花粉症がつらすぎる(涙)Dr.教えて!「正しい花粉症」対策

笹山真琴 ビューティ&ヘルスケアジャーナリスト
更新日:2021-03-02 06:19
投稿日:2021-03-02 06:00

花粉症に負けない身体づくりに食べたいのは

・皮膚や粘膜を丈夫にしておく
・免疫力を高める(腸内環境を整える)
・免疫バランスを整える

 上記3つのポイントを踏まえたうえで、日比野先生がおすすめする『花粉症対策食品』をご紹介します。

免疫細胞を「つくる」たんぱく質

 人間の身体をつくる主成分といえば、たんぱく質。免疫細胞を活性化するのに必要なのもたんぱく質であり、納豆、豆腐といった大豆製品や、肉や魚、卵をバランスよく食べることを意識しましょう。

大豆製品には粘膜を強くするビタミンB群、腸内環境を整える食物繊維も

 免疫細胞を効率よくつくるならお肉がおすすめ。免疫力を維持するために必要なミネラルの亜鉛も豊富です。魚にはEPA、DHAという不飽和脂肪酸(オメガ3)が血流を促進し、免疫バランスを整えてくれます。

 さらに、スーパー食材と言われる卵は、食物繊維とビタミンC以外のほぼすべての栄養を含んでいて、皮膚や粘膜の正常保持に寄与するビタミンA(レチノール)、ビタミンEも卵黄に多く含まれます。

腸内環境を整えるには、ヨーグルト・醗酵食品・水溶性食物繊維

 免疫細胞の約7割が腸に集まっているので、腸内環境を整え、免疫細胞を活性化することが重要。ヨーグルトは1日200gを、花粉症対策であれば、食後に食べたほうが胃酸が薄まっていて、乳酸菌が生きたまま腸にとどきやすくなります。

 ぬか漬け、キムチ、納豆、味噌、醤油などの醗酵食品を摂る、普段のごはんを腸内細菌のエサになる水溶性食物繊維が豊富な大麦ごはんに切り替えるなどもおすすめです。

免疫バランスを整えるにはユーグレナ

 ユーグレナにだけ含まれる「パラミロン」という食物繊維が、Th1細胞とTh2細胞の働きのバランスを整える作用があることがわかっています。

「パラミロン」には“トゲ”のように突起した箇所があり、これが病原体が持つ“トゲトゲの部分(糖鎖という)に似た形状のため、「パラミロン」を身体に取り込むことで普段は活性化していない「Th1細胞」が活性化されるため、Th1細胞とTh2細胞の活性のバランスが整うというわけです。新たな花粉症対策食品として近年注目の食材です。

 また「パラミロン」には、自律神経を整え、睡眠の質を向上させたり、疲労を回復させる効果があるともいわれています。

ユーグレナってどこで買えるの?

 実は一般的なドリンクとして販売されています。「藻(も)」の一種なだけに、もともとはちょっと“磯臭さ”があるユーグレナを、子どもからおとなまでおいしく飲めるドリンクに加工してある「からだにユーグレナ フルーツグリーンオレ」。スーパーなどで入手でき、ちょっと懐かしい乳酸飲料風の味わいでじわじわ人気が拡がっているとか。

 免疫バランスアップなどに一定の効果が期待できるユーグレナの摂取量は「10億個」(!)とのことですが、これ1本で10億個のユーグレナが摂れる優れもの。

  ◇  ◇  ◇

 辛い花粉症……薬が手放せないレベルの人も、もうちょっと頑張れる! なんて思っている人も、なるべく自分の免疫バランスを整えていきたいですよね。早速始めてみませんか。

※1:資生堂調査(2020年12月)
花粉症の女性600名と花粉症ではない女性600名の計1200名を対象にした調査

※2:Shimatani Kenichiro, et al. PD-1+ memory phenotype CD4+ T cells expressing C/EBPα underlie T cell immunodepression in senescence and leukemia. Proceedings of the National Academy of Sciences (2009), 106(37): 15807-15812

