親や親戚となると話は別...
可愛いのは“実の娘”の子どもだけ…義母からの孫差別に苦悩する妻。なぜ「うちの孫」と言われない?
 幸せなはずの新婚生活に影を落とす、姑との問題。令和の時代でも根強く残る嫁姑トラブルに直面したケースをご紹介します。
やば!電磁波カット、牛乳を顔に…健康と美容オタクのやりすぎLINE6選。もはや異次元?
 いつまでも元気で若々しい魅力を保ちたいと考えている人は多いはず。でも、中にはちょっと暴走気味な“クセ強”キャラも…。 ...
「僕んち来ないか?」って誘ってる? きゅるるん猫の“にゃんたま”に妄想が捗ります♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第105回「サツマイモ祭だーっ」
【連載第105回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽの...
【表現クイズ】「ガラスの天井」以外もあった! 昇進を阻む意味を持つもう1つの「天井」は?(難易度★★★★☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
「お年玉は1万以上で」金額指定すんのかーい! 親戚からの“図々しいLINE”3選。開いた口が塞がらない…
 普段あまり会うことのない親戚や遠い親戚から、図々しいLINEが届いて困惑した経験がある方もいるでしょう。今回はそんなL...
私、変わったと思ったのに…また都合のいい関係!?「成長してない自分」に気付いた瞬間6選
「前よりは大人になったつもり」「昔と比べて変われたはず」そう思っていたのに、ある瞬間「あれ、私、全然変わってない…?」と...
今日は甘やかす日♡ “自分へのご褒美”どうしてる? 女たちの欲望だだ漏れエピ7選
 あなたは、毎日頑張ってる自分にご褒美を与えるとしたらなにをしますか? 今回は、アラフォー女性をターゲットに、自分へのご...
見返り“にゃんたま”の眼差しにズキュン♡白ソックスの王道ポーズにやられた…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
中年女の前髪問題、もう「600円カット」で良くない? “アンガ田中似”美容師の実力はいかほどか
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
“そういうこと”を求められて――芸能界で夢を追う娘からのSOS。頬はこけ、目にはクマ…送り出した母の後悔
 世間を揺るがす芸能界のさまざまな噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。現在は清浄化が行われて...