大切にしたい人がいるあなたへ…勉強になった優しさのカタチ

おくげちゃん 漫画家・イラストレーター
更新日:2022-02-25 06:00
投稿日:2022-02-25 06:00
 みなさんは友人が落ちこんでいる時、どうしますか? とことん話を聞く、気晴らしにパーっと遊びに連れていく(コロナ禍では難しいかもですが)。あるいは、自分ができるアドバイスを目一杯する……。手段はどうあれ、まずは「優しくしたい」と思いますよね。
 私も同じですが、先日すごく勉強になったことがあったのでシェアさせてください。さて、どろんぱは営業前。コミがマキさんとなにやら雑談中。

 

 

相手のために必要なことを常に考えて

 実は今、私の友人が心の病と闘うために入院しています。とはいえ、仲良くなったのはここ数年。世間的にはあまりできないと言われている、大人になってからの友人です。

 私は、もともと友人が多い方ではありませんし、人付き合いも得意な方ではありません。だから、自分と仲良くしてくれる人は、生涯大切にしていきたいです。

 困っていれば助けたいし、のろけ話があるならずっと聞きたい。そうして大切な人のために時間を割き、要求に応えるのが優しさだと思っていたのです。

 入院から2日ほど経った時、本人から1件のラインが入りました。心の病で入院する場合は、スマホなど外界と繋がれるものは、ほとんど禁止されるらしいのでびっくりしました。そして同時に嬉しくもありました。

「いつでも連絡できるならラッキーじゃん!」

 と、返事を打とうとした瞬間、別の友人の言葉を思い出しました。

「入院の目的は、ちゃんと心を休めるためにあるんだよ。余計な情報をシャットアウトさせるのはそのため。オンライン上のコミュニケーションはとらない。それが結果的に、彼女の退院を早めると思う」

 結局、ラインでの返信はせず、手紙を出しました。

 ここで学んだのは、相手のために我慢する、堪えるといった“静かな優しさ”もあるのだということ。優しさのカタチが、心を鬼にすることで表現される時もある。

 個人的には、どうせ世間は冷たいんだし、友人や家族、恋人くらいは甘やかしたい気持ちもあります。でも、それではダメな時もあるんですね。ぐっと堪えることを覚えられたのは、自信にもつながる大きな成長でした。

 誰かに優しくしたいと思った時は、この日の出来事を思い出すようにしたいです。

登場人物紹介

コミ:どろんぱのホステス。自分よりも他人を優先するところがあるので、たまに疲れてしまうことも。マキさんを心から尊敬している。結婚したいが彼氏ができないのが悩み。

マキさん:どろんぱのナンバーワンホステス。たまに来ては大金を稼いで帰るすごい人。反応が面白いので後輩にいじわるをすることもある。3人の子持ち。

おくげちゃん
記事一覧
漫画家・イラストレーター
酒呑みまんが家。ふしぎで妖しい話を描いています。就活が嫌すぎて3年間ドイツに逃亡するなど放浪癖あり。京都市出身、東京在住。水商売歴10年。XInstagramでは毎日漫画を更新中。実績などはこちら

ライフスタイル 新着一覧


出産で疎遠に…結婚後に態度が変わる女友達の特徴&無理しない付き合い方
 学生時代に仲の良かった女友達も、結婚した途端に疎遠になってしまったというのはよくある話です。どうせなら、結婚しても長く...
発達障害グレーゾーンの長男が憎い…ある一言で私の何かがプツンと切れた
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
パーフェクト“たまたま”の精悍&クールな眼差しに痺れちゃう
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ゴールデンボンバーの「女々しくて」は言い得て妙だった!
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
LINEのない生活は無理!父の死、仕事の失敗、自分の病…心が救われた話
 仕事で大きなミスをして落ち込んだり、大事な人を失って悲しんだりと、気持ちが沈んでしまう瞬間がありますよね。そんなとき、...
他人の不幸は蜜の味でも不倫より「よろめき」のほうが風情があっていい
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
義母が若すぎるとこうなるのか!介護の心配もジョークで交わせるって素敵
 年下の男性と結婚した場合や、夫の母親が若くして出産している場合には、若すぎる義母が誕生するケースがあります。中には、義...
ほっこり読み切り漫画/第59回「ボクは君で、君はボク」
【連載第59回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「「しっ...
「たかが、ものもらい」じゃなかった 30代女、霰粒腫の手術をしました
 先日、眼科で右目のまつ毛の生え際にあった“しこり”の切除手術をしました。「たかが、ものもらい」と思っていたのですが、こ...
久々に会ったペルシャ料理店の友人は変わらず元気だった
 お互いにいい歳。出合った頃より額は広くなったし、シワも増えた。  そして、なぜだか年々服装がハデになっていくんだ...
木下優樹菜はイチャイチャ公開…子の将来に悪影響を及ぼす母親の恋愛は?
 元タレントの木下優樹菜(35)が“アクセル全開”、SNSの投稿や出演番組があれやこれやと話題になっている。  た...
子供の言葉遣いが悪い時はどうすれば? 考えられる4つの原因
 子供が保育園や小学校に通い出すと、悪い言葉遣いを覚えて帰ってきます。また、悪い言葉遣いはSNSや動画サイトなどからも大...
“たまたま”の日常♡ この写真にぴったりな名前を選んでニャ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
コクハク専属ライバー コクハクリーダーズ第1期生を大募集!
 日刊ゲンダイが運営する女性webメディア「コクハク」では、メディア制作に協力してくださる「コクハクリーダーズ第1期生」...
金木犀の香りが空前のブーム!甘く懐かしくアンチエイジングに運気UPも
 とある量販店に行った時のことです。入り口付近に黄金色の商品ばかりが並び、遠巻きに見ると店舗全体が黄金色に輝いてみえる。...
タイパ? なにそれ。映画館で初対面の作品と出会う胸のときめき
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...