自然や生産者へ敬意をはらう相葉
さらに、穴の奥でセミの幼虫を見つけた相葉が地上で待機している澤部の足元にそれを置き、驚かせる。作業の邪魔、などとはせず「他のところに埋めてあげて!」と小さな命に対しても優しさを見せる。
マスクをしながら息を切らせ、シャツにも頭にも土を被りながらの重労働。他の植物の根や大きな石などが絡み合い、過去最大級の自然薯掘りは至難の連続だった。それでも相葉は、「でも楽しいな。自然薯が高い理由がわかる」と笑顔で自然薯を生産する人々の労をねぎらう。
想定していた1時間を優に超え、3時間以上経ち、ロケ先の滞在期限が迫る。この道50年の名人・高橋さんが「最近こんな長いの見たことない」と思わず、掘り起こし中の自然薯を写メするほどの難航ぶりだったが、いよいよ自然薯の最深部に相葉が到達。最後は相葉が根本を支えつつ、穴の上から澤部と小峠が自然薯の上部を土から剥がしていくが、折ってしまったらここまでの苦労が水の泡となる。
小峠が自然薯周りの土を削るとそれがボロボロと相葉の頭にかかり、「ごめん、ごめん!」と謝ると、冒頭の「俺のことなんて何も気にしなくていい! 何にも気にしないで俺のことは!」という言葉を相葉が力強く放った。
さんま、有吉に続いて「相葉」の快挙
お笑い芸人とか、国民的スターとか関係なく、同じ目的達成のため苦労を共にした3人、名人、スタッフ。全ての人の想いが乗った巨大自然薯はついに大地から掘り起こされた。「取れたー!」と全員でしっかりと握り掲げた自然薯は、全長154㎝と過去の記録を大幅更新する大物だった。
最後はそれを擦って食し、「うまい! 頑張って良かったー!」「自然薯史上1番疲れた、3時間半だよ!」と達成感に満ちていた。この感動巨編は視聴率12.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を叩き出し、週間TV視聴率ベスト30に3週連続ランクインと記録を更新。同ベスト30にはNHK朝ドラや大河、世界フィギュア中継などに交じりながら、タレントの冠番組は上から「さんま」「有吉」と「相葉」、その少し下に「鶴瓶」と4つのみ。そうそうたる大御所の中、アイドルでたった一人ランクインしているのが相葉なのだ。
「VS魂」苦戦の理由は番組編成
他の嵐後続番組と違い、「相葉マナブ」はひたすら相葉が映り続ける。周りの演者との心地良い掛け合いもありつつ、相葉の人柄の良さ、懸命さ、前向きな姿勢が自然と伝わってくるものだ。“相葉が低視聴率連発”などというのが間違いであることが分かる。
たしかに「VS魂」は苦戦しているが、それは相葉のせいではない。新レギュラーにはジャニーズの後輩を売り出すために、バラバラのグループから5人が選ばれた。“5人で1つ”だった嵐と比べればお茶の間への浸透度は低く、寄せ集め感は否めない。この急造チームに毎週違う助っ人ゲストも加えられ、その上で番宣のために集まった俳優陣と新しくなった数々のゲーム対決をする、ととにかく番組編成がごちゃごちゃしている。
数字を持っている男
相葉はレギュラーメンバーとご飯に行き、結束を固めることを希望しているが、このコロナ禍で叶っていないようだ。それでも相葉のMC自体は活気に溢れ、後輩を引き立てる愛あるいじりや、バラエティー慣れしていない俳優陣へのフォローなど随所に彼の良さが出ている。
「VS魂」復活のためには性急に結果を求めず、じっくり腰を据えて、相葉がチームを一つにまとめるのを待ってあげて欲しい。彼自身は数字を持っている男なのだから。
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