レズビアンでありながら男性の恋人も…辿り着いた性の極致

大泉りか 作家・コラムニスト
更新日:2021-06-09 06:00
投稿日:2021-06-09 06:00
 レズビアンでありながら、男性客を相手とする性風俗業に飛び込み、やがてSMに目覚めたという慧梨香さん(45歳、セラピスト)。「生活の基準は性にある」という彼女は、なぜそこに至ったのでしょうか。

女性のパートナーのほかにも男性の恋人が

「もともとはレズビアンだったんです。高校の時に同級生だった女性に告白されて付き合うことになって、その人と18歳で初体験をしました。でも、卒業で別れることになってしまって。次に20代半ばで付き合い始めたのが、今の彼女です」

 20年以上も、現在のパートナーである女性と付き合い続けてきた慧梨香さん。が、今は彼女のほかにも恋人がいるとのこと。しかもそれは男性で、なおかつ複数人だといいます。

「彼女のほかに、男性の恋人がふたりいて。ひとりは普通に恋人っぽい感じで付き合ってますけど、もうひとりは力強いタイプの人でお父さんみたいな感じ。いまは女性の恋人と、そのお父さんみたいな人と3人で同じ家に暮らしているんです。分散して愛情を置いておくというのが、わたしにとってはバランスがいいんですよね」

 最近、たびたび耳にする “ポリアモリー(複数の人と恋愛関係を築く恋愛スタイル)”を実践する慧梨香さんですが、そもそもレズビアンであり、長く付き合っている女性もいたというのに、どういうきっかけで男性とも付き合うことに?

パートナーに勧められて飛び込んだ新たな世界

「彼女に勧められたんです。

 彼女はバイセクシャルで、だからわたしにも『男性とも経験したほうがいいよ』って。どうしようかって考えて、せっかくなので風俗に面接にいってイメクラで働いてみることにしたんです」

 男性とは未経験のまま、慧梨香さんが働き始めたのは、さまざまな職業のコスチュームを身に着けてイメージプレイを楽しむマンション型の店舗。しかし、ほどなくして店は摘発されてしまいます。

 その頃には、性風俗の仕事に面白みを感じるようになっていたという慧梨香さんが次に選んだのは、SMクラブでした。

「その当時から、M癖があったと思うんです。風俗っていう逃げられない場所に進んで身を置いたのも、脳内でSM的な興奮があったというか……けど、M女で入ったつもりが女王様になってしまって(笑い)。講習もなく、『常連のMさんだから、教えてくれるから大丈夫』といきなり送り出されて、荷物をもってホテルに入ったら、裸のM男さんがいるっていう」

 戸惑いながらもプレイをこなしつつ、やがて希望していたM側のキャスト、通称“M女”としても無事にデビュー。しかし、これにもまた苦労があったといいます。

「脳イキ」で満足できる関係性を

「ようやく女の子っぽい立場になったものの、どうすればいいのか、さっぱりわからないんです。フェラチオの仕方はもちろん、服の脱ぎ方すらわからない。っていうのも、女性とセックスをする時は、わたしはずっとタチ役だったんです。

 だから、それこそ泣きながら働いて、2年くらい経った頃かな。32歳になって、初めて男性の恋人ができたんです。

 でも、男性の身体の扱いはプロだけど、挿入は未経験の処女。向こうも手慣れた人じゃなかったので、うまくいかずに騎乗位で自ら挿入したんですが、そこで自分にはMっ気があることを自覚してしまって……だからその彼と別れた後は、SM好きの男性と “奴隷”という形で付き合ったりして。

 そこで覚えたのが脳イキです。噛んでもらったり、ぶってもらったりしているうちに、うちに脳がイク。

 そうするとあとは普通の愛撫でも気持ちがいい。いま付き合ってるうちのひとりはノーマルの性癖で普通のセックスだけど、脳イキを身に着けているので、彼とのセックスであっても、自分の性欲はあやせるんです。

