性風俗差別反対をラップで訴え…清水くるみさんインタビュー

大泉りか 作家・コラムニスト
更新日:2021-04-30 10:49
投稿日:2021-04-28 06:00

性産業はこれからどう変わっていくのか

――清水さん自身、新型コロナで、お仕事に何か影響はありましたか?

清水 特に最初の頃は、どうなるんだろうって、不安でした。パフォーマンスの機会が減ってしまったので、とにかくのんびり過ごすしかないって決めて。いまもあんまりない状況ですが、マイペースにひとつひとつのことに取り組みというほうがいいかなって思って、丁寧に準備が出来るっていい方に捉えています。昨年の12月には自主公演もしたんですが、収入自体はめちゃくちゃ減ってます。

――性風俗の事業者には出ない給付金も、従業者(キャスト)には給付されるそうですが、清水さんは、なんらかの保障を受けることが出来ましたか?

清水 キャストは持続化給付金を受けられるということだったので、申請したんですが、前年度の確定申告をもとに進めていたら、当時働いていた風俗店の源氏名と本名が突合できなくて。さらに対応してもらっていたコールセンターの人に、税理士さんのサインが必要とも言われて。

 わたしは確定申告を自分でやっていたので、わざわざ税理士さんを新しく探した上で、すでに済ませた確定申告に対してサインを頼まないといけないし、そこをクリアしても絶対に申請が通るかどうかわからないっていうので、仕方がないなって。

――性風俗業従事者はもちろん、他の業種であっても、いまはいろんな働き方や稼ぎ方が増えているから、なかなかマニュアル通りには処理できないし、そういったすべての人にきちんと保障が届く世の中になって欲しいですね。最後に、清水さんの思う、今後の性産業の在り方について教えていただけますか。

清水 持続化給付金について、性風俗事業者が外されたこともですし、ストリップ劇場の摘発ひとつとっても、普段は黙認していることを、向こうの匙加減でどうにかできるっていうのが、おかしいですよね。行政の筋の通らないところを、性風俗業の関係者はもちろん、利用者ももっと話題にしてくれたらいいなって思っています。

 理解なしには偏見や差別はなくならないし、そもそもは性教育や人権教育にも関わってくるかなって思うんですけど、ラップで歌ってた「普通の仕事」っていうのがまさにそれで、身元を明かせるような仕事ではないにしても、社会からの差別や偏見がなくなれば、セックスワーカーが危険に晒されることもなくなるのではないかって思います。

――本当にその通りだと思います。どうもありがとうございました!

 性風俗業は、行ったことがない/働いたことのない女性からしてみると、なんとなく縁が遠い世界にも思えるかもしれません。けれども様々な理由を持ってそこで働く女性たちは、確かに存在するのです。

 新型コロナは、差別なくすべての人の生活に影響を及ぼしているのだから、その保障も差別なくあるべきではないでしょうか。

清水くるみ 

▽「坊主ストリッパー」という肩書で、ストリッパー、イベントでのパフォーマンス、モデル、バーのママ、“慈しみM性感”キャストなど、多岐に渡って活躍中。別名、風俗LOVE美。オリジナルグッズの販売も
近々のスケジュールは、5/5(水祝)池袋ミカド劇場 SM Festa 出演、5/14(金)新宿二丁目bar星男にてバースデーイベント ※状況によって営業時間等変更となる場合があります。
ツイッターアカウント:@kurumishimizu05

大泉りか
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作家・コラムニスト
ライトノベルや官能を執筆するほか、セックスと女の生き方や、男性向けの「モテ」をレクチャーするコラムを多く手掛ける。新刊は「女子会で教わる人生を変える恋愛講座」(大和書房)。著書多数。趣味は映画(映画館で年間100本以上)、海外旅行。愛犬と暮らして14年目の犬飼い。X

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