密室空間にいるとケンカが増える理由と対処法
――なぜパートナーと密室空間に長時間いると、ストレスが溜まったりケンカが増えるのでしょうか?
密室空間に一緒にいることで、必然的にコミュニケーションの量が増えます。パートナーへ思いやりの言葉をかけたり、ハグといったポジティブなコミュニケーションであれば、「オキシトシン」と呼ばれる幸せホルモンが脳内に分泌され、相手に愛情をもって接することができるという好循環を生みます。
オキシトシンはこうした「思いやりの気持ち」を促進させるほか、ストレスや不安を和らげる効果もあると言われており、特に新型コロナウイルスにより社会情勢が不安定な今、大切になってくる愛情ホルモンと言えるでしょう。
しかし、その一方で、パートナーを非難したり、言葉では責めないまでも返事をしなかったりと、相手の気持ちや存在をぞんざいに扱うネガティブなコミュニケーションは、ストレス要因となります。外出制限により、こうしたネガティブなコミュニケーションが密室空間で長時間にわたって行われることは、大きなストレスになります。喧嘩が増える原因にもなるでしょう。
また、ストレスを緩和するオキシトシンは、他者とのあたたかなコミュニケーションのほか、日光を浴びたり、軽い運動をすることによっても分泌されると言われています。外出制限により、友人とごはんを食べに行ったり、散歩やスポーツなどリフレッシュがしにくくなっている現状もまた、夫婦間の関係性を悪化させている一因になっているとも考えられます。
――密室空間で共に過ごしても、夫婦がストレスを溜めない方法や改善策があれば教えてください。
お互いの「オキシトシン」がたくさん分泌するようなポジティブなコミュニケーションを積極的に行うことです。
具体的には「相手を褒める」「ねぎらう」「励ます」「感謝を伝える」といった言語的コミュニケーションのほか、「ハグをする」「手をつなぐ」「マッサージをし合う」といった身体的コミュニケーションも効果的です。
また、夫婦や家族で達成したい目標を作り、ゲーム感覚でチャレンジしてみることも有効でしょう。夫婦や家族といった「集団」で共通の目標を作り、その達成に向けて一丸となり励むことによって、家族メンバーのネガティブな部分に目が行きにくくなるので、結果的に円満な夫婦関係・家族関係を築くのに効果的であると言われています。 ぜひ実践してみてください。
ポイントは「思いやりのコミュニケーション」
コロナ禍による外出自粛中の夫婦間ストレスを乗り越えるポイントは、相手に「思いやりの言葉をかける」「スキンシップをする」ことや、「日光を浴びる」「軽い運動をする」ことで、オキシトシン(幸せホルモン)を分泌させることが大切とのことです。
思いやりのコミュニケーションをとることで、おうち時間を過ごしやすいものにしていきたいですね! 次回も引き続きMiKi先生に「DVと児童虐待」についてのお話をうかがいます。
【MiKiさん プロフィール】
教育機関で働く1児のママ。臨床心理士・公認心理師。筑波大学大学院心理臨床(修士課程修了)。
インスタグラム(https://www.instagram.com/oyakology/)にて心理学・脳科学に基づく子育てメソッドを発信している。
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