「人権」不適切発言のプロゲーマー炎上・契約解除なぜ起きた

こじらぶ ライター
更新日:2022-02-18 10:18
投稿日:2022-02-18 06:00

選手契約解除のお知らせは一時サーバーダウンに

 日本人2人目の女性プロゲーマー・たぬかな(29)が、今月15日にライブ配信で170cm以下の男性に対し「人権ない」などと発言し大炎上。本人が謝罪したが鎮火せず、所属チームの運営である「ブロードメディアeスポーツ」が17日付けでたぬかなを契約解除するまでに発展した。

 問題発言に至る経緯としては、彼女がライブ配信プラットフォーム「mildom」で「おかしつくるよ」と題し、キッチンでお菓子作りをしながら視聴者と雑談しているところから始まった。

“身長165cm”のウーバー配達員を引き合いに出して炎上

 かつて彼女がUber Eatsを利用した際、配達員の男性から「連絡先教えてもらえませんか」と聞かれ「恐怖でしかない」「バリだるい」と感じたという。その理由として、男性は彼女の基準では背が低く、身長が165cmほどしかなかったためだとし、「その時点でもう『無いな』ってなってしまった。背が高くてムキムキやったら連絡先は教えてた可能性はある」と続けた。

 視聴者から165cmで背が低いとする彼女にやや驚きのコメントが届くと、

「165はちっちゃいね。ダメですね。170ないと、正直人権ないんで。170cmない方は『俺って人権ないんだ』って思いながら、生きていってください。骨延長(こつえんちょう)の手術を検討してください。骨延長手術で調べてください。170あったら人権がちゃんと生まれてくるんで」と断言した。

 こうした発言がネット上で大炎上し、同日中に自身のTwitterで

「配信の内容をヘイトスピーチだと指摘されました。そういう意図ではありませんでしたが、不快に思われた方が多いようなので撤回します、すみませんでした。高身長が好きって言いたいだけでした...いつもの配信の身内ノリで言葉が悪くなっちゃいました、ごめんなさい~...」

 と謝罪したものの、軽い口調で反省の色が見られないためか、炎上の火に油を注ぐ結果となった。

 その後、あらためて硬い口調で謝罪文をツイートしたものの、一連の流れがネットニュースになり、さらに拡散され、非難が殺到。契約解除にまで発展してしまった。

ライブ配信で軽はずみに過激発言したワケ

 プロゲーマーとして注目を集め、Twitterのフォロワーも3万人超いた彼女がなぜあれほどまでに過激な発言を軽はずみに公のライブ配信でしてしまったのか。

 最初の謝罪時に、彼女は「いやぁ、自分の過疎配信でまさか問題になるとは思ってませんでしたすみません!ひぇ~」ともツイートしていた。“いつもの身内ノリ”が大手ネットニュースサイトのトップ扱いになるなど夢にも思わなかったのだろう。

 ライブ配信していた「mildom」はゲームを中心とした映像配信プラットフォームだ。相当な高待遇で人気YouTuberを次々と取り込んでいるが、YouTubeに比べればまだ浸透度は低い。

 登録者数1000万人を超えるトップYouTuberのHIKAKINでも「mildom」での配信は視聴者数1000人程度ということもあった。YouTubeよりもコアなファンだけが配信に集まりやすい印象だ。

 ゆえに、配信者も「mildom」にコメントしにくるような視聴者とは“友達感覚”で、TVやYouTube配信より閉鎖的空間にいると錯覚しやすいのだろう。

 たぬかなはこれまでにも「mildom」配信で恋愛観や人の外見、所得、職業などについて過激な発言を繰り返していた。それでも、それを面白がって配信に来る視聴者がいた。

“身内ノリ”で「人権」を使う危うさ

 また、これまでゲーム界隈に留まってきた彼女の過激な発言が、今回ここまで大きな事態になったのは、「人権」という人間の尊厳に関わる言葉を“身内ノリ”で使ってしまったことも大きな要因だ。

 ゲーム界隈で「人権」は、それを持っていないとゲームの進行が困難になる、必須級の“強いキャラクターや武器”に対しスラングのように使われている。「人権キャラ」「人権なし」といった言葉が日常茶飯事に飛び交う。

