お豆腐との相性もバッチリ
「じゃこは湯洗いをして臭みを取るといいですね。醤油は一度に入れるのではなく、4、5回に分けて、段階を経て差して味を含ませていきます。そうすれば、じゃこが煮詰まり過ぎないので、硬くなりません。ふわっと仕上がります」
ふっくらしたじゃこを噛みしめると、濃縮されたうま味が口に広がり、あとから、やわらかな山椒の香りがやってきます。なんとも優しいお味いにほっこり。
たんぱくな豆腐との相性も抜群で、ツマミとしてだけでなく、ご飯と一緒に食べてもおいしそう。
醤油には、色が濃く甘味があるたまり醤油を使います。
「塩辛さがなくなり、角が取れて丸くなります。関東では馴染みがないかも知れませんが、九州では刺し身につけたり、煮物の最後にかけることもありますよ」
注文を受けてから国産レモンをカットする稚加榮オリジナルのレモンサワーをグビッと。風味と酸味がきいた爽やかな飲み口は、和食によく合います。
これなら“まずはレモンサワー”もありですね!
【材料】
・絹ごし豆腐 4分の1丁
・ちりめんじゃこ 500グラム
・酒 300㏄
・みりん 300㏄
・砂糖 100グラム
・実山椒 少々
・濃い口醤油 70グラム
・たまり醤油 70グラム
【レシピ】
(1)ちりめんじゃこを熱湯で2回ほど湯洗いして湯切りにし、鍋に酒、みりん、実山椒、砂糖も加えて炊き始める。
(2)濃い口とたまり醤油を混ぜ、4、5回に分けて加えていく。
(3)煮汁が少し残るくらいまで煮詰める。
本日のダンツマ達人…平山克浩さん
▽ひらやま・かつひろ
1965年生まれ。18歳で「博多料亭 稚加榮」に入店し、今年で35年目を迎える。繊細な技を必要とするフグさばきの美しさは、多くの美食家をうならせてきた。
▽はかたりょうてい ちかえ
明太子に代表される博多の食文化を広める名店。福岡店の広大ないけすには九州各地から水揚げされた四季折々の活魚が常時30種類以上。豪快にすくいあげられる海の幸は、客人の舌だけでなく心も満足させている。
福岡市中央区大名2―2―17
(日刊ゲンダイ2019年1月19日付記事を再編集)
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