長瀬智也退所 TOKIOとライバル?SMAPとの相違と功績を述懐

こじらぶ ライター
更新日:2021-04-03 06:00
投稿日:2021-04-03 06:00

ドラマ主演本数でキムタクとも競り合う

 長瀬個人としても、00年放送の「池袋ウエストゲートパーク」(TBS系)をきっかけにワイルドな“男臭さ”が増し、それ以降、いくつものヒットドラマに主演。背が高く渋くてカッコいい、“男が憧れる男”になっていった。連続ドラマ主演本数は20本を超え、あのキムタクと長年競ってきた。

 そんな長瀬の俳優業での活躍がTOKIOの音楽面も支えた。06年に主演を務めた「マイ☆ボスマイ☆ヒーロー」(日テレ系)の主題歌含む「宙船(そらふね)/ do! do! do!」が、デビュー曲に次ぐ48万枚のヒットを記録。グループの代表曲となる。また13年に主演した「泣くな、はらちゃん」(日テレ系)主題歌の「リリック」以降、多くの楽曲の作詞・作曲を長瀬が担当した。

 骨太の本格派バンドに成長したTOKIOは、20周年である14年にジャニーズとして初めて「サマーソニック」などの大型野外フェスに参加。TOKIOファン以外の大勢の男性ロックファンが掛け合いを合唱し、彼らのステージングや演奏を称賛した。ジャニーズのコンサートでは聞き慣れない野太い歓声とギュウギュウに押し寄せる熱気が会場の一体感を作り出していた。

山口達也脱退以降、バンド活動は完全停止

 音楽に真摯に向き合う姿勢は、グループ活動にも影響した。18年に山口達也(49)が不祥事を起こし、TOKIO脱退およびジャニーズ事務所を退所。この件に関しての会見で長瀬は「TOKIOの楽曲は彼の演奏する(ベースの)音がないと、まったく形にらない」と話し、それ以降バンドとしてのTOKIOは完全に停止したままになった。

 SMAPの場合、96年に森且行(47)が人気絶頂の中、グループを脱退、事務所を退所しても変わることなく5人で活動を継続し、解散まで歌って踊ることをグループのメイン活動としていた。TOKIOの下した決断とは対照的だ。どちらも脱退は本人と他メンバーの不和が原因ではない。バンドであるTOKIOの方が、その1つのピースの大切さに重きを置き、欠けたままの活動は望まなかったのだろう。どちらが正しいということではなく、2つのビッググループが本質的に性質が異なることを裏付ける出来事だった。

「TOKIO力」を身に付けた長瀬の今後は…

 TOKIOはアイドルとしての本業である音楽活動をしないまま、バラエティー番組を主戦場にすることとなった。幸か不幸かその舵取りが、バンドの中心であり“顔”だった長瀬が退所するに至っても、グループが存続する起因となった。通常、バンドにおいてボーカルとベースが抜けることは致命的だ。それでもTOKIOは城島、国分、松岡の3人でグループのレギュラーバラエティー番組を継続する。

 国分は長瀬が退所する3月31日に、自身のTwitterで「歩いていればまたどこかで偶然会えるかもね」「その時は自分らが作った歌を唄おう!」と記している。そんな日が実際に訪れるかは分からないが、これからもTOKIOが歩みを止めることはなさそうだ。

 そして長瀬も、身に付けた「TOKIO力」でどの分野に進んでもたくましく生き延びていくだろう。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