【監修】日比野佐和子先生

 医療法人社団康梓会 Y'sサイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学特任准教授、医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。中医学、ホルモン療法、プラセンタ療法、植物療法(フィトテラピー)、アフェレーシス療法(血液浄化療法)などを専門とする。アンチエイジングの第一人者として国際的に活躍するほか、テレビや雑誌などにも数多く出演。

笹山真琴
記事一覧
ビューティ&ヘルスケアジャーナリスト
コンテンツ企画会社経営。医師や美容家など、医療・美容に詳しいオピニオンリーダーを取材し、最新のナレッジや製品について多数のメディアで執筆。グローバルにキュレーターを配する女性に向けたオピニオンメディア『UNICORN』主催。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


〆ラー卒業のアラフォーに!「かに鍋&水炊き」缶のススメ
 お酒を飲んだ後、人はなぜラーメンが食べたくなるのでしょうか? アルコールに浸った体が脂と塩分を欲しているのか…。  ...
虫歯1本に治療費100000円!? ベラボーな額を請求される米国の高額治療費
「アメリカに住んでます!」 と聞くと、日本にはないキラキラした素敵な生活を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。 ...
2024-02-26 19:02 ライフスタイル
子どもの友達に「ばあば」と間違えられたショック! 高齢出産の後悔4つ
 世間では、高齢出産する人がとても増えていますよね。晩婚化が進んだ背景や、不妊治療が保険診療になった変化も大きいでしょう...
親バカ上等!いうて夫よりマシかも?子どもの可愛すぎるお手伝い失敗談
 子どもはいつだって、ママを助けたい、褒められたい、役に立ちたいと思っていますよね。だから、小さい子どもはママを喜ばせよ...
おんにゃの子の匂いに夢中!“たまたま”君の恋が実るといいな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
日本海から吹きつける風の中、黙々と歩く少年たちが愛おしい
 早朝にも夕方にも見える空の色、学生服の少年少女、ミラーに映る電車。  どこか非現実的な景色は、まるで中村宏の絵画...
ほっこり癒し漫画/第65回「パカラパカ、春のひとみにタツノオトシゴ」
【連載第65回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
惚れてまうやろー!彼氏より気が利くChatGPTに「好き」について聞いた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
恐怖の親知らず抜歯!30女が超ビビりながら人生初抜歯した話
 皆さんは親知らずがまだ生えていますか? 筆者は30代になってもすべての親知らずが生えたままです。  歯は大切にしてい...
世帯年収1500万円でも越えられない壁。耐え難い屈辱を喰らった女の選択
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家で2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、ママ友と共に充実し...
え…? 優雅な御茶ノ水ママ友会をブチ壊した、地方出身者の悪気ない一言
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家に住む薬剤師の綾乃。2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、...
千代田区民は“勝ち”だよね。通勤ラッシュを知らない自分は上流階級層の女
――『東京の中心に暮らす、ということ』…なんてね。  鈴木綾乃の頭の中にマンション販売のコピーのような、そんな言葉...
「自責と他責」バランス上手な大人が口癖にしている神ワード
 ここ数年、自責思考・他責思考みたいな話題をよく見かけませんか? 私はもう見るたびに「うるせぇ~!」となっている反面、し...
たまにはこんな日もあるよね? 終電を見送ってしまった夜
 久しぶりの仲間との時間が楽しくて、「あと1杯だけ」「あと10分だけ」を続けていたら終電を見送ってしまった。  だ...
出張ホスト、ママ活、女風…女性の金目当てに上京する男性が増えている!
 近頃は地方移住が話題となっていますが、その逆に「地方では稼げないから上京する」男性も出てきています。  出張ホストや...
ご飯をありがとにゃ! お母さんが大好きな“たまたま”君たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...