 彼女が男性に対しても「人権ない」といつものノリで言ったことが、ゲーム界隈で火種となり、一般人にも知られることになって一気に燃え上がった。

 社会通念上、「人権ない」と人を揶揄することは差別と見なされ、不特定多数の人が見ている場では使用しないのが普通、ということが彼女の頭には無かったように見受けられた。

 何かをネットで発信する限り、どんな規模か、どれだけ過疎かに関わらず、瞬く間に万人が知るところとなり一大事になる可能性をはらんでいる。常にそう心に留めておくべきだろう。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


キンプリファン暴走…退所組冷遇阻止!公取委申し入れの是非
 先月、King & Prince(以下、キンプリ)からの脱退およびジャニーズ事務所退所が発表された平野紫耀(25)、岸...
こじらぶ 2022-12-03 06:00 エンタメ
「エルピス」は濡れ場も妥協せず!ドラマは視聴者を選ぶ時代
 クライマックスに向け、10月期ドラマが次々と佳境を迎える中、ネットニュースひとつとっても、かつてほど視聴率が重視されな...
W杯解説“顔面偏差値”は貴公子ウッチーこと内田篤人が堂々1位
 猫も杓子もワールドカップ、ワールドカップ。4年に1度のお祭りですから。盛り上がりたいのもわかりますが、昨日までサッカー...
芸能界年の差婚“序列”は極楽山本&渡部建おめでたでどうなる
「いい夫婦の日」の11月22日、お笑いコンビ「極楽とんぼ」の山本圭壱(54)と元AKB48の西野未姫(23)が結婚を発表...
マルモリから11年!鈴木福「イケメン(仮)」まだまだ成長期
 早いもので「マルモのおきて」(フジテレビ系)から11年。双子の姉弟を演じ、「マル・マル・モリ・モリ……」と歌っていた芦...
NHK紅白歌合戦「ジャニタレ」と「K-POP」てんこ盛りの勝算
 NHKは16日、大みそかの「第73回NHK紅白歌合戦」(19時20分から放送)の出場歌手42組を発表した。  注...
未婚40代に送る「モダンラブ・東京」3話。大人の恋は楽しい
 Amazonのプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」にて配信されている、Amazon Origin...
メンバー愛炸裂「King & Princeる。」は“五指”に入る番組!
 なにやらジャニーズ事務所が揺れています。先月末のタッキーこと滝沢秀明(40)、ジャニーズ退社とジャニーズアイランド社長...
櫻坂46菅井友香卒業 欅坂46改名を経た過酷なキャプテン<前>
 欅坂46・櫻坂46でキャプテンを務めた菅井友香(26)がアイドルを卒業した。波瀾万丈な菅井の7年を振り返りつつ、彼女の...
こじらぶ 2022-11-13 13:48 エンタメ
櫻坂46菅井友香卒業 欅坂46改名を経た過酷なキャプテン<後>
 欅坂46・櫻坂46でキャプテンを務めた菅井友香(26)がアイドルを卒業した。波瀾万丈な菅井の7年を振り返りつつ、彼女の...
こじらぶ 2022-11-12 06:00 エンタメ
タッキー新会社設立報道で…脱ジャニ組と海外進出の可能性
 11月1日にジャニーズ事務所の副社長を退任、同社も退社したタッキーこと滝沢秀明氏(40)。今後の動向が注目されるなか、...
「モダンラブ・東京」2話がセックスレス世代にぶっ刺さり!
(編注:記事内にはドラマに関する多少のネタバレを含みます)  Amazonのプライム会員向け動画配信サービス「Pr...
豊川悦司は古谷一行さん亡き後、ベッドで魅せる唯一の俳優
 映画「あちらにいる鬼」の公開を前に、寺島しのぶ(49)、広末涼子(42)とともに宣伝に忙しい豊川悦司(60)。おかげで...
タッキー電撃退社で懸念 滝沢歌舞伎は井ノ原体制でどうなる
 先月31日、タッキーこと滝沢秀明氏(40)がジャニーズ事務所を退社、同事務所の副社長と子会社「ジャニーズアイランド」の...
「モダンラブ・東京」1話見た? 同性婚・母乳育児の苦悩とは
(編注:記事内にはドラマに関する多少のネタバレを含みます)  10月21日からAmazonのプライム会員向け動画配...
飯テロと思いきや…「キス×kiss×キス」は女子の大好物満載!
 いったい私は何を見せられているんでしょうか。  水ドラ25「キス×kiss×キス~メルティングナイト」(テレビ東...