仕事か結婚か…23歳の私は外堀りを埋められて別れを選んだ

内埜さくら 恋愛コラムニスト
更新日:2021-06-15 09:18
投稿日:2021-06-01 06:00
「結婚できるとは思っていなかった」「結婚願望がなかった」。そんな40歳オーバーの男女が結婚に至った経緯とは――。「40代50代の大人婚」シリーズはインタビュアー・内埜(うちの)さくらが、ご本人に迫り、赤裸々に語っていただきます。

「結婚前提」でつき合った20代の職場恋愛

case7-1.後藤美菜子さん(仮名/47歳)

 目がパッチリとしていて年齢に見合わない美肌の持ち主、後藤美菜子さん(仮名/47歳)は、42歳のときに同い年の宏一さんと結婚しました。出会いは、日本仲人協会でのお見合い。担当は、以前取材させていただいた、五十嵐まこ先生です。協会に登録する前は、どんな恋愛を経験してきたのでしょうか。

「高校生のときに交際していた大学生の彼からは、就職が決まったタイミングでプロポーズされました。でも私はまだ高校生。まだ結婚する気になれなくて、お断りして別れました。

 23歳から28歳ぐらいまでは、9歳年上の同じ職場の男性とおつき合いしていました。その人からは『結婚を前提につき合ってほしい』と言われたのですが、私にはまだ結婚願望がなかったんです。私が23歳のときに彼は32歳。相手が結婚したいと思う年齢だとは承知していましたが、まだ仕事を頑張りたかった」

彼の両親が“未来の嫁”に準備した驚きのもの

 結婚の“条件”もネックになったといいます。

「彼の実家がある北陸地方で、ご両親との同居を提案されたんです。40代の今だったら移住を検討したかもしれませんが、20代では東京を離れる覚悟ができませんでした。彼が地元で職を決めてからプロポーズしてくれるならまだしも、転職先が決まっていない段階で『地元に帰りたい』と言うのも、不安で。彼と私は不動産業に従事していましたが、北陸地方で求人があるのか、私には未知の世界でしたし。

 交際後すぐ先方のご両親にもお会いしましたが、いい方たち過ぎて『私は嫁いだらいつか心が折れてしまうだろう』とも感じました。彼の地元は外湯(共同浴場)で入浴をするのが習慣化しているのですが、私のためだけに用意したコンテナの中に、ユニットバスをつくってくれたんです。お風呂に入っていると、海の波が聞こえてくるような絶景の場所に。まだ結婚が確定していないのに、ですよ? 

 ご両親から大歓迎されているのはわかりましたが、結婚願望のない私には荷が重く、しばらくおつき合いしたもののお別れしました。ご両親に高額な費用を出していただいたのは、今でも申し訳なく思っています」

 具体的な結婚の日時が決まる前に、美菜子さんのために同居前提で浴室をこしらえる。ご両親は外堀を埋めようとしたのでしょうが、たしかに重いですね……。

外堀を埋めるのは高リスク

 筆者の知人男性にも、彼女に挟み撃ちされた経験者がいます。彼女はできるだけ早く彼と結婚したかったのでしょう。彼女から「ウチに遊びに来ない?」と誘われてついていったら、自宅には両親がそろって待ちかまえていたとのこと。父親から「娘と結婚する気はあるのか?」と詰め寄られ、困惑。彼女との交際歴が浅かったため、彼は逃げ出すように彼女とお別れしたそうです。

 恋愛や結婚に向けて、外堀を埋めるのは一歩間違えると別離につながる危うい行為なのかもしれません。

 美菜子さんは10代と20代の恋愛を経て、「男性はすぐ結婚したがるものなんでしょうね」と言いますが、違いますよ! 全ケースにあてはまるとはいえませんが、男性は結婚に対して大きなきっかけがなければ決めたがらない性。今は結婚しても共働き夫婦が一般化していて“責任”は二分化しているかもしれませんが、男性は本気にならない限り、結婚という形で相手の責任をとりたがらないものです。

 現に筆者の知人男性にもいました。単なる交際ならOKだけど、結婚は考えられない彼女に「自分は一生、結婚する気はない」と、独身主義を装って貫いた人が。よく「女性は怖い」といわれますが、おなかの中ではなにを考えているかわからない男性もいるのです。

内埜さくら
記事一覧
恋愛コラムニスト
これまでのインタビュー人数は3500人以上。無料の恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い(現在休止中。準備中のため近日中にブログにて開始を告知予定)。恋愛コメンテーターとして「ZIP!」(日本テレビ系)、「スッキリ」(同)、「バラいろダンディ」(MX-TV)、「5時に夢中!」(同)などのテレビやラジオ、雑誌に多数出演。

