更新日:2021-09-17 06:00
投稿日:2021-09-17 06:00
彼女に訪れた転機とは
――そんな彼女に、転機が訪れた。
「実は、ピルを飲むのをやめたんです。もちろん、彼には内緒にしています。彼は今まで通り中出しをしてくれて……」
――え、それは、妊娠してもいいと……?
「ふふっ、そうなんです。Zoom呑み会で出た『略奪婚』が頭から離れなくて……。ただ、今のところ妊娠の兆候はありません。でも、近い将来、彼の子供を産めたらいいなと……。
シングルマザーでも構わないので、彼との子供が欲しいんです」
――筆者は口をつぐんだ。
H美さんの凜とした表情には一点の曇りもなく、純粋に彼の子供を産みたい女心が痛いほど伝わってきたのだ。もはや悪意さえも感じられない。
「私のこと、愚かな女と呆れる人もたくさんいるでしょうね。でも、いいんです。私はどんなに非難を浴びても自分の人生を歩みたい。今夜も彼が来てくれるので、二人で幸せな時間を過ごしますね」
――不倫相手と同じ敷地内に住み、彼の子供を産むことを夢見る女。どのような形であれ、彼女の幸せを願ってやまない。 了
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