なぜイライラしてしまう? 頑張る人ほど他人に厳くなる理由

おくげちゃん 漫画家・イラストレーター
更新日:2021-10-29 06:00
投稿日:2021-10-29 06:00
「いいなぁ、私なんか……」と自分を羨んでくる人に、「じゃあなぜ頑張らないの!?」とイラッとしたことはありませんか? しかもそれって、自分がすごく真剣に打ち込んできたことに対してだったりしませんか? もしそんな人がいたら、ぜひ考えてみてほしいことがあります。さて、どろんぱではコミが接客中ですが、お客さんが怖い顔。

自分の頑張りは自分の中だけで消化する

 ダイエットの成功者や整形で美しくなった人が、ただ現状を嘆くだけの人に厳しいというのはよく言われる話です。何かを必死で成し遂げた人は、やらない人に「なぜ頑張らないのか」と思ってしまうんですよね。この話題、実は自分で書いていて耳が痛いです。

 というのも、私は学生時代に吹奏楽部だったのですが、中学の時に始めたので、高校に上がるころには楽器歴がすでに3年。そこそこできるようになっていました。しかし、周りには高校から楽器を始めた先輩なんかもいます。その時点ですでに先輩よりもベテランの奏者になるわけですから、当然差が出てきてしまいました。

 もし私が高校から楽器を始めた立場なら、ベテランの後輩に負けないように必死で練習すると今でも思います。しかし当時の先輩たちはというと、少なくとも懸命に練習しているようには見えませんでした。そのくせコンクールの代表選考から漏れると泣いている。当時の私には意味が分からなかったし、腹立たしさもありました。

 だけど今なら分かる気がします。きっと私と先輩たちとでは、達成したい目標そのものが違っていたんですよね。私はコンクールで賞をとることや、楽器が上手くなることが全てと思っていましたが、先輩たちはそうじゃなかった。同じ学年の友人たちと楽しそうに演奏している姿を思い出すと、ただ純粋に「合奏をみんなで楽しむこと」が目標だったんだなと納得してしまいます。また、いろんな事情で私ほど練習に時間を割ける人ばかりではなかったことも、当時は想像できませんでした。

 この経験は自分の未熟さや視野の狭さを痛感できるので、他人に腹が立ちそうになるといつも思い返しています。頑張ることや努力することはスゴイことです。だから、もし誰かに対してムカッとしたら「あ、私は今めっちゃ頑張ってるんだな」と思ってほしい。大丈夫、あなたはめちゃくちゃ頑張れています!

登場人物紹介

コミ
主人公モジョ子の先輩。ヘビ森さんのお気に入りホステス。お酒が好きだが酒乱なので周りは迷惑している。

ヘビ森さん
コミのお客さん。アパレル会社部長職独身。係長の頃からどろんぱに通っている古株。コミと同じく酒乱。

おくげちゃん
記事一覧
漫画家・イラストレーター
酒呑みまんが家。ふしぎで妖しい話を描いています。就活が嫌すぎて3年間ドイツに逃亡するなど放浪癖あり。京都市出身、東京在住。水商売歴10年。XInstagramでは毎日漫画を更新中。実績などはこちら

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


海外旅行前に確認を!体力・モチベ温存、飛行機内で便利だったアイテム
 コロナ禍が収まりつつあり、海外旅行に出かける人も増えてきました。  ハワイ、NY、パリなどへ向かう長距離フライトに「...
春節に欠かせない「柑橘類」は金運アップの鉄板アイテム!
 まもなく中国圏の方々にとってのお正月「春節」がやってまいります。中国のお正月はワタクシの旦那様がシンガポール駐在時に現...
菜の花を食べると「いけないこと」をしている気分がする
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。  動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシ...
添い寝&ストレス監視!ガーミンのスマートウォッチ「Lily 2」その腕前は
 ストレスや疲れが貯まってくると、口唇ヘルペスができて黄信号を発する我が身体。よくできたヤツめ、と感心しますが、そもそも...
後輩社員の「大丈夫かと」「可能性高いかと」“かとかと”語尾にもやもや!
 誰かと会話している時に、語尾にイライラもやもやしてしまうことはありませんか?  流行り言葉は目まぐるしく移り変...
2024-01-30 06:00 ライフスタイル
遠いあの子を思い出す…センチメンタルな“たまたま”にホロリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
こんな言葉を聴きたくて、僕らは旅に出るのかもしれない
 兵庫県神河町のサイクリングコース「越知川名水街道」にやってきた。  壮大な景色をバックに、あたたかいメッセージに...
P活、頂き女子…「パパ活」のことばも進化し続けている
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第66回「保護猫探偵ハッシー」
【連載第66回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
ホームパーティーの会費どうする?主催するメリット&お招き時のマナー
 気の合う仲間と自宅でゆっくり食事を楽しめるホームパーティー。コロナもひとまず落ち着き、ブーム復活の兆しです。  ホー...
中学受験のプロが推薦 御三家でも新御三家でもない将来安泰の「中堅校」
 今年の中学受験シーズンも真っ只中。首都圏では、1月10日に埼玉県、1月20日に千葉県、そして2月1日には東京都と神奈川...
アラフォー女性のリアルがここに! 元旦に誓った今年の目標
「一年の計は元旦にあり」とも言われるように、年のはじめに計画を立てることはとてもいいことです。でも、一年の目標に何を掲げ...
話し合い好きは平和主義?むしろ支配欲強め!一歩間違えるとモラハラに…
 話し合いで解決を図る人、みなさんはどんな印象がありますか? たぶん平和的とか、論理的なイメージが強いのではないでしょう...
美STの開運マスク付録ってなに?ドモホルンリンクルは一式試せて嬉しい
 今回ご紹介する雑誌付録は、「美ST」2024年3月 増刊号(松嶋菜々子表紙)の「開運&美肌見え! PITTA MASK...
なんて素敵な夫! ド近眼の妻にICLを提案した「永久保存版トーク」
 昨年の夏頃から計画して、お正月明けに眼内にレンズを挿入して視力を矯正するICLの手術を受けました。  小学生の頃から...
「正」の字に振り回されて…
 はいっ、新しい年が始まりました。みなさん、お正月は楽しく過ごせましたでしょうか。  お正月の「正」の字には、「あ...