 恋人っぽい相手とは、普通のセックスをして、お父さんみたいな相手とはSM、彼女とする時はタチ役で」

 こうして自分の望む環境、満足できる関係性を作り上げたという、慧梨香さん。

「性のことって、誰も手を差し伸べてくれない、自分から探していかないと見つからないものなんですよね」

 及び腰になった時には、この力強い言葉を思い出そうと思った次第です。

大泉りか
記事一覧
作家・コラムニスト
ライトノベルや官能を執筆するほか、セックスと女の生き方や、男性向けの「モテ」をレクチャーするコラムを多く手掛ける。新刊は「女子会で教わる人生を変える恋愛講座」(大和書房)。著書多数。趣味は映画(映画館で年間100本以上)、海外旅行。愛犬と暮らして14年目の犬飼い。X

エロコク 新着一覧


セックス依存者が語る 実録「一夜限りの恋」の身の処し方
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットな...
忘れた振りで「否認」を続ける私にストレスを溜めていく女
 異常な行動を繰り返す人間に関して、近年、サイコパスやソシオパスの研究が進められています。 サイコパス──先天的に...
肌を重ねなくても…脳への刺激が快感を呼ぶ“遠隔セックス”
 あなたは、どういった性の願望を抱いていて、ひそかに何をしたい/されたいと願っていますか。自分の性癖の形を知れば、もっと...
大泉りか 2019-11-13 19:28 エロコク
私は都合のいい女? 本命になれないセフレ体質女子の特徴4つ
 男女関係においてセフレ問題で悩んだことがある方は多いはず。 「エッチした途端、男性からの連絡が気まぐれに。都合が...
七海 2019-11-11 18:50 エロコク
優しく小刻みに…奥を丁寧にノックするピストンに身を委ねて
 ピストンバイブと聞くと、だいたいの人は激しい動きを想像されると思います。  がんがん突いてイカせちゃうぜ~! 的...
桃子 2019-11-11 01:55 エロコク
81歳恋人の浮気旅行をNYまで尾行…死にたくなった結末とは
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットな...
窓の開いた部屋…女はなぜ全裸で床を拭いていたのか?
 翌日も何時間も彼女に全身を舐めら、彼女がまた寝入った後、私はバスルームに入りました。シャワーに打たれながら思いました。...
デリケートゾーンに潤いをプラス!濡れない痛みとサヨナラを
 多くの女性が、常に潤いを気にしています。肌、髪、そしてデリケートゾーンの潤いも。セックスのときは、膣内がちゃんと体液で...
桃子 2019-11-07 18:40 エロコク
性依存に調教され…脳みそ性器男の「浮気旅行」尾行を決意!
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットな...
「私の胸も…」汗ばむ体を重ねてきたアラフィフ女の欲情
「ショックで頭が真っ白になる」とよく言いますが、これは実際に脳が起こす症状です。脳は強いストレスを受けると、一時的に血管...
アプリで会ったラテン系外国人の男は「天動説」を語り出した
 さて、出逢い系サイトもPCやガラケーからスマホに舞台を変え、マッチングアプリという何やら爽やかな名前に変化しました。 ...
男性向けアロマエステを副業にする女性たち…都内OLの告白
 消費税もとうとう10%まで上がり、都会で働くひとり暮らしのOLたちも大きな打撃を受けています。役職に就きでもしなければ...
挿入&クリトリス刺激…ダブルのエクスタシーに見舞われる
 バイブコレクターの私でも、女性がいちばん感じるのはクリトリスだということをよ~く知っています。男性とのセックスでもずっ...
桃子 2019-11-12 04:46 エロコク
それは男女間であれば法的にレイプと呼ばれる事件でした
 私へのセクハラがエスカレートし、私が拒絶するにつれて、彼女の仕事上でのパワハラも酷くなっていきました。ただこの時点では...
内頬を膨らませ…フェラチオの奥義を女流官能作家が教えます
 前回、官能小説における「オーラルセックスの奥義」をお伝えしたところ、ありがたいことに、男性読者さまからも「こんなふうに...
蒼井凜花 2019-10-22 06:00 エロコク
クリを優しく吸引…バイブとの合体技で多彩に楽しめる逸品
 クリトリスをそっと吸い上げつつ振動刺激を与える「吸引系」。この連載でも何度紹介したか分からないくらいですが、なぜこんな...
桃子 2020-01-11 06:51 エロコク