エンディングノートを書くことを決めた!息子に残したい思い

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2022-01-18 06:00
投稿日:2022-01-18 06:00
 はじめまして。シングルマザー3年目の孔井嘉乃です。私には、6歳になる息子がいます。
 家庭の事情はそれぞれあって、離婚に至った経緯なんて誰とも分かり合えません。でも、「シングルマザー」になった女性に共通する思いは、きっとあると思います。
 まだまだシンママ歴が浅い私ですが、日々の中で感じていること、自分の中で消化できたこと、解決していないこと、そんなことをこの連載「シングルマザーもいいじゃない」で、綴りたいと思います。

「エンディングノート」って書いていますか?

 突然ですが……「エンディングノート」って書いていますか? エンディングノートとは、その名の通り、“自分の人生の終わりについて記したノート”のこと。

 遺言書ではないので法的効力はないものの、自分に万が一のことがあった時に、どんなふうに対応してほしいかはもちろん、周りの人たちに自分の希望や意思を伝えることができるツールとして知られています。

 リサーチしたところによると、エンディングノートについての認知度は約80%。でも、実際に持っている人の割合は、約12%と少数だそうです。(参考:朝日新聞社「相続会議」)

 私も、ずいぶん前にエンディングノートの存在を知り、書こうと考えたことが何度かあったものの、いざ購入するとなると、なんだか“死ぬ前の準備”をしているようで縁起が悪い気がして……もとより“自分の死”について具体的に考えることができなかったものの、今年に入って、ようやく書くことを決めました。

息子を産んでから先のことを考えるようになった

 ママになってから自分に起こった一番の大きな変化は、「先のことを考えるようになったこと」だと思います。

 独身の時、いや、結婚してからも「私はその日暮らしで構わない」と、目先だけを見て暮らしてきましたが、息子を産んでからというもの、「背を抜かれるのはいつだろう」「中年になったら頭が薄くなりそうだな」「孫の顔を見るまでは死ねないな」なんて(笑)、10年後、20年後、むしろ息子がおじいちゃんになるまでのことをついつい考えてしまうのです。

 でもそれに伴い、「息子にかかるお金&自分の老後の費用はどれくらい?」「もしも明日死んでしまったら?」なんて、少し重たい想像もしてしまうのですが。これは、シングルマザーになったことも関係しているのかもしれません。

亡くなった祖母と大人になって話してみたかった

 私の死生観ががらりと変わったきっかけは、祖母の死。親族の中でも一番元気だった祖母が、ある日突然、急性肺炎で帰らぬ人となりました。

 おばあちゃんっ子だった私は、当時14歳でした。「突然、大好きな人がいなくなる」という現実を受け止められず、呼吸器につながれた祖母に「キスをすれば起きるんじゃないかしら」と、こっそり試してみたりもしたほど。それほど、私にとって「死」というものは、絵本の中のおとぎ話くらい遠いものだったのです。

 思い返しても、祖母との思い出はあたたかなことばかり。でも、離婚をしてシングルマザーになると伝えたら、祖母はなんと言ったでしょうか。考えてみましたが、やっぱりわかりません。できることなら、大人になって話してみたかったなぁと、切に思います。

 でも、この経験から、残された人の悲しみだけではなく、「人はいつか死ぬ」という当たり前のことを現実的に考えられるようになったのは確か。だから、「大事な人には長生きしてほしい」と強く願ってきましたし、息子が生まれてからは「長生きして成長を見たい」と、欲張るようになってしまいました。

 いつか息子と遠く離れて暮らすようになっても、生きているだけで安心を与えられるような、思い出すだけで温かくなれるホームのような「母親」という存在でいたい。

 だからこそ、今の息子にも大人になった息子にも届く言葉で、気持ちをたくさん残しておきたいと、エンディングノートを書くことに気持ちが向きました。生きているうちに伝えなければ、残された人は故人の考えを想像するしかないのですから。

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


惚れてまうやろー!彼氏より気が利くChatGPTに「好き」について聞いた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
恐怖の親知らず抜歯!30女が超ビビりながら人生初抜歯した話
 皆さんは親知らずがまだ生えていますか? 筆者は30代になってもすべての親知らずが生えたままです。  歯は大切にしてい...
世帯年収1500万円でも越えられない壁。耐え難い屈辱を喰らった女の選択
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家で2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、ママ友と共に充実し...
え…? 優雅な御茶ノ水ママ友会をブチ壊した、地方出身者の悪気ない一言
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家に住む薬剤師の綾乃。2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、...
千代田区民は“勝ち”だよね。通勤ラッシュを知らない自分は上流階級層の女
――『東京の中心に暮らす、ということ』…なんてね。  鈴木綾乃の頭の中にマンション販売のコピーのような、そんな言葉...
「自責と他責」バランス上手な大人が口癖にしている神ワード
 ここ数年、自責思考・他責思考みたいな話題をよく見かけませんか? 私はもう見るたびに「うるせぇ~!」となっている反面、し...
たまにはこんな日もあるよね? 終電を見送ってしまった夜
 久しぶりの仲間との時間が楽しくて、「あと1杯だけ」「あと10分だけ」を続けていたら終電を見送ってしまった。  だ...
出張ホスト、ママ活、女風…女性の金目当てに上京する男性が増えている!
 近頃は地方移住が話題となっていますが、その逆に「地方では稼げないから上京する」男性も出てきています。  出張ホストや...
ご飯をありがとにゃ! お母さんが大好きな“たまたま”君たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
荒れる2024年幕開け 花屋が祈りを込めた「復興と希望」の花束
 2024年が明けました。今年は元旦から思いもよらないことが起こって、まさに辰年。大きな変化の年が始まったようでございま...
暇すぎ死にそう…大きな声じゃ言えないけど仕事中にばれない暇つぶし5選
 同じ仕事でも、忙しいと時間は早く過ぎ、暇すぎると永遠に時計が止まったように見えるもの…。とはいえ、仕事の拘束時間なので...
2024年こそシンデレラボディ!フェロモンジャッジで分かるケア&香り術
 素敵な女性はいい香りがする――。  そう感じるのは、肌から放たれるフェロモンの効果。フェロモンが高まると色気だけ...
動物は「あったかい場所」を見つける才能があるみたい
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
私「復縁希望?」女友達「あと2年で吹っ切る」失恋かまってちゃんLINE
 失恋をして心が傷つくと、少しでも誰かに気持ちを聞いてもらいたくなるもの。  でも、あまりにしつこかったり、常識が...
キャンプより安近短なべランピング!楽しむコツ&それでも失敗したエピ
 空前のキャンプブームが到来していますが、やはりイチからキャンプギアを集めてテントを張って…となると、ハードルが高いと感...
見上げた青空が眼に染みて…1日に1回くらいは空を眺めてみる
 青空が眼に染みると思ったら、しばらく空を見上げていなかった自分に気が付いた。  うつむいて歩くのがクセになってい...