URL: https://ameblo.jp/sakura-ment

関連キーワード

ラブ 新着一覧


「僕らの事実婚夫婦の覚悟は?」法律婚を望む妻に不信感を抱く50歳男
「冷酷と激情のあいだvol.166〜女性編〜」では、事実婚の夫・ジョウジさん(45歳・仮名)との関係を法律婚へと変更した...
並木まき 2023-10-28 06:00 ラブ
「夫とやっぱり籍を入れたい」事実婚→法律婚へ移行したい、40歳女の胸中
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-10-28 06:00 ラブ
夫バレ? 帰宅時間を理由にGPSアプリを促す…妻の不倫を察した男の反応
 夫に隠れて不倫しているそこのあなた。「バレたらどうなるんだろう」と気になったことはありませんか?  今回は、妻の不倫...
恋バナ調査隊 2023-10-28 06:00 ラブ
だから惹かれるのね! 男の色気の正体は斉藤工さんに学びましょう
 男性のちょっとした仕草にドキッとした経験はありませんか? 他の男性だと何も感じないのに、色気ある男性がやると不思議と魅...
恋バナ調査隊 2023-10-27 06:00 ラブ
結婚後のギャップあるある5選! 幻滅する前に試すべきこと
 大好きな人と結婚したら、幸せな結婚生活が待っている♡ とは限らないのが現実! 思い描いていた結婚生活とのギャップに苦し...
恋バナ調査隊 2023-10-26 06:00 ラブ
年下男性の“教えて願望”を満たす。オトナの女性ならではの知識と強みは?
「年下男性に興味がある。でも、何を話したらいいのかわからない」と迷う年上女性が大勢います。無理して若い人に話題を合わせる...
内藤みか 2023-10-26 06:00 ラブ
“育ちがいい男性”争奪戦を制す!本物を見極める特徴5つと好かれる共通点
 育ちがいい男性は、恋人や結婚相手として理想的な存在です。そのためライバルも多く、争奪戦に。ゲットしたいなら、いち早く彼...
恋バナ調査隊 2023-10-25 06:00 ラブ
「オフィスラブ」ってどうするの?後輩君への“嫌がられない”アプローチ法
 皆さんオフィスラブについてどう思いますか?  職場の恋愛における難題、それが後輩への恋心です。  自分が先...
若林杏樹 2023-10-25 06:00 ラブ
婚外恋愛は否定しない、けど、100%幸せになるのは難しい。
 セックスレスや婚外恋愛、セルフプレジャーをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  お仕事で既婚者専用マ...
豆木メイ 2023-10-24 06:00 ラブ
ねっちょりなぶりっこよりも強い? ドライな女性がなぜか男にモテるワケ
 サバサバしている男性よりも“漢前”でドライな女性は、周りの女性から「カッコいい!」と憧れられることが多いですが、実は男...
恋バナ調査隊 2023-10-24 06:00 ラブ
老後まで面倒見切れません!偏食に運動不足…健康管理できない夫にモヤッ
 子育てを終えた後の人生を考えると、夫婦で旅行したり、趣味を楽しんだり、有意義な老後を過ごしたいと考える人は多いですよね...
恋バナ調査隊 2023-10-23 06:00 ラブ
恋愛とキャリア、どっちも身の丈で両立させるにはどうする?
 仕事が大好きで、キャリアアップすることが何よりも楽しいと感じるバリキャリ女子。でも、恋愛面においては「どう仕事と両立し...
恋バナ調査隊 2023-10-23 06:00 ラブ
疲れたから寝るLINEを送ってきた彼と道ですれ違う?最悪な恋愛の思い出
 恋愛で得られるのは幸せだけではありませんよね。好きな人と付き合えたとしても、最悪な出来事に見舞われるケースもあるはずで...
恋バナ調査隊 2023-10-22 06:00 ラブ
整形美女との結婚話を破談にしたい37歳男、老いるほどいじるでしょ?
「冷酷と激情のあいだvol.165〜女性編〜」では、結婚の話が出ながらも、なかなか具体的な行動に進んでいかない恋人に悩む...
並木まき 2023-10-21 06:00 ラブ
美意識高い系40女、婚約者とのシラけた夜の生活に努力してるのになぜ?
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-10-21 06:00 ラブ
不倫沼に陥った女が失う「5つのモノ」友達 仕事 時間 自尊心そして…
 既婚者と不倫をすると、相手の家族を苦しめることになります。でもそれだけでなく、不倫をした当の本人たちが失ったものもたく...
恋バナ調査隊 2023-10-21 06:00 ラブ