朝ドラ史上、いやテレビ史上に残る名判決シーン。「政治の貧困」の言葉が胸に突き刺さる
 昭和38年6月、桂場(松山ケンイチ)は最高裁判事のひとりに任命される。  竹もとで修業に励む梅子(平岩紙)、そし...
桧山珠美 2024-09-07 06:00 エンタメ
夕飯のカレーで描いた星家の“遠慮のない家族”への変化。入山法子の名場面を振り返り
 昭和37年1月、「原爆裁判」の原告のひとり、吉田ミキ(入山法子)が法廷に立つことを承諾。広島から上京してきたミキを、原...
桧山珠美 2024-09-05 17:30 エンタメ
虎に翼の脚本は朝ドラ特有の“中だるみ”なし!塚地出演「あさイチ」との連携プレイにも救われた
 昭和34年、優未(毎田暖乃)は高校1年生に。直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に子供が産まれ、猪爪家はますますにぎ...
桧山珠美 2024-09-02 17:30 エンタメ
東出昌大“狩猟系イケメン”面目躍如。通り過ぎていった女性たちは何を思う
 期待に応える男、東出昌大(36)がまたまたやってくれました。今度は“デキ婚”ですって。いつかやってくれるだろうとは思っ...
第110回感動のラストシーン! 余貴美子演じる百合さんの“ある台詞”がとっても可愛かった
 寅子(伊藤沙莉)たちとの同居がつらいと本心を語り、家を出ようとするのどか(尾碕真花)。そんな彼女に、優未(毎田暖乃)は...
桧山珠美 2024-08-31 06:00 エンタメ
【写真特集】10年前の初々しい東出昌大。オールバック、ナチュラル、横流し…髪型3変化
【この写真の本文に戻る⇒】杏との離婚から4年、東出昌大“デキ再婚”で話題の養育費問題。子のために前妻が即やるべき事【弁護...
虎に翼108回目でお見事だった2つのシーン。世の中の“普通人”の理不尽な思いを代弁させた
 稲垣(松川尚瑠輝)と小橋(名村辰)にも手伝ってもらい、裁判所で中学生向けの法律の勉強会を開いた寅子(伊藤沙莉)。だが話...
桧山珠美 2024-08-28 17:15 エンタメ
松本人志はいまや「憧れの芸人」ではない。若手芸人が話す3つの理由
「生きるお笑い界の伝説」ことダウンタウン松本。還暦を迎えた今も大人気の冠番組を複数抱え、お笑い界で最も大きな発言権を誇る...
帽子田 2024-08-28 09:38 エンタメ
なんて賢い子!“星家イチのオトナ”が優未だった件。27日あさイチに“料理男子”井上祐貴が降臨
 寅子(伊藤沙莉)と優未(毎田暖乃)は星家で暮らし始めるが、航一(岡田将生)の長男・朋一(井上祐貴)、長女・のどか(尾碕...
桧山珠美 2024-08-26 17:35 エンタメ
木戸大聖が世間に見つかってしまった!月9「海のはじまり」スピンオフでファン急増中
 めめ(目黒蓮)の体調不良が心配でなりません。現在、フジテレビ系月9「海のはじまり」に主演していますが、Snow Man...
寅子の「心が躍るような」結婚式。放送残り1カ月ちょっと、NHKにスピンオフで描いてほしいこと
 お互いそれぞれの名字を名乗ったうえで、「夫婦のようなもの」になることを決めた寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)。猪爪家...
桧山珠美 2024-08-24 06:00 エンタメ
平手友梨奈がHYBEと契約終了、2度目の退所で訪れる転機。神童が“本物”に返り咲く日
 平手友梨奈(23)が今月8日、韓国の大手芸能事務所「HYBE」日本本社のレーベル「NAECO」との専属契約を終了した。...
こじらぶ 2024-08-24 06:00 エンタメ
【写真特集】女子アナ時代、初々しい浴衣姿の田中みな実
【この写真の本文に戻る⇒】 なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察
 放送中のドラマ『ギークス〜警察署の変人たち〜』(フジテレビ系)にて、3人の主要キャラのうちの1人に抜擢されている田中み...
堺屋大地 2024-08-23 06:00 エンタメ
航一は本当に明治生まれなのか?「夫のようなもの」を許容できる男に疑惑
 航一(岡田将生)から、そこまで悩むのなら結婚をやめようと告げられた寅子(伊藤沙莉)。それは婚姻届を出す結婚をやめようと...
桧山珠美 2024-08-24 00:23 エンタメ
『ラヴィット!』に疑問の声。違和感たっぷりでもギャル曽根の「超ギャルル」を推すワケ
「日本でいちばん明るい朝番組」をコンセプトに、平日の朝に笑いと情報を届けている人気番組『ラヴィット!』(TBS系)